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松の内も過ぎて

年明けから、大きな災害や事故のニュースに胸が痛むことになった。しかも、毎日のように。
なんだか年が明けたような気がしなくなってしまったまま、「松の内」もあっという間に過ぎて行った。

何度も書いているが、日光の門前町は「祭(いのり)のまち」というまちづくりのコンセプトを掲げている。
信仰や祭りを語ると長くなるので、ザックリと申し上げると、これは年間を通して「祭り」が多い地域特性と、社寺ひいては山々への参詣と共に発展してきた門前町には「祈り」が集まってくる、という主に2点を鑑みてコンセプトにしたものだ。

年始の行事・祭は多い。
ローカルコミュニティを中心とした小さな祭りも多い。
私の身の回りでは、町内の「八坂祭」があった。
他には近所の虚空蔵尊のお祭りと、同じく近所の鉢石はついし初市(カバー写真)があった。
町内ごとにそれぞれに松集めがあり、「どんど焼き」も行われるだろう。

虚空蔵尊のお祭りの際の一コマ
同じ境内にある芋地蔵尊と火伏不動尊

「今年を良い年にしたい」という願いは、信仰(祭り)や行事に今も残っており、その強さを特に感じる。
言うまでもないが、これは何も日光に限らず、初詣のような機会にのみ宗教色や“願掛け”が色濃く見える。国民性とも言えようか。

輪王寺の護摩炊き

そういえば、以前下野新聞のコラムでこのように書いたこともある。

この中で、こんな風に書いた。

ツリーや縁起物は季節によるが、龍の街路灯は年中変わらずにともる。
それがこのまちの日常なのだが、年末になると私には一層「いのり」の風景に見えてくる。
来年はどんな年になるだろうか。今年は良い年にしたい。
それぞれの心に小さな願いの灯がともり、山々に抱かれた社寺と門前町にその思いや祈りが集まってくる。
今年ももうすぐいのりの灯がともる。

[2021/12/15下野新聞「しもつけ随想」掲載]

年末の掲載だったため、このように書いたが、今年も同じことを考えている。

こうした祭りと、観光地である側面が作用して、門前町はバタバタとそしてあっという間に年始が過ぎていく。

しかし、人口減で地域が細っても、このような小さな行事が続いていること、続け“られて”いることに、コミュニティへの敬意と日々の暮らしへの感謝を感じざるを得ない。

誰にとっても良い年になるよう、あらためて祈るばかり。
こうなれば、少しでも良い年に。
そして、自分にできることを考え、一つ一つ実行していくのみ。
そんなことを考える年始。

…まあ、少々大袈裟かもしれないが、そんなことを思っている。(おい、ちょっと真面目過ぎんか?笑)

今年もいのりのまちで、日々・暮らし。

NPO法人日光門前まちづくりnote部 | 岡井 健(世話人)

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