UXデザイン実践編:ユーザーンタビューからアイデア創出までの流れ①
Xデザイン学校:https://www.xdesign-lab.com/
マスターコースでの学びを自分なりにまとめています。UXデザイン、サービスデザイン、デザイン思考、といった分野に興味のある方の参考になれば幸いです。
昨年通っていたビギナーコースでの学びはこちらにまとめています↓
https://note.com/kenmochitakashi/m/m621a19042e6c
Xデザイン学校マスターコース
03 / 2020年月10月3日(土)UXデザインの調査
04 / 2020年月10月17日(土)価値分析とUXデザインパターン
年末ですね。私が働いているWeb業界は年末から年度末にかけてどんどん忙しくなっていくので、毎日ひーひー言っております。皆さんはいかがお過ごしでしょうか?
忙しくなると時間が無くなって、一番お手軽なストレス解消法である「体に悪そうなものをお腹いっぱい食べる」に走ってしまうので、どんどん太っていきます。60キロの大台が迫ってきて恐ろしい。
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さて、今回はUXデザインにおいてもっとも力点が置かれているパート「調査」から「課題」を見つけていくところです。
仕事ではこういった調査系の業務を行う機会が少ないので、忘れないよう、実際に自分達のグループでやってみた調査手法、流れを整理して記録しておきたいと思います。
なぜUXデザインにおいて調査が重要なのか?
まず基本的なポイントの確認から。
UXデザインは「探索 → 収束 → 展開 → 提供」という下図の流れで行われるのが基本です。(図の名前はダブルダイヤモンドといいます)
そして多くのクライアントワークの場合、このダブルダイヤモンド左側の「正しい課題を見つける」のパートは既にクライアント側で「やったこと」になっていて、下の図のように、赤い丸の位置からプロジェクトが始まります。
「解決すべき課題はこれです」とクライアント側が既に決めていて、その課題を解いてくれる人に仕事を依頼する形。
例えば「情報発信に課題があるからWebサイトを作ってください」みたいな、普通によくあるクライアントワークのお話です。
ですが、そもそも「正しい解決策を見つける」前に「正しい課題を見つけることが大切だよね!」という問題意識から、デザイン思考やUXデザインといった「問題解決のためのプロセス」が発明されてきました。
上図のようにUXデザインでは「正しい解決策を見つける(右側)」よりも「正しい課題を見つける(左側)」に力点が置かれているのも特徴です。そして「正しい課題を見つける」ための「探索」の方法として、3つの定性調査手法があります。
1, 参与観察(エスノグラフィ)
2, 行動観察
3, インタビュー
3つの調査手法の違いに関してはググって頂くとして、サービスを提供したい対象ユーザーに対して、3つの定性調査の手法を駆使しながら、ユーザーが何らかの行動起こす「原動力」となる「価値」を見つけ、その「価値」を満たすことができるサービスアイデアを考えていく。
これがUXデザインの基本的な流れです。
「原動力」と「価値」の部分が分かりづらいと思うので、もう少し詳しく書いてみます。
私は今このnoteを仕事帰りのロマンスカーの中で書いています。
20時半頃にオフィスを出て「ロマンスカーに乗り遅れたら大変だ…!」と思いながら速足で駅に向かって歩いていると、ふと目に入ったコンビニに吸い込まれ、肉まんと美味しそうなエクレアを購入してしまいました。
税込み312円。ちょっと贅沢なスイーツです。
さて、私はなんで「ロマンスカーに乗り遅れたら大変だ…!」と思っていたのにも関わらず、コンビニで肉まんと美味しそうなエクレアを買ったのか?
私の行動の「原動力」は何だったんでしょうか?
① お腹が空いていたから
間違い無いです。小田原に着くまでに90分以上の時間がかかるので、何か食べてお腹を満たしたいと思っていました。でも「お腹を満たす」という目的だけならエクレアは買いません。おにぎりとかパンを買えばいい。ということは、他にも何か違う「原動力」がある筈です。
② 自分へご褒美をあげたかったから
これも間違いないです。年末の繁忙期のせいで最近は休日も仕事で潰れることが多く、ストレスがたまっています。ちょっと高いけど「ご褒美!」を衝動的に買いたくなるのは自分でも理解できます。さて、もうこれ以上深いところに「原動力」は無いでしょうか?
③ ちょっと悪いことをしたくなる
ストレスがたまると、普段の自分が「やってはいけない」と思っている暗黙のルールを破りたい気持ちが生まれてきます。これはなんでなんでしょうかね?皆さんもこういう経験あるかと思うんですが。
急いでいるのにわざわざコンビニに寄って、ちょっと高くて、甘くて太りそうなエクレアを買ってムシャムシャと頬張る。
そんな「ちょっと悪いことをしたい」という「原動力=価値」が私の行動には隠れていたような気がします。
そして、この「原動力=価値」を見つけるのがUXデザインで一番大切にされている左側のプロセスになります。
例えば、「① お腹が空いていたから」の時点でこれを「価値」と捉えて問題解決しようとすると「美味しい食べ物を提供する」という世の中に溢れかえっている解決策しか考えられませんが、「③ ちょっと悪いことをしたくなる」を「価値」として問題解決しようとすると、まだ世の中には無い面白いアイデアが生まれてくるかもしれません。
それが「調査」を出発点として「正しい課題 = ちょっと悪いことをしたくなる気持ちを満たすにはどういうサービスを提供すればいいんだろう?」を考えていく、UXデザインの基本的な考え方になります。
前置きが長くなってしまったので、次のnoteでXデザイン学校の課題を通して実際に行ったインタビュー調査と、そこからアイデア出しを行うまでの流れをまとめていきます。
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