国際卓越研究大学に次選ばれる大学は、この大学
東北大が国際卓越研究大学に選定されましたね。
そもそも国際卓越研究大学というのは、というところから始めると、とても長くなりそうですが、簡単にいうと①「莫大なお金」を②「一部の大学」に配分して、③「国の研究力」を高めようということです。
まず、①について、「莫大なお金」というのが10兆円ファンドと言われる所以ですが、実際に配分されるのが国の用意した10兆というわけではなく、
「10兆の運用益(年3000億を想定)と、卓越大選定大学のファンド拠出額から算出される額の合計値」です。
すなわち、もらうだけでなく、ファンドに拠出する必要があるわけです。運用資金が枯渇してはいけないということと、大学として事業成長してよ、ということですね。
年3%の事業成長というのがありますが、どこから3という数字が来たかというと、某氏の「おぼろげながら浮かんできた」ではなく、
最長25年の卓越大に対してお金を出す期間に、年3%を続けると2倍の大学事業規模になるということです。
見本にしているのは、世界のトップ大学ですが、ハーバードなどと比べて事業規模が格段に違います。これは、日本に寄付の文化が無いことと、大学が事業成長する必要があるのかという日本的な考え方があることにあると思います。
②について、「一部の大学」というのが選択と集中ということで批判されています。そこで、国としては、地域中核・特色ある研究大学パッケージとして、いわゆる裾野を広げる資金配分を決めています。その申請はもうされていて、ネットで申請した大学についてみることができます。
https://www.jsps.go.jp/file/storage/j-chukaku/shinseijoukyo/R5shinsei.pdf
色々と注目に値する大学群が形成されていますが、
例えば、東海大の連携大学に昭和薬科大学がなって共同で申請していることについては、
東海大の薬学部が誕生する可能性を勘繰ってしまいます。
単科薬科大学について考えれば、東京医科大学に薬学部が誕生する可能性も考えられます。
しかし、今回、東京薬科大学が連携しているのが東京都立大学です。
南大沢駅という地理的な連携もあると思いますが、医学科と薬学科があれば総合大学として地位を確固たるものにする都立大ですから、
最近流行りの「私立大の公立化」によって都立大に医学部と薬学部が誕生する可能性を勘繰ってしまうわけです。
都立大の研究というと、2023年に注目を浴びるプロジェクトを発表しています。
内容はかなり強気だと思います。ここまで言える大学というのは日本では東大だとしても理想論だなと思わんではないです。卓越大になった東北大が、25年後に成果を出していて、これを言うなら…と思います。
でも、文系もある総合大学である都立大が急に「研究力」なんてどうしたんだろうと考えました。
研究力の話題の時に、世界大学ランキングについての言及がここ最近は目立ちます。
ここで挙げられているTheの世界大学ランキングについて着目すると、
都立大は1001-1200のところにありました。
去年は601-800のところにあったことを考えると、高い順位であり、下降気味ではある現状の打破といったことが考えられます。
③の「研究力」ですが、政府として何を研究力向上とするのでしょうか。東北大を卓越大に選定しましたが、東北大の何を成果とすれば良いのでしょうか。
それが世界大学ランキングになるのだと思います。
世界的にはこれが留学生が大学を選ぶ基準になっていますし、日本でガラパゴス化している偏差値という物差しは必要ないことは確かです。
こちらで総合ランキングで4年連続1位になった東北大が、今回世界大学ランキングに選ばれていることが注目です。
今回の選定結果には、よく読むと東大と東京科学大学は次回への期待が感じられます。世界大学ランキングで東大は2位なので、まだわかりますが、
東京科学大学は東工大が現状4位、医科歯科が17位なので、どうして阪大ではないのか、という話にもなってきそうです。しかし、合併後、医学部がなくて東工大のこの順位ですから3位以上になる可能性はありますし、次のランキングに注目です。
The世界大学ランキングの、研究力に相当するところをランキングにしたものですが、医科歯科がトップなので、
そのような東工大と医科歯科の合併した大学は、国際卓越研究大学にふさわしく思えます。
では、今回珍しく公立や私立も選定対象となっていますが、「研究力」の面で見れば、私立の東京医科大学や愛知医科大学が選ばれる可能性はあると思います。
早稲田や慶應よりも、こちらの方が「研究力が高い」または「伸ばす価値がある」と考えて選定される可能性は大いにあると思います。
いわゆる早慶、マーチの分類に入らない医学部というジャンルですが、日本での大学イメージと実態は異なるということを受け入れないといけない気がします。
世界ランキングの指標がおかしいという主張があるのも知っていますが、塾が数字を操作できてしまう日本の偏差値という数値と、世界でつかわれている数値、馴染みがあるという考えを除けばどちらを採用するべきだと思いますか。
世界の留学生は、日本の偏差値表を見ません。
というわけで、まとめると、国際卓越研究大学に選ばれるのは、
東北大、東大、東京科学大、東京医科大、愛知医科大あたりでしょうか。
地域的なことと、世界大学ランキングを踏まえれば、他には京大、阪大、関西医大、九州大あたりを加えた9校になるでしょうか。
少し名古屋大は、岐阜大の件で、内部の組織がちゃんとしないと厳しいといった評価を今回の卓越大の選定コメントからすると感じられ、すぐには厳しいと考えて外しました。
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