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レース中に故障したから書きました。自分自身を守るためのレースリタイアマニュアル


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2020年12月20日、関東ロードレース(10km)というレースに参加しました。
この状況下、開催していただけたことに感謝しております。
そして、10ヶ月ぶりのレースであり、更に2021年のレースが中止になっていたことから絶対走っておきたいレースでした。
調子は今ひとつだったんですが、走ればなんとかなると思い、アップを多めにしてスタートしました。

しかし、結果は自己ベストから約30分遅い記録でゴールしたのです。

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理由はレース中の故障です。
3km地点で異常を感じ、残り7kmを歩いたりジョグしたりでなんとかゴールしたのです。

レース翌日、整形外科にてエコー検査をしたら内出血後が見つかり「肉離れ」と診断されました。

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黒く丸くなっている影が内出血しているところ、つまり「肉離れ」したところらしいです。
大きく断絶しているところはなく、軽症で済んだのは早めにレースを諦めたことが大きかったと思います。

リタイア(棄権)を考えてスタートするランナーはいません。
しかし、何が起こるかわからないのがレースです。
もしもの時のために、今回書いたことを頭の片隅に覚えていただければ嬉しいです。

■レースをリタイア(棄権)する基準は「走れないけど歩ける」

大規模都市型マラソンのレースでもリタイアできるポイントは限られます。
テレビで放送されるようなレースでエリート選手がリタイアする時もそうですが、基本レース役員がいるポイントでリタイア(棄権)します。

そのため、「全く動けなくなってからリタイアしよう」という考え方は非常に危険です。
足などを痛めてしまい、ギリギリまで頑張ったせいで救急にお世話になってはいけません。
そのせいでレースの評判が落ちる可能性もあります。

リタイアできる地点まで自力でいき、収容車に自力で乗るところまでがランナーの責任です。
そのためにはケガで走れないけどなんとか歩ける状態になってしまったら、自力で移動できるうちにリタイアしましょう。

■リタイアしやすいポイントその1:関門

ではリタイア(棄権)しやすいポイントを書いておきます。

一つ目は関門です。

ハーフマラソンやフルマラソンになると必ずといっていいほど「関門」があります。
決められた時間になるとそこで強制終了になる場所です。
ここは選手を収容する準備が整っているのでリタイア(棄権)するにはいい場所です。
レースによっては救護班もいるので故障箇所の応急処置もできる可能性があります。

■リタイアしやすいポイントその2:給水所

給水所は必ずレース係員がいるので、リタイア(棄権)宣言をしやすいポイントです。
また、水分補給や給食がありスタッフの多いことから、レースをやめてから一人でより寂しくなることは少ないと思います。

ただ、収容車に乗るまで時間がかかったり、給水所の場所によってはゴール地点まで歩いて移動するよう言われることもあります。
実際に30km過ぎの給水所がゴールの競技場近くだったことから、少し回復してからゴールまで歩いて移動したランナーもいます。

そのため、先程から書いていますが、「まだ歩ける状態でレースをやめる」ことは重要な基準です。

■リタイアしやすいポイントその3:レース役員がいる場所

レースを走っていると、トランシーバーを持っていたり、ボランティアとは違う服装をしていたり、周辺の係員に指示している人がいます。
その人はそのレースの本部役員である可能性が高いです。

また、巡回車両に乗ってレースを見回っている係員もレース本部の役員です。

故障したり、体調不良を起こしリタイア(棄権)を考えた時、このような方を見かけたら声をかけましょう。
その場で対処してくれることがあります。

■リタイアせずにゴールしてしまうという選択肢もある

今回の僕のケースでは、先に書いたような係員はいましたが、ゴールまでの移動手段がなく、レースを続行することを選びました。
8.5km地点で救護車に呼び止められましたが、移動できるのはランナーが途切れてからということで、自力でゴールすることを選びました。

状況によっては、運んでもらうより、自力でゴールした方が早くゴール地点に戻れ、早く処置をしてもらえる可能性もあるのです。
トレイルレースなんかもそうです。
山の中のエイドでリタイアしてゴール地点に戻るよりも、山を自力で降りた方が早い時があります。
「痛くても走れるなら、ここでリタイア(棄権)せずに走ってゴールした方がいい」と言われた経験があるくらいなので。

今回の僕も救護車に見送られたあと約10分でゴールし、すぐ着替え帰宅することができたのです。
アイシング等の応急処置もしっかりできたので、故障は最小限で済んだと思っています。

■まとめ

レースの途中で故障することはあります。
故障してもレースを続行できることもあるでしょう。

ただし、「ランニングライフ」という長期的な目で見れば、カラダに違和感が出て走りにくくなった時点でリタイアを考えるべきです。
僕も実際にリタイアを考えたのは、症状がでた3km地点です。

そしてまだ自力でリタイアポイントまでいける状態のうちにレースをあきらめましょう。
故障した箇所が大ケガになる前にやめて、次の目標に切り替えた方が得策です。

レースでの故障がキッカケで走れなくなったというのが最悪のシナリオです。
そういうランナーは見たくありません。
生涯スポーツとしてランニングを楽しむためにも決して無理はしないでください。

もちろん、「スタートしない」という選択肢も考えておきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。