2019年度後期活動録
拝啓。
献血推進隊team.九大も活動開始から1年が経とうとしています。前期活動録以降、サマーキャンペーン(サマキャン)・クリスマスキャンペーン(クリキャン)という天神での大規模な献血活動に参加しました。サマキャンでは雨に濡れ、汗をかきながら呼びかけを行い、クリキャンではクリスマスツリーのコスプレをして呼びかけを行い、受けた往来の失笑に枕を涙で濡らし、乾ききった心にひびが入ることもしばしばでした。
しかし悪いことばかりでもありません。クリスマスツリーのコスプレをして声を張り上げていると、女子高生くらいの若々しい女の子、そしてそのお母さんが近づいてきました。きっと木が喚いているのが珍しかったのでしょう、お母さんは「あなたたちもこんなことして大変ね」と労いの言葉をかけてくださいました。喜びに咽び泣かんばかりの我々は、「はい、そうなんです! 色々と大変なんです!」と答え、にっこりと微笑むのが精一杯でした。
そしてまさに、その時です。
「じゃあその想いに免じて、私たちも協力してあげましょう」
お母さんは言いました。我々は言葉を聞いた時、思わず「ありがとうございます! ありがとうございます!」と、何度も頭を下げました。お母さんは穏やかな笑みを浮かべていました。女子高生は「ウケるw」と言いました。
なんとあの忌々しいほどの悲しみを抱いたコスプレのおかげで、2人分の血液を集めることができたのです。それはとりもなおさず、明日を生き延びるために血液を必要としている患者さん、その患者さん2人分の1日に相当します。
きっと同情の念から献血をしてくださったお母さんも、「ウケるw」と呟いていた彼女も、最初から「人助けをしたい」とは思ってはいなかったでしょう。しかし献血をした後、それがどういう形で役立てられるのかを知った時、きっと「ささやかな喜び」を感じたはずです。それこそが「誰かの役に立った」という実感であり、「生きる喜び」なのでしょう。
さて長くなりましたが、我々献血推進隊team.九大は、メンバーの老齢化に伴い存続の危機に晒されています。「仕方ないなあ、少しなら助けてあげるよ」という方がいらしたら、ぜひご連絡ください。
敬具
gmail : f.blood.kyuday@gmail.com