【無限期間への誘い🔥】DSGEモデルにおける横断条件の存在意義とは?:上級マクロ経済理論 No.4
Introduction:大学院レベルのマクロ経済学を修めたい💛
経済学部に通う私も
いよいよ大学最終年になり
学問に全力を注ぐ時間も限られてきました👍
「知は力なり」という言葉を信じて
残りの大学生生活を満喫したいと思います
学部レベルのマクロ経済学は
個人的によく理解できたつもりです
しかしながら、本当の経済の動向を理解するには、学部レベルの知識ではお話になりません
だからこそ、大学院レベルのマクロ経済学を
自習したいと思います
私は大学院進学を検討していた時期もありましたが、いろいろな要素検討の結果、学部での卒業ならびに社会で勝負することを決断しました
何事もアウトプット前提のインプットが
大事であると、noteで毎日発信してきました
これは、どのような内容で
あっても当てはまります👍
先行研究の論文を一概に読んでも
記憶に残っていなかったり
大切な観点を忘れてしまっていたりしたら
学習の進捗は滞ってしまうと思います
だからこそ、この「note」をフル活用して
自分の知識を1%でも、定着させ
誰にでもわかりやすい解説をアウトプットできるように努めていきたいと思います
私がこれからアウトプットする
大学院レベルのマクロ経済学の学習記録を
どうぞご愛読ください📖
今回の参考文献:DESG Model📚
マクロ経済学の有力な分析手法としてよく用いられるモデルに確率的動学一般均衡(dynamic stochastic general equilibrium;DSGE)モデルがあります
このモデルについて、これから簡単に解説を行きたいと思います
こちらのサイトを参考文献として
動学的確率的一般均衡モデルの解説を試みたいとおもいます
どうぞ、大学院レベルのマクロ経済学を
ご堪能ください💗
動学的確率的一般均衡モデルの導入
今回の投稿は、モデルの概要ならびに説明に使用する記号を丁寧に説明することを目的としています
動学的なモデルであるため、第t期の動態を考えていくことになります
したがって、添え字のtによってt期の変数などを表記することにしましょう
使用する記号は、以下の通りです📝
$$
DSGE Model Variables \\
L_t= Population of term t\\
w_t = wage rate \\
w_t L_t = Labor Income\\
\\ \\
K_t = Asset of household \\
r_t = Interest rate \\
r_t K_t = Asset Income\\
P = Price … P=1 standardized \\
Y_t = GDI or Production Function\\
A_t = Technology Shock\\
\\ \\
Representative Household \\
C_t = Consumption\\
S_t = Savings\\
ρ= Subjective Discount rate \\
δ= Capital Depletion rate\\
\alpha= Distribution Share \\
\beta = Parameter >0
$$
また、モデル内では、人口一人当たりの変数に着目します
これらの変数を「小文字」で表記することにしていますので、ご留意くださいね
$$
Per capita variable\\
divided by L_t \\
\\
n_t = Population Growth Rate\\
k_t = Capital per preson\\
c_t = Consumpution per preson\\
\\
u(c_t) = Utility Function per preson\\
y_t= Production per preson\\
$$
また、新たな記号が登場したら、随時定義して解説します
こちらの投稿にて、DSGEモデルのイントロダクションを解説しておりますので、ぜひご確認ください💗
Ramsey Model Part③
前回のお復習い📝
ラムゼーモデルにおける家計の最適化問題は以下のように定式化されることを確認しました
$$
Lifetime Utility Optimization \\
\\ \\
Max:\displaystyle\sum_{t=1}^∞\frac{u(c)}{(1+ρ)^{t-1}}=u(c_1)\\ +\frac{u(c_2)}{1+ρ}+\frac{u(c_3)}{(1+ρ)^2}+\frac{u(c_4)}{(1+ρ)^3}…\\
\\ \\
Subject to Budget Constraint \\
\\
(K_{t+1}/L_{t+1})(L_{t+1}/L_t)-K_t/L_t \\
=[r_tK_t+w_tL_t-C_t]/L_t\\
(1+n)k_{t+1}=r_t k_t +w_t -c_t \\ \forall{t}=1,…∞
$$
そして、家計の生涯効用が「最大」となっているのであれば、以下のオイラー方程式が成立していなければならないということがわかりますね👍
$$
u'(c_t)=\frac{1+r_{t+1}}{(1+ρ)(1+n)}\times{u'(c_{t+1})}
$$
人口成長率(n)を考慮に入れた、ラムゼーモデルにおけるオイラー方程式でしたね📝
また、家計の効用関数を、対数関数In(c)と特定化すると、オイラー方程式は次のように表されることになるのです
$$
Euler Equation \\ \\
\frac{c_{t+1}}{c_t}=\frac{1+r_{t+1}}{{(1+ρ)}{(1+n)}}\\
\\ \\
where, u(c)≝In(c_t)
$$
ここまでを前回のお復習いとしましょう💖
横断条件の存在意義
こちらのPDFで詳細についてはご確認ください
Ramsey Modelでは、無限期間における家計の生涯効用最大化問題を仮定していましたね📝
このように無限に存続する家計を想定する場合、選択された消費計画が生涯効用を最大化するためには、以下で説明する「横断条件」が必要となります📝
$$
Budget Constraint \\
\\ \\ \\
(K_{t+1}/L_{t+1})(L_{t+1}/L_t)-K_t/L_t \\
=[r_tK_t+w_tL_t-C_t]/L_t\\
\\ \\
(1+n)k_{t+1}-k_t=r_t k_t +w_t -c_t …➀\\
$$
t期の予算制約式である➀式を少し変形すると以下の関係式を得ることができます📝
$$
(1+n)k_{t+1}=(1+r_t) k_t +w_t -c_t…②
$$
②式を得ますが、これはt+1期にも同様の関係が成立していることになりますね
$$
(1+n)k_{t+2}=(1+r_{t+1}) k_{t+1} +w_{t+1} -c_{t+1}…③
$$
②式と③式を使って、両式からkt+1を消去すると以下の式を導出することができるのです
$$
\frac{(1+n)^2 k_{t+2}}{1+r_{t+1}}\\=(1+r_t)k_t+w_t -c_t \\ \\+ \frac{(1+n) w_{t+1}}{1+r_{t+1}}-\frac{(1+n) c_{t+1}}{1+r_{t+1}}…④
$$
④式のような関係式を得ることができました
t+2期以降においても、無限期間にわたってこのような逐次的な代入関係が成り立っていることを想定していきましょう
このような式変形を繰り返していくことで
最終的に以下の関係式に帰結させることができるのです
$$
\lim\limits_{j\to∞} \frac{(1+n)^{j+1}k_{t+j+1}}{\prod_{i=1}^j(1+r_{t+i})}\\
=(1+r_t)k_t +w_t \\ \\+\sum_{j=1}^∞\frac{(1+n)^jw_{t+j}}{\prod_{i=1}^j(1+r_{t+i})}-c_t \\ \ -\sum_{j=1}^∞\frac{(1+n)^jc_{t+j}}{\prod_{i=1}^j(1+r_{t+i})}…⑤\\ \\ \\
where,\prod_{i=1}^j(1+r_{t+i})\\=(1+r_{t+1})(1+r_{t+2})…(1+r_{t+j})
$$
ここで、⑤式の左辺が負の値(<0)であったとしましょう💦
もしマイナスの値を取るのであれば
この家計の生涯消費が生涯所得を上回ることになりますので、生涯の予算制約を満たすことが不可能になってしまいます
したがって、左辺が負の値を取らないという条件も必要となります
これをNo-Ponzi-Game(NPG)条件と言います📝
$$
No Ponzi Game Conditions\\ \\
=(1+r_t)k_t +w_t \\+\sum_{j=1}^∞\frac{(1+n)^jw_{t+j}}{\prod_{i=1}^j(1+r_{t+i})}-c_t \\ \sum_{j=1}^∞\frac{(1+n)^jc_{t+j}}{\prod_{i=1}^j(1+r_{t+i})}>0
$$
また、もし左辺が正の値であれば
この家計の消費計画において使用されない生涯所得が残ってしまいます
これは、生涯消費を増やすことで
この代表的家計は生涯効用を増加させる余地あるということと同義です
したがって、この場合には家計を構成する
個人が一人当たり消費を増やすことで
生涯効用を増加させることが可能ですから
左辺が正であることも代表的家計の生涯効用が「最大化」されていない状態ということになってしまうのです
つまり、オイラー方程式に加えて
家計の生涯効用最大化条件として以下の関係式が必要とされることを念頭においてください👍
$$
\lim\limits_{j\to∞} \frac{(1+n)^{j+1}k_{t+j+1}}{\prod_{i=1}^j(1+r_{t+i})}=0…⑥
$$
この式こそ、動学的経済モデルを説明するうえで大切な「横断条件」になるのです📝
本日の解説はいかがでしょうか??
大学院レベルのマクロ経済学はやはり簡単ではありませんね
しかし、このレベルの議論を追求することで、もっと経済の動向や社会現象の本質的な問題、政策の整合性などがわかるようになってきます
だからこそ、大学院レベルのマクロ経済学の概要や基本的な概念だけでも心得ておくことが賢明であるように思います💗
次回は、動学的な経済理論モデルならびにRamsey Modelの説明において欠かせない「資本蓄積方程式」について解説したいと思います
モデルが機能するためには、一人当たり資本や所得がどのように推移していくのかを理解しておかなければなりませんので、非常に大切なインプリケーションを得ることになるはずです📝
付録:私の卒論研究テーマについて🔖
私は「為替介入の実証分析」をテーマに
卒業論文を執筆しようと考えています📝
日本経済を考えたときに、為替レートによって
貿易取引や経常収支が変化したり
株や証券、債権といった金融資産の収益率が
変化したりと日本経済と為替レートとは
切っても切れない縁があるのです💝
(円💴だけに・・・)
経済ショックによって
為替レートが変化すると
その影響は私たちの生活に大きく影響します
だからこそ、為替レートの安定性を
担保するような為替介入はマクロ経済政策に
おいても非常に重要な意義を持っていると
推測しています
決して学部生が楽して執筆できる簡単なテーマを選択しているわけでは無いと信じています
ただ、この卒業論文をやり切ることが
私の学生生活の集大成となることは事実なので
最後までコツコツと取り組んで参ります🔥
本日の解説は以上とします
今後も経済学理論集ならびに
社会課題に対する経済学的視点による説明など
有意義な内容を発信できるように努めてまいりますので、今後とも宜しくお願いします🥺
マガジンのご紹介🔔
こちらのマガジンにて
卒業論文執筆への軌跡
エッセンシャル経済学理論集、ならびに
【国際経済学🌏】の基礎理論をまとめています
今後、さらにコンテンツを拡充できるように努めて参りますので、今後とも何卒よろしくお願い申し上げます📚
最後までご愛読いただき誠に有難うございました!
あくまで、私の見解や思ったことを
まとめさせていただいてますが
その点に関しまして、ご了承ください🙏
この投稿をみてくださった方が
ほんの小さな事でも学びがあった!
考え方の引き出しが増えた!
読書から学べることが多い!
などなど、プラスの収穫があったのであれば
大変嬉しく思いますし、投稿作成の冥利に尽きます!!
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