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あの人の十分は私の不十分?「足るを知る」って話

今回の話のタイトルでもある「足るを知る」。
「知足(ちそく)」とも言われていますね。
もともと中国の哲学者である老子の思想が由来で、老子が書いたとされる道徳教の一節がもととなっています。

知人者智、自知者明。
勝人者有力、自勝者強。
知足者富、強行者有志。
不失其所者久。
死而不亡者壽。

現代語訳:
人を知る者は智、自ら知る者は明なり。
人に勝つ者は力あり、自ら勝つ者は強し。
足るを知る者は富み、努めて行う者は志有り。(強→努)
其の所を失わざる者は久し。
死して而も亡びざる者は長寿となる。(寿→長寿)

意味は、他人を理解することは普通の智恵であるが、自分を理解することは普通の智恵以上の働きが必要である。また、力のある者は他者には勝つが、本当の強者とは自分に勝つ者を言う。そして満足することを知っている者は精神的に豊かであり、それでいて努力する者にこそ本当の志は宿っている。結果、自分の本来のあり方を見失わない者は長生きする。更に死んでもなお志を失わない者は真の長寿と言える。

老子

今回は何の「足るを知る」なのか?といいますと、【栄養】に関する足るを知る。について考えてみたいと思います。

カロリーオーバーも栄養不足も自らを知ることで足りる量や適量が見えてくるもの。ということで栄養の量に焦点を当てて私見と合わせて書いていきます。

この記事は約5分でお読み頂けます。
では本題に。

1日に必要な栄養はどれくらい??

こちらが農林水産省と厚生労働省が出している1日に必要な栄養及び食事量。こちらは年齢、性別、活動量(運動習慣の有無や立ち仕事なのかデスクワークなのかなど)を加味していないざっくりとしたものになりますが、それでもこれだけの量の食事が必要になってきます。

出典:農林水産省、厚生労働省の公式HP


こちらは大塚製薬さんが厚生労働省の「食事摂取基準2020」のデータを見やすいようにまとめてくれている表になります。

出典:大塚製薬公式HP

こうやって表にして具体的に把握するのもたしかに大切なんですが、自分のように学生の頃に数学や化学で苦い経験をされている人はこの表を見ただけで拒絶反応が現れるかもしれないですね(笑)
そういう場合はイラスト重視の食事バランスガイドを眺めるところからはじめましょう。


栄養の過不足で何が起こる?

こういった栄養量が日常的に「足りない」とどんなことが実際に起きるのかを見ていきましょう。

栄養失調(えいようしっちょう)とは、偏食や食料の不足、すなわち1つ以上の重要な栄養の不足した食事、暴食や過剰な栄養剤の摂取、もしくは疾病により引き起こされる動物が健康を維持できない状態を指す一般的な用語である。栄養不良(えいようふりょう)、栄養不足(えいようぶそく)(英: Malnutrition)とも呼ばれる。

Wikipedia

上記がWikipediaさんから引用させて頂いた栄養失調の定義です。
要するに何らかの事情により栄養が足りず健康にダメージがある状態を総称して指しています。

特定の栄養素の不足によって起こるものを「欠乏症(けつぼうしょう)」いい、ビタミンやミネラルの摂取量が不足することによって引き起こされる病気や症状を指します。

栄養における下限値

「この量を下回ると栄養失調や低栄養を起こしちゃいますよ~」
「体調を崩したり、病気になる可能性が上がりますよ~」
という値が下限値です。

栄養量に対する言葉と定義がいくつか存在するので「へぇ~」って思いながら見てもらえればいいんですが、推奨量や目安量を日常的に下回ることで栄養が不足した状態=死なないんだけど調子が悪かったり、自身の才能や能力を発揮できない状態を招きます。

栄養における上限値

「足りないと困る💦」じゃあ、浴びるほど摂取しよう💡
と今よりも無知だった頃の自分のように考える人も少なからずいらっしゃるかもしれません。

が、多ければいいかというとそうはうまくいかず「欠乏」の対極である「過剰」。栄養にも栄養失調や欠乏症があれば過剰症というものがあります。

過剰症とは読んで字のごとく、特定の食品や成分を必要以上に多く摂取することで起きる症状のこと。過剰摂取によっても健康を害する場合があり、その症状は軽度なものから重篤なものまでさまざまです。

この過剰症を起こさないための上限値を【耐容上限量(たいようじょうげんりょう)】といい、健康障害をもたらすリスクがないとみなされる習慣的な摂取量の上限とされています。

ちなみにもっと一度にたくさん入れると死んでしまう量がいわゆる【致死量】死に到らしめる量なわけですね。

ここまでの情報を1枚の画像にまとめるとこんな感じ。

画像にある緑の矢印の範囲である、耐容上限量と摂取基準量の間にあなたにとって足りる栄養量が存在することが分かってくるわけです。


「足る」はどこ??

私自身や、クライアントさんのお身体を見ていて、足りる量をきちんと摂取することでその人にとってポジティブな変化(髪や爪が強くなったり、疲れにくかったり、お肌がキレイになったりetc)が現れる一定の量というかゾーンが存在します。

栄養の処理や吸収能力は最終的に個人の体質や体調・状態、時間帯や他の栄養との組み合わせなどが絡んできますが、そのゾーンが現時点で私の感覚的に捉えている足る量でそれが下の画像の黄色のゾーンら辺。

分子栄養学などでいう、
細胞の機能がきちんと発揮するのに必要と考えられる栄養量などもこの辺りですね。

※もちろん個人差があるのでイメージ的な参考として捉えていただけますと幸いです。


「え?結局どれくらいか分からないの?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうなんですよ。
そして今日の記事で一番大事な部分になると思うのですが、
それは、、、

自身の五感で「足る量」をちゃんと感じられていますか?

ってことなんですよ。

「今日は調子いいし、たくさん活動するからこれくらい食べとこう」
「今日は調子悪いし、お肌も色つやがくすんでいるからさっぱりした物を摂ろう」
「なんだかお腹の調子が悪いから、食事は控えておこう」

身体は身体で色んなサインを出してくれるし、自身の調子や感覚を観察する習慣があると感覚が磨かれて徐々に分かってくるもの。

この感覚が分かると「味覚」として欲している物と、「真の身体が欲している物」の違いが分かってくるので食事の置き換えの成功率がぐ~んと上がります♪

もちろん感覚だけでやって足りてるつもりが表とかでみたら全然足りてなかった~💦とかもまぁある話なので、たまには表も眺めつつ、ぜひ「足る」を感じられる感性を磨いてみてくださいませ。

そうするとタイトルにも書いてあるようなあなたではない誰かが「これをこれぐらいやってよかったよ」がそのまま当てはまらないことも当然ありますよ~。
キャッチ―なダイエットとかに振り回されてあなたの本当の健康や美しさを損なわない様にしてくださいねってことなんです。

この感性は磨けば磨くほどこれからの時代、あなたにとっての武器にもなり、お守りにもなりますのでぜひ日頃から意識して感じてみてください。
ということで今回は締めくくりたいと思います。

この記事を読んでくれた方や、
その方の家族や大切な人にとって
こういった情報や知識が健康を守ったり、
豊かになっていく手助けとしてお役立て頂けたら嬉しいです。

また別の記事でお会いしましょう!

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