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カナダでのクルマの購入と登録備忘録(アルバータ州とユーコン準州にて)


カナダでクルマの購入と登録のまとめ

カナダに来てユーコン準州で2年ほどの間に何度か車を購入し、自動車登録変更をその都度してました。。

そしてアルバータ州へ2020年に移住した際、カナダの州を跨いだ自動車登録の切り替え(ナンバープレート=Registrationの移行)を行いました。

保険や登録事項の変更など、今までに体験したことを踏まえて、カナダでクルマを購入までのプロセスをここに備忘録を兼ねてまとめてみました。


アルバータ州に来た頃のガソリン価格は、驚異の62.9¢/L

【クルマを探す】

  • ネットで中古車販売業者や個人売買KijijiやFBのコミニュティー、町の中古販売業者やプライベートで取り引きから探す。

  • 政府公式のネットオークション:GCSurplusなど

  • ディーラー:Ford  ,GM,TOYOTA ,HONDA, MAZDA, NISSANなどで販売する新車or 中古車(各社独自のリース下取りなど色々な理由で生まれる中古車)

  • レンタカー会社:レンタカー落ちの中古車

上記のようにいくつか選択肢があります。新車を買うならディーラーになると思いますが、予算が厳しかったりすると中古車になるかなと思います。
※中古車は日本以上に玉石混交なので注意が必要ですが。。。

【クルマの購入】

  • 中古車なら購入時には、必ず前のオーナーの自動車登録証とBill of saleという書類を支払う前に受け取る。名義変更をする際に必要となる書類。(下記でさらに後述する。)

  • 新車であれば販売会社からオーナー証明書となるNew Vehicle information statement (NVIS)Certificate of Originなどを受け取ることが多い。

↑Bill of Sale (Yukon準州)のサンプル

【自動車保険】

BC州のような州指定(州独占)の保険会社BIISがない場合、

各州での民間の保険ブローカー(Co-operators, HUB Internatinalなど)やディーラー、保険会社へ自動車保険の申請を行う。

中古車の場合、各州ごとの取り決めで自動車保険申請時車検(inspection)を行うことが多い。

MIDASやOK Tireのような大手自動車整備会社や個人で行う公認の整備会社で個人で予約をとり依頼する。

※州外からの移動して自動車登録の場合:州内の基準を満たすクルマであるか確認する車検”out of province auto inspection”という車検が求められることがある。移動して来た州によって、この車検が必要か不要かが分かれる。
※Yukon(ユーコン)準州の車は、Alberata(アルバータ)州にて登録変更する際、この車検が必要だった。

【自動車の登録】

カナダの州毎に管轄する事務所にて、自動車登録申請をする。
アルバータCar registry service


・ユーコン:Motor Vehicles Service:

https://yukon.ca/en/driving-and-transportation/vehicle-registration/register-vehicle
上記のHPより必要書類を参照して、持参する。

【例:自分がカルガリーで自動車の登録(Registration)する場合の持参書類】

  • 自動車保険の登録証(pink slipと言われる紙。)

  • Bill of sale(Owenershipの証明となる書類など)

  • 車検のレポート(out of province auto inspectionの書類

  • 個人ID(免許証)など

↑↑アルバータ州でのRegistrationのための必要書類の例

必要書類を提出できたら、ナンバープレート(Registration plate)登録証(Auto Registration paper )を受け取り完了。

登録証は約1年毎に更新する。(州によって2年など長期間で組める場合もある。)

Pink slip(自動車保険の登録証)とAuto Registration paper (自動車登録証)のサンプル

【カナダのクルマ事情】


日本の2年車検のような定期的に車全体をちゃんとチェックするイベントが基本的にない

保険の更新で自主的な車両点検が推奨されている。カナダの州ごとの法律に沿って、保険内容によっては更新時車検を求めない保険会社もあるため。
※例として古い車(12年以上)だけにインスペクションを求める場合もある。

ただ保険更新用の車検の内容は、最低限の検査だけで日本の車検と比べると結構緩いチェックで終わることもある。

なので、カナダ住む地域の周囲で日本で想像できないレベルの車を見かけることも頻繁。

もちろん個人で信頼できる整備工場での点検をしている人も存在するし、多く車の程度はユーザーに委ねられているといえる。

そのため日本の中古車市場以上に年式や走行距離が同じでも個体差があり、カナダの中古相場価格から状態を予測するのは難しい。

中古で購入するなら実車の確認は必須となる。
世界中どこでも言えることだがカナダでもユーザーがしっかり修復や点検のコストをかけている車だと、30万キロ近く走ったクルマでさえ大丈夫だ。

次の消耗部品等の交換時期まで十分走行可能なことはざらにある。逆に程度が悪い車だと10万キロも走らずして、新車が買えるくらい整備工場のお世話になることもある。

年式などに関係なく良いクルマに出会うと、経済面でも得するだけでなく、安全走行にも繋がる。

※例えば、観光ガイド会社が使うようなVan なら、会社持ちで定期的にメンテナンスを行っている事が多い。そのため30万キロなど結構な走行距離の割にパーツや手入れが行き届いていたりする。

逆に、タクシーは個人所有が多いので、車の質はドライバーの裁量になったりするので、走行距離がかなりの高距離、点検も最低限であったり僕の観た経験上、程度の悪い車しかない。

30万キロの車を$1,000で買った。ミッションが違和感出るまで1年間頑張って走ってくれた。
(後に$600でタクシードライバーに売却。)

【個人売買での中古車購入】

個人的にカナダに来て3年の間にクルマを不運にも3台も乗り継いだ。

自分としては、この経験でカナダでのクルマの購入や登録など自身を持って完璧にできるようになったし、良かったと思うことにしている。

購入のたびに中古車のクルマの目利きができてきたので、それを以下にシェアしようと思う。

中古車は、今までの走行距離も大事だが、前述の通り日頃の点検や交換ができていたのか知ることが大事だ。

ユーザーの言葉だけでなく、メカニックが触った記録となる修復歴や定期点検などを記した修理会社の明細書が確認ができると、車の状態がわかりやすい。

情報がしっかりしていれば、購入後に消耗品や交換パーツの時期、修復のリスクが高まる時期などが見えてくる。

基本的に抑えておきたいのは、新車であれ中古車であれ、長期で乗れば必ずやらなければならない定期的な交換パーツや手入れがある。僕はいつもその状況から確認するようにしている。

プロの点検を所有車の許可があれば、少しコストは掛かるが購入前に行うことも可能。もちろんこれは、個人的な点検なので自分自身で点検してくれる業者にアポイントメントを取る。

※安い中古車を買って即交換部品が多いと、車自体の購入価格以上のコストが短期間でかかることもある。


自分でフードを開けて確認することから始まる。
  • 足回り:ブレーキパッド・ローター・ハブベアリング・ショック・シャフトなど

  • フルード交換時期:ラジエーター・エンジンオイル・トランスミッション・ブレーキ・ディファレンシャルギア(AWDの場合)など

  • タイヤのすり減り具合:タイヤの年数や偏摩耗=アライメントなどのトラブル?

  • クルマの底面や全体のボディのサビや傷・凹みなどの外観:年式の割に冬の雪や海水で痛みが強い車もある。

  • 乗ったときの感じ:走行中のエンジン音や油温の変化、走行時のハンドルや足回りからの異音など)

  • 各種オプションの動作状況:リモートキーや窓の開閉・レバー・シガーソケット・スペアタイヤや工具類

これらをチェックしてみて、販売価格との妥協点を決めて購入できると良い。

【僕の車購入経験では】


3台目の購入後に知るのだが、AWDのリアのディファレンシャルギアのフルード交換時期が近いクルマを購入し、後々ベアリングギアの異音が発生することがあった。

こうなるとフルード交換しても完璧に治らない。異音など状況が悪化したらディファレンシャルギア周りのアッセンブリー(周辺パーツの一式)交換となる。

これは技術料も加えると10万円超えになる高額修理の一つだった。

ただ、整備士いわくまだまだ深刻になるまで大丈夫とのことだったので、現在フルードの定期的な交換で様子を見ている。

車のライトぐらいなら基本的にDIYできたり、全修理でもなんとかなる価格だけど、こういう手間のかかるものは財布に痛い。

日本のように整備士搾取は少ないのか、ちゃんと技術料も請求してくるし、時間外はなく勤務時間内でやるので時間がかかることも。

ただ、今回購入したクルマは、もともと警察車両の払い下げとして政府のオークションで売り出されたモノだったので、北米メーカーかつ高年式の割にそれなりに動いてくれている車両だった。

カナダで15万キロ30万円の3600ccエンジンのSUV(AWD)に乗れるなら今後それなりのコストもかかるクルマだと思っているので、トラブルが合ってもおかしくないと覚悟は少なからずあった。


アルバータ州に来てからも3万キロ以上走っているが、異常なく好調。


まあ年式が古くてもされどAWD車なので、冬から春にかけてカナダの雪道(特にシャーベット状など悪路)走行で助かっている。

FWDでも日ごろ問題ないけれど、雪がしっかり圧縮された圧雪路になるまでの時期は、かなり道路コンディションが不安定だ。

道路が日本の関西圏の降雪後のように雪解けが再び凍ってかなり滑ることもある。

そのためハイウェイでの高速走行や坂道からのブレーキやラウンドアバウト等でタイヤがスリップしている感覚が伝わってくることがあった。

大きなトラブルにならないように運転するので大丈夫だが、やはりFWDで走るのは懸念材料であった。

ユーコン準州というカナダでものどかな場所に住んでいた時、冬だとハイウェイで家から誰とも数時間出会うことなく目的地に到着することもある。

携帯電話の電波もない・数時間も誰も見ていない・通らない場所でスリップをして横道に転落などのリスクを負いたくなかった。

どんなに高年式の車でもAWDなので、ハイウェイ(海外の映画にでてくるような自然の中にある道)走行での道にグリップしている安心感が違った。

冬のユーコンのハイウェイ(比較的道路状態が良い時):電波は、衛星通信を除いて無い。

【Bill of Sale】

個人で中古車を購入した際など、クルマを引き渡しで必要な情報やサインが記載された書類。

これがなければ、車両登録する際クルマの所有権が移らない。(Ownershipの証明となる大事な書類

必要事項とサインが書かれていれば、公式フォーマットを使わなくてもいいとのことだったが、行政が公式で書類を作っているのでそれをHPから印刷すれば、記載漏れもなく便利だ。

【Bill of saleの参照URL】

【自動車保険とインスペクション】(点検)

カナダの保険も日本と同様である。しかし英語で補償内容が書かれていると困惑するので以下に、補償名をまとめてみた。

下記で自分が支払っている保険料を載せているが、日本に比べて数倍高い。年齢や車の種類などで保険のレートが変わるのは日本と同様だが、全体的にレートは高い印象。

※カナダに来て道路を走るとわかるが、車の質からドライバーの質まで想像以上に玉石混交だ。自ずと保険料が高くなる理由がわかる。

それぞれの保障の内容は、以下の丁寧な日本語に翻訳してくれた保険会社公式HPで参照していただきたい。情報源は、オンタリオ州なので他州でのオプションや補償内容は随時ブローカー等で確認していただきたい。

【カナダの保険ブローカー】

フル保障の自動車保険でなく保証される走行距離に制限をつけたり、対人・対物賠償責任保険 (Third Party Liability)のみ適応など保険のプラン条件を細かく吟味して加入する方もいることだろう。

そういう場合、自動車に求められる強制保険の項目が州によって違うので確認することをオススメする。

僕のように個人的な理由で、二束三文の中古車に対して保険料が高いフル保障まで必要でないと思う方もいると思う。

カナダで見かける主な自動車保険保険の項目は以下の通り。

  • 対人・対物賠償責任保険 (Third Party Liability)

  • 傷害補償費保険 (Accident Benefits)

  • 対無保険者保険 (Uninsured Automobile Coverage)

  • 無過失事故 車両保険 (Direct Compensation Property Damage)

  • 衝突・転倒 (Collision or Upset)

  • 衝突・転倒以外 (Comprehensive)

など

※僕の場合以下のような【自動車保険】となった。
ユーコン準州にいた際の保険
・年間走行距離1.5〜2万キロ
対人・対物賠償責任保険 (Third Party Liability)だけ、$200万を上限

理由は、定期的にユーコン内で長距離を走ることが多かったし、夏のユーコンは自然を満喫するとなると一日500km以上走ることなど日常茶飯事だった。

仕事でクルマは使わないけれど、年間走行距離は多めに設定していた。

ただクルマは、ほぼ無人の自然な道を走るだけであるし、自損事故等で深刻なレベルまでクルマが壊れたら、わざわざ高額な保険に加入して修理するよりも買い替えたほうがが安いと思った。そのため誰かと万が一事故した時の相手の保障を対象にした対人・対物賠償責任保険 (Third Party Liability)のみにした。

アルバータ州に移住してからは、都会のど真ん中に住むことになり、仕事も徒歩圏内でカジュアル仕事をすることに決めていたので、クルマは買い物などプライベート利用で多い設定に変更した。

ただカナディアンロッキーや恐竜の化石があるプレーリーなどカルガリー周辺にはドライブする場所が多くある。

保険料がユーコンよりベースが高いので、走行距離を少し抑えつつ十分楽しめる距離として15,000キロ以下に変更した。

補償内容はユーコンと同様に、壊れたら買い替えたほうが安いので、強制保険のみの加入にしてもらった。


〜ユーコンの場合〜

自動車保険を取り合う保険ブローカーで保険に加入する際、保険ブローカーの専用フォームを貰い、加入前の車のインスペクション(車検)を求められた。

ただ保険屋が求めるユーコン準州でのインスペクションは、日本の車検ほど厳しくなかった。クルマが最低限問題なく安全に動くかどうかを調べる程度だった。

なぜなら、最初の一台は冬に入って1ヶ月半で走らなくなったからだ。

もちろん、個人的に不安であれば車検ができる場所でもっと詳細な点検をすることも可能だが、保険屋はそこまで求めていなかった。

3台の中古車をユーコンで乗り継いだが、ユーコン準州の適応される簡易な点検しか受けていなかったこともあり、後に整備工場のお世話になることが多かった。

経験上、保険に登録してから数ヶ月もたたずに消耗品の交換時期や不具合を起こした部分のパーツ交換が必要になることが多かった 笑。

日々、クルマの変化を感じ、必要なら自分なりに調べてプロの点検が必要かどうか確認することが必要。

ユーコンの整備工場では事前予約が必須で、部品の調達もカルガリー・バンクーバーなど都会に比べて時間がかかったりするためだが、飛び込み修理は不可能に近い。

トラブルが深刻化してからだとクルマが修理されるまで数週間乗れないことも。


冬のカナダは、主要道路以外は圧雪路になっていることが多い。

〜アルバータ州〜

ユーコン準州で使っていた自動車保険の情報をユーコン準州にもあった保険ブローカーのカルガリー支社でアップデートし、保険プランの引き継ぎを行った。

ユーコン準州では月払いが可能であったが、カルガリーでは、分割払いはできず一年間の保険料を一括払いのみということだった(後に別の保険ブローカーで違う銘柄の保険を買い、分割払い可能になる)。

料金は、ユーコンと同様な保障内容のレベルの保険だったが2−3倍の保険料となった。
事故の発生率などで保険の料金レートが同じクルマと免許の履歴であったとしても、カナダの州や地域毎に異なるとのことだった。

【僕の場合の保険料推移】

  • ユーコン$1100/年(2019年)

  • カルガリー$2600/年(2020年)

  • Canmore$780/年(2023年より)

とカナダでも、アルバータ州内でも田舎に行けばベースのレートが安くなることを思い知った。

ちなみにカルガリーに居たときは、賃貸していたアパートの保険にも同じブローカーから加入したので、正規より少し割引された保険料だった

※Canmoreに引っ越してからは、カナディアンロッキーのお膝元であるが、一応田舎扱いになるので保険料のベースがかなり下がった。

【インスペクション(車検)】

保険の更新や、中古車の購入。他州の登録車が持ち込まれた場合は、どの州でも車検はある。

※自分が最後に受けた【out of province auto inspection】は以下の通り。

Canadian tire, OK tire、MIDASやKaltireといった大手の自動車点検や修理ができる場所なら州のInspection公認店になっていることが多く、ディーラーでなくても説明すれば行うことができた。

※事前に最寄りのRegistryで、Out of province Inspection用の書類を購入して持参する必要がある。

今回の僕の点検では、アタリを引いたのか整備士が、ユーコン準州から2500km走った車を結構丁寧に確認してくれた。

その結果、前後の足回りやフロントガラスの交換(カナダならCosmeticと言われるくらい日常の傷)などを行う必要があり、総計で$2,500ほど費用がかかった。

おかげで2年以上大きな問題なく走ってくれている。


例;アルバータ州での【out of province auto inspection】の表紙

【まとめ】


電波の無い大自然を300km以上走る前の日常点検。

行政等が求める車検として、今まで登録していた州から新しい州へ自動車を登録変更した際や保険会社毎にある保険更新時の点検などがある。

しかしながら、これらも日本のような隈無く看るような定期点検でない。

整備工場毎にスタッフの程度もかなり違うし、ハズレを引くと、詳しく確認されないでOKとなることも(車検後にパーツ交換が必要となることはよくある 笑)。

カナダではユーザー自ら信頼できる場所へ定期的な点検を出さない限り、基本的に車の状態をしっかり確認してもらう機会はあまりない。

カナダの自動車の状態は、はっきりといって千差万別で玉石混交である


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