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Leica M (Typ 262)とPureRAW 2 ②

前回に引き続き、M (Typ 262)とPureRAW 2の話です。

前回の記事はこちら。

PureRAWを試してみる

無事にPureRAW 2を使えるようになったので、早速いくつかの写真で試してみました。各写真はノイズ軽減だけでなくその他パラメータもLightroomで調整したものになります。基本的には撮って出し再現プロファイルの適用と露光量の調整、クロップ・傾き調整をしていて、必要な場合にハイライトとシャドウをもう少し調整したくらいです。

ノイズ軽減に関しては普段のRAW現像と比較するために、PureRAW (DeepPRIME) を適用したものと、PureRAWを使わずLightroomのノイズ軽減のみを適用したものを比較します。Lightroomのノイズ軽減については普段通りの弱めのパラメータ(輝度5)と強めにしたパラメータ(輝度25)の2通り(カラーノイズ軽減のパラメータはどちらも5)を試しました。なので合計3つの比較になります。写真全体を載せているものはPureRAWを適用した写真です。それ以外との比較はクロップして拡大したもので行いました。

なお、使えるようになったとはいえサポートされていないカメラで撮影した写真への適用となりますので、本来の性能が発揮されていない可能性もあることにはご注意ください。

適用例 1

M (Typ 262), Summilux 50mm f/1.4 2nd, ISO 800, Exposure+0.75, PureRAW (Deep PRIME)

ISO感度は800とそこまで高くありませんが、結構暗めに撮ってしまって露光量を+0.75しているので元のRAWではそれなりにノイズが出ています。PureRAWを適用することでかなりノイズのざらつきが消えています。

以下では部分的に拡大して詳細を比較します。

左から順に、ノイズ軽減(弱)、ノイズ軽減(強)、PureRAW
左から順に、ノイズ軽減(弱)、ノイズ軽減(強)、PureRAW

どうでしょう。弱めのノイズ軽減ではざらっとノイズが残っていますが、PureRAWではかなり綺麗になっているように見えます。Lightroomのノイズ軽減でも強めにかければある程度ノイズは消えてきますが、やはりディテールがつぶれてきています。その点PureRAWはある程度ディテールが残っていつつもノイズを消せている感じでしょうか。とはいえノイズ軽減(弱)と比べると少しのっぺりしている気もします。

まとめると以下のように感じました。

ノイズ:PureRAW > ノイズ軽減(強)> ノイズ軽減(弱)
ディテール:ノイズ軽減(弱)> PureRAW > ノイズ軽減(強)

このくらいのノイズであれば個人的にはPureRAWなしでちょっとざらっとしている方が好みです。

また、ちょっと気になったのは、PureRAWを適用するとわずかにクロップされるのと、若干緑被りしたように色が変わって見えることです。後でいじればいいので問題になることはまずないと思いますが、ノイズ以外も変わっちゃうとちょっと気になっちゃいますね。

適用例 2

M (Typ 262), Summilux 50mm f/1.4 2nd, ISO 200, Exposure+2.05, PureRAW (Deep PRIME)

ISO感度は200ですが2段ほどRAW現像で持ち上げています。なぜこんな夜にISO 200で撮っていたのか謎ですが、それでもなんとかなるのがRAWの良いところですね。

若干ピンボケ気味なのと絞り開放の甘さもありディテールとはというような写真ですが、こちらも一応部分的に拡大して詳細を比較してみます。

左から順に、ノイズ軽減(弱)、ノイズ軽減(強)、PureRAW

載せておいてあれですが、ちょっとわかりにくいサンプルですね… 全体的には前の例と同じような印象です。

適用例 3

M (Typ 262), Summilux 50mm f/1.4 2nd, ISO 1250, Exposure+0.50, PureRAW (Deep PRIME)

こちらはISO 1250と比較的高感度で撮った写真になります。さらに半段持ち上げているので元のRAWでは結構ざらっとしているのですが、PureRAWによりかなり滑らかになっています。

左から順に、ノイズ軽減(弱)、ノイズ軽減(強)、PureRAW

やはりPureRAWは強くノイズを軽減しつつもディテールは維持しているように見えますね。元のノイズが大きいほど効果を感じます。

適用例 4

M (Typ 262), Summilux 50mm f/1.4 2nd, ISO 1600, Exposure+1.70

ISO 1600で露光量+1.7ということで今回の例の中では一番ノイズの多い写真だったのがこちらです。

左から順に、ノイズ軽減(弱)、ノイズ軽減(強)、PureRAW

ノイズ軽減(軽)ではノイズがかなりひどいことになっていますが、PureRAWではかなり綺麗になっています。ディテールも十分維持されているように見えますね。こういう写真も救えるようになると思うとPureRAWが欲しくなってきます… しかしM (Typ 262)ではEXIFの書き換えが必要という手間が…

おわりに

デモ版で軽く触った程度ですが、PureRAWのすごさをある程度感じられたかなと思います。PureRAW 2になってLightroomからPureRAWを使えるプラグインもできているので、1万円以上の値段はしますが購入する価値はあるように思いました。

ただ、自分の場合はM (Typ 262)がサポートされていないというのが厳しいです… せっかくLightroomのプラグインがあっても使えず、事前にEXIFを書き換えてPureRAWを適用して再度EXIFを直してからLightroomにインポートという手順が必要というのはさすがに… 自分自身そこまでノイズを気にするタイプではないので、よっぽどなんとかしたい写真がない限りはPureRAWは使わない可能性が高そうです。なので、M (Typ 262)がサポートされていたらわかりませんでしたが、ひとまず購入は見送ろうかと思います。サポートするカメラを追加してくれたら嬉しいのですが、新機種ならともかく旧機種に対応することは考えにくいですよね… RAW現像のワークフローが煩雑になるのは嫌なので、こうなるとAdobeさんがLightroomにPureRAWに匹敵するノイズ除去を実装してくれるのを信じるしかありません。Adobeの技術なら絶対できると思うんですけどね…

ということで、M (Typ 262)とPureRAWの話でした。

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