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不格好就活 | 元電通マンが100人のOB訪問を受けた今、就活生に伝えたいこと

自分が学生時代にOB訪問をさせて頂いた恩を、次は下の代に還元する番だと思いお願いされたOB訪問は全て受けています。

その結果毎年10人以上の学生とお会いしているのですが、その内2割くらいは魅力的で将来一緒に働きたいなと感じます。

一方で残り8割の特に記憶に残らない学生たちに対しては

「もしかしてこの就活で一皮剥けるか剥けないかが、彼らが人として魅力的になれる最後のチャンスなのでは?」

と思うようになりました。

なぜならば、なんとも言えない社会人に久しぶりに会った際に「こいつ魅力的になったな!」と変貌しているケースに私は遭遇したことが無いからです。

そこで、この記憶に残らない8割の学生に対して私なりに一皮剥けるきっかけを提供できればと思い、伝えたいことをまとめました。

どうしても上から目線な表現に終始してしまいましたが、表現に惑わされずに意見を真摯に受け止められることも魅力的な人の共通点だと思いますので、お許しください。

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私の就活 「なぜ電通に入った?」

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よくOB訪問の学生に「電通に入ろうと思った原体験を教えてください!」と聞かれます。

先に答えると私に原体験なんてありませんでした。

電通に入ろうと思った理由は自分の内側から湧き出る何かに従ったからでは無く、大学生だった自分なりに時代の流れを感じて今後面白くなりそうな分野を探した結果「電通」に行き着いたのです。

マーケティング用語で言うと「プロダクトアウト」では無く「マーケットイン」の発想でした。

プロダクトアウトマーケットイン

そんな私が電通を志望した流れはこんな感じでした。

1.
大学で建築を選考していたこともあったので、とりあえず

建築→物づくり→メーカー

と言うことでメーカーを調べました。
ですが当時メーカーは明らかに成熟していて「5cmの厚さのテレビを3cmの厚さに変える作業をしている」様にしか見えなかったので志望することを辞めました。
※あくまで私が就活をしていた2014年の意見です。今はIoTもあるのでその限りでは無いかもしれません。

メーカー

2.
「物の製造が成熟しているなら、次は物を受け渡す貿易が面白い時代なのでは?」と思い商社を志望。
ですが当時から商社は投資ビジネスに移行していたので

「貿易もある程度型化されていて、今から入っても先は知れているのでは無いか。」

と思い志望することを辞めました。

商社

3.
物の時代が終わったなら次は情報の時代だ!と思いメディア系の会社を調べました。すると

「日本の広告代理店は一業種多社制と言う海外には無い業態を取っている。故に日本に流れる情報は全て一部の広告代理店を通さないと一般人には届かない構造になっている。」

と言う話を聞きました。

私はこれを日本に流れる情報の全ては一度日本一の広告代理店である電通を通さないと行き渡らない仕組みになっている。

と解釈しました。

逆に言えば情報元か電通にいない人は電通に取捨選択された情報に踊らされてしまうと思えたので

「こんなに面白い会社があるのか!」

と目を輝かせたことを覚えています。

しかも当時は皆スマホを持つのが当たり前、SNSアカウントを持つのが当たり前になり始めた時代で、明らかに情報のあり方が変わろうとしていました。

時代の流れとしてもこれから電通は面白くなりそうだ!と思った私は就活の第一志望を電通に決めました。

広告代理店

※入社してみて実際どうだったか?は個別に聞いてください。

ちなみに上記の様に自分で調べて調べて行き着いたのが電通だったので、電通が高級取りだとか就職人気ランキング上位だとかは内定後知りました。マジで。



私の就活 「どの様にして電通に入った?」


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面接対策やOB訪問の数と言った表面的な話は省きます。ここではマインド的な話をさせて下さい。

私は大学受験に失敗しています。
第一志望だった東大は落ちました。

「努力が足りなかったからだ!」

と言われてしまえばそれまでなのですが、個人的には自分の意志の弱さが招いた結果だと捉えています。

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あれは私が高校三年生の正月のことです。

センター試験を二か月後に控えた私は同級生と一緒に学問の神様がいる湯島天神に行き絵馬を書きました。

それまで私は「絶対東大に入る!」と意気込んで寝る間を惜しんで勉強に励んでいました。

東大以外の過去問は一切解いたことが無く、東大模試以外の模試は一切受けたこともありませんでした。

それだけ自分を追い込んで東大を目指していた私は、気付くと絵馬にこう書いていたのです。


「東大、早稲田、慶応のどれか一つには受かりますように!」


今でもなぜこの時だけこの様な逃げ腰の絵馬を書いてしまったのか分かりません。
きっと受験本番が近づくことによるプレッシャーに負けたのでしょう。

気付けば絵馬に書いた通りに早稲田にだけ受かり早稲田に進学することになってしまいました。

最後の最後に自分で逃げ道を作ってしまった自分の弱さの結果、私は受験に失敗しました。

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私は就活の際この経験を思い出しました。
そしてこの失敗を糧にして絶対就活は成功させてやろうと決心しました。

徹底的に自分を追い込んで逃げ道を無くして「電通に落ちたら就活は失敗」という状況を作り出そうと考えた私は、ある友人一人にこうお願いしました。

「今日から毎日一通LINEを送るから無視してて!」

そして私は電通を第一志望としたその日から、その友人に毎日LINEでこう送り続けました。

「俺は電通に入る!」

と。


いや~友人は意味わからなかったでしょうね。笑
しかしその結果、友人へのLINEを開始してから約二か月後

「俺は電通に入った!」

と送ることが出来ました。
友人は心底驚いていましたね。笑

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就活で大切なこと

転職が当たり前になった今、「どの会社に入社するか?」の重要性は下がってきました。私自身これだけ熱い想いを持って入社した電通を4年で退職しました。

ですが私は就活では自分が入りたいと思った会社の内定を勝ち取るという成功体験を得ることが最も大切だと考えています。


長い人生において「こうなりたい!」「これが欲しい!」と思うことは多々あると思うのですが、その度に人は無意識の内に

1. 自分の想いを実現させるためのゴールを描く
2. ゴールを達成するために市場のルールを把握する
3. ルールの範囲内で、ゴールを達成する戦略を考える
4. 戦略を実行する

と行動すると思います。
しかし実行してみることにより、途中で想いが変わったり、市場の新しいルールに気付いたりすることがあるため、

1→2→3→4→1'→2'…

という風にぐるぐるすることになるのが現実です。


例えば「留学したいな!」と思った時は、

1. 「1年間海外で過ごす」をゴールに設定
2. VISAの関係やらで行ける国は限られていることを把握
3. 自分の家庭は裕福では無いので私費留学は無理、よって交換留学を選択。
また、英語力には自信が無かったので留学受け入れ条件に英語力があまり求められないニュージーランドを選択
4. 留学する

1'. 行った先が日本人留学生が沢山いる学校だったため留学を満喫できなかった
従ってゴールを「1年間海外で日本人がいない環境下で過ごす」に変更
2'. 一回だけ転校することが出来る仕組みの存在を知る
3'. 自分で各方面に交渉するしかない
4'. 学校、ホストファミリー、交換留学斡旋会社に自分で交渉する

この結果「1年間海外で日本人がいない環境下で過ごす」を達成!

といった具合に。
(私の高校生時代の実体験です。笑)

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ここで大切なのは、1→2→3→4(以下ぐるぐると表現)が一周出来ないと次の一周に進めない点です。

つまり一周ぐるぐるする能力が高ければ高いほど、自分の想いを実現することが出来るのです。
そしてこの能力は椅子に座って勉強する類のものではなく、行動して積み重ねることでしか身に付かないと思っています。


話を就活に戻します。


就活も

1. 自分の想いを実現させるためのゴールを描く
→入りたい会社を決める
2. ゴールを達成するために市場のルールを把握する
→その会社がどの様な学生を求めているか知る
3. ルールの範囲内で、ゴールを達成する戦略を考える
→会社にアピールできる自分の強みを把握する
4. 戦略を実行する
→面接でアピールする

といった具合にぐるぐるが存在しているはずです。

私の場合は

1. 第一志望を電通に設定
2. 電通は尖った人材を求めていることを知る
3. 自分に尖った能力は無いので、熱意の一点突破を試みる
4. 大学受験の失敗を糧に、友人を巻き込んで自分を背水の陣に追い込む

ですかね?笑

そしてこのぐるぐるを繰り返して達成したゴールのレベルが高ければ高いほど、その成功体験は自分の人生の今後のぐるぐるの糧になると思うのです。

就活をこの様に人生の縮図と捉えられると、就活では自分が入りたいと思った会社の内定を勝ち取るという成功体験を得ることが最も重要という意見も納得頂けるのではないでしょうか?


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就活に失敗したら

まず断言しますが、就活は第一志望に落ちたら失敗です。

この時一番大切なのは失敗を失敗として受け止めることです。受け止められたら、私が大学受験の失敗を糧に就活を成功させた様に、是非失敗体験を次のぐるぐるの糧にして下さい。

糧に出来た時、その失敗は失敗では無く成功への布石に変容します。是非失敗を受け入れて、近い将来その失敗をアップデートして下さい!

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しかし、残念ながら失敗を失敗と受け入れられない人がいます。
典型例は「受かった会社が第一志望!」という訳の分からない理論で過去の自分の想いを無かったことにする人です。

この様な人は人生流され続けるでしょう。現状を全て肯定する性格なので短期的な幸福度は高いですが、目標達成能力は著しく低くなるでしょう。どの会社に受かっても第一志望内定ならば人は頑張らないですよね?

一方で、能天気で行動力はある傾向にあるので一緒に遊ぶ分にはいい奴かもしれません。
従って私はこのような生き方をしている人も、それはそれでアリだなと思っています。

ただ、目標達成能力の低い人は言い換えると結果を残せない人なので、私は一緒に仕事はしたくないです。

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そして、最悪なのは第一志望を決められないことです。

これは決断力が無いことの表れですので、第一志望を決められない人は人生においても重要な決断から逃げ続けるでしょう。

決断から逃げる人は、例えば会社に不満があっても「転職」という決断が出来ずに会社に居座り続けて立派な窓際族になると思います。

旦那に不満があっても直接言えず、離婚も出来ずにママ会で愚痴をこぼすことしか出来ないでしょう。

この人達の質が悪い点は、周囲に悪影響を及ぼす点です。

会社内に会社の不満を言い続ける人がいると、それだけで周りの雰囲気を悪くします。

この様な人はそばにいるだけで不幸が移るので私は距離を置きます。

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ただし、一部の先天的に器用な人は決断力が無くても人生がイージーモードなため、決断力を身につけなくても大丈夫かもしれません。私はそういう人は見ていて面白いので好きです。笑


以上より、先天的に器用な人以外は就活において第一志望を明確に決めることをお勧めします。その上で第一志望に落ちてしまったら潔く自分の失敗を認めて自身の未来の糧にして下さい!

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就活生に伝えたいこと

私はお願いされたOB訪問は基本的に断りません。

理由は、自分が学生時代にOB訪問をさせて頂いた恩を、次は下の代に還元する番だと思っているからです。

ですが、私は学生時代に10人にもOB訪問していません。すでに100人程度のOB訪問は受けたと思うので恩は還元しきったと言っていいかもしれません。

そして正直OB訪問を受けるメリットなんて全くありません。笑

OB訪問に来た学生の8割からは後日就活結果の報告すら来ません。

学生に対して威張り散らしたり、女子大生とお茶することに楽しみを覚えるほど落ちぶれてもいないですし。
(最近はOB訪問を受ける代わりに学生に小さなお願いをすることを試みたりしていますが)

ですがこれからも断りません。

理由は、私は人に何かを与える側の人でありたいからです。

世の中には

1. 人に何かを与え続ける人
2. 人に何かを与えられ続ける人

の2種類がいると思っています。

例えばコロナショックの時

1は動画コンテンツの無料配信を行ったアーティストや自作マスクをご近所さんに配布した主婦などです。

2はTwitterで「アベノマスクがどーだこーだ」とか「補助金がどーだこーだ」とか呟くだけの人などです。

私は微力ながらも1与える側の人であり続けたいのです。下記の映画を観た時から私はそう思っています。

学生の皆さんも、今はご両親を中心に様々な人から様々なものを与えられる側の人だと思いますが、是非社会人になったら与える側の人になって下さい。

その頃に再会出来ることを楽しみにしています。


サポートありがとうございます! もっと面白い記事を書いていきたいと思っているので、ぜひコメントで率直な意見を頂けると嬉しいです!