年収が半分になりました

半分になった年収と僕の「はたらく」の話

2018年、僕の年収は半分になった。このnoteは「年収を減らしたいすべての人」に向けて書いている。

某安定メーカーを退職し、不安定型職業地域おこし協力隊に僕はなった。そうして年収はほぼ半分になった。転職といえば、年収の向上を目指すのが世の中の常ではあるが、僕の場合は半分だ。半分マン!!!!

今回は 「#はたらくを自由に」のお題の元、こういう転職をした人間もいるよ、という話をしたい。当然だが一年半で結論を出すには早計過ぎるので、示唆に富んだ話ができる訳でもない。誰かの役に立つかも分からない。が、少なくとも自分の選択として後悔はない。ひとつの事例として見ていただきたい。

というわけで、

年収を半分に減らしたい人はぜひ読んでほしい!!!!!(いねぇよ)

ちなみに「地域おこし協力隊」とは総務省の地方創生に関する制度のひとつ。都市部の人を地方に移住させ、三年の任期で行政の臨時職員、あるいは地方創生に関わるNPOや地域団体での雇用、または何らかのミッションの元フリーで働くという制度で、年収はだいたい200〜240万程度。興味がある方はこちらをご参照あれ。

好奇心で前職を辞めた

結論からいうと転職の最たる理由は好奇心である。ずっとやってみたかった自然資源を活かした仕事とど田舎での暮らし、それから「既存のレールを外れる」という自己選択への好奇心。前職はいかにも日本的な製造業だった。細かく転職の理由を挙げれば古い体質、上の世代との価値観相違、自分の適正、将来展望など色々あるが、結局は「やってみたい!」という自己の好奇心に収束したのだと思う。

思いついたらなるべく体力があり、意志が熱いうちに実行したい。田舎暮らしの場合は「定年後の楽しみ」、などと言われることも多いが僕には関係ない。むしろ勢いがなければやってけないじゃないか。

2018年の春に僕は地域おこし協力隊に応募した。

なお、お堅い会社の社員にとっては「地域おこし協力隊」なんぞは得体の知れない職業である。理解不能な若手と会社側のやりとりについてはいずれ書こうと思う。(実際、「ボランティアになるの?」とか言われた。)

漠然とした不安と向き合う

転職するにあたり年収が半分になることとに折り合いをつけなければならなかった。その時のことはだいたいこんな感じだ。

年収が減るとなんとなく心配になる。世間の常識だ。でもこの不安は非常に漠然としている。ならば常識を疑う。

「年収が下がってもいいとしたら?

この問いに答えるには、まずは実際にいくら必要か生活コストを可視化することが必要だろう。細かい計算は省くが、現在の貯金、月の固定費、給与、次の生活で節約できそうな額など。具体的に調べればまぁ許容できる範囲だった。年収は下がってもよくなった。図式はこうなった。

好奇心 > 年収半分

時間を手に入れる

年収と引き換えに手に入れたもののひとつが時間である。地域おこし協力隊の雇用のされ方は一様に語ることはできないが、給与は定額なので残業はない。加えて、業務のなかで「将来の定住に向けた、就職、起業の準備」に時間を当てて良い場合や、そもそも業務内容が副業的であったりする。つまり、とことん自分の技術向上と商品づくりに集中できる。

ちきりんさんのツイートから引用すれば、僕は「お金貧乏」になった代わりに時間持ちになったようだ(まぁどっちも全然「ゆたか」じゃないと言われているが)。前職時代、多いときは月のほとんどが出張だった僕は時間持ちに変貌した。

自分の時間 > 年収

劣等感と自責と活力への変換

年収が下がっても大丈夫な生活を作り上げることが第一段階として重要であるが、この状況を永続的に正当化しないことはそれより大切だと思う。

もはや定番かもしれないが地方移住を薦める多くの情報誌はこぞって「〜お金に寄らない豊かな生活が地方にはある〜」と人々を誘惑する。僕自身もこの考え自体は嫌いじゃない。ただ、「お金に寄らない豊かな生活」には最低限のお金が必要だし、最低限の金額も個人の生活様式や人生の段階で異なる。

例えば子供ができれば出費は増えるし、あるいは急に田舎道でシカが飛び出してきて車がブッ壊れれば、どんなに安い中古車を買おうが数十万は失うことになる(なお郡上の道はめっちゃシカが飛び出す模様)。

要は極限まで生活コスト削ってしまうと環境変化に対して非常に脆弱になる。だからこの立場に甘んじていてはいけない。

何より自分の仕事の価値を表す指標のひとつが「お金」なのだから、これを上げる気がなかったらなんのために人生の選択をしたのかわからなくなってくる。

自分で選択した以上、いま自分の年収が低いことは誰にも言い訳できないし、その事実を直視するしかない。そこから湧き上がる劣等感でモチベーションをブーストしてミッションにフルコミットしてやるんだ!そういう段階に僕はいる。

このnoteは

さて、冒頭では

「このnoteは年収を減らしたいすべての人に向けて書いている」

と書いたが、正しくは、

「年収を減らしてでも自分の意志にしたがって新しいことに挑みたいすべての人に向けて #はたらくを自由に

するために書きたかった。

そのカタチが僕のように地方移住でもいいし、例えば留学するだとか、プログラミングスクールに通って他分野でやり直すだとか、まぁ何でもいいと思う。

いっときの年収を捨てて、長い人生のうちに一度やってみたいことに正直に行動するのもいいんじゃない?ただし、自分の意志と責任で。

正直こんなの未熟者の稚拙な経験だし、まだうまくまとめられてないけど、こんなやつもいるのか、くらいに思っていただけたら嬉しい。


#はたらくを自由に

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