『Helios』haruka nakamura feat.LUCA

 これから書くことは音楽の評価ではない。それを超えた、極度に主観的な印象である。そうして、その印象を誰がバカにできようか。芸術とは作る側、それを鑑賞する側という二項対立的な発想をどこまでも超越し、作られた作品を一つひとつ丹念に味わう必要がある。もはやそれは鑑賞する側の創作であり、芸術に向かうべき態度であるように思う。

 ある夏の日の午後、木の葉に遮られた弱い陽光のなか、風鈴と共に風に揺られて、母親が眠っている子供に唄って聴かせているような優しさを持つ。

 また夜明けの瞬間のような、あるいは冬の厚い雪雲の合間から差す光芒のような力強い太陽の輝きである。

 これらのものをあるいは「祝福」と言えるのかもしれない。

 この音楽は6分半に及ぶ長い音楽でありながら、ほとんど似たようなフレーズの繰り返しなのだが、それがまた味わい深い雰囲気を醸し出している。

 以下コメント欄より引用。

 「ずっと自分は太陽神だと思いながら生きていたらこの曲に出会えました。
 音が身体に染み込む。」

 もう一つ引用したい英文のコメントがあった。日記を書いている方で「Dear Diary」から始まる長い文章の方。ぜひ読んでいただきたい。

 午前4:43、朝日の見えない暗い夜明け前にて

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