2023.1.9

年が明けてもう9日。
ただひたすらに食っちゃ寝したお正月も終わり、日常が戻ってきた。
最近読んだ本の余韻がすごいので書き留めておきたい。

それがこちら。

読む手を止めることができず、一気に読んでしまった。

あらすじはこうだ。3浪生の徳山はある日、バイト先の同僚にキャバクラに連れて行かれる。そこで出会ったナンバーワンキャバ嬢の初美。世界の残虐さ、人間のよく深さを知る初美の異様な魅力に徳山は取り憑かれていく。やがて二人は解脱を目指して死んでいくように生きていく。

まず、徳山に自分を重ねざるを得ない。境遇、性格、依存、だらしなさ。これは男ならある程度共感できうるものかもしれない。似ていないのは体型くらいか。話に没入するには十分すぎる理由。
自分も初美と出会ってしまったらきっと徳山と同じような道を辿る。絶対に辿る。
そして、初美の言動全てに人間として生きる意味を考えさせられる。人間は生きていくにつれて、否応なしに世の中のシステムに組み込まれてしまう。そんな世界で生きていくためには、あらゆる「欲」を満たし続ける必要がある。そんな人生に価値はあるのか?そう問われ続ける。そうして初美に染められていく。なんというファムファタール。

初美は究極の個性なんだと思う。誰もが憧れ、惹かれ、魅了されてしまう。もはや初美自身が死の概念に近いのか?とも思う。

ともあれ読後にこれほど思考の余白を残してくれた作品は初めてです。読めてよかった。

俺も淀川区で一番の美人と王子動物園に行ってみたいもんです。



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