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進化を生む社会関係資本が発達する組織

『マーケットを自国外に拡大、「ゲームチェンジャーの視点」を学ぶ
「HR Technology Conference & Exhibition 2023」現地リポート(後編)』

こちらの記事は河野 英太郎さん(アイデミーExecutive Advisor、グロービス経営大学院客員准教授、Eight Arrows代表取締役)が今年10月に米国ラスベガスで開催された「HR Technology Conference & Exhibition 2023」に参加されて書かれたもので、Human Capital Onlineに掲載されているものです。

河野さんのレポートを読んで、今年読んだ『仕事の未来×組織の未来』

に書かれていたことがテクノロジー的には社会実装可能になってきていると感じた一方、社会(特に会社と個人の認識)の方はまだまだreadyではない、この変化の芽に気付いている人たちは少ないかもしれないとも感じています。
いや、実は気付いていないのではないのかもしれないですね。
毎日目の前の仕事に追われているうちに、こうした話題を話す場がなくなってしまっている。故に、新しい認識を得たり、知見をupdateしないままになってしまっている。一人ひとりは少しずつ気付き始めているのに、組織やチーム、集団の中で対話する機会がないから、新しい知見や経験知の交換が進まず、新たな認識が広がるまでに時間がかかってしまっているのかもしれません。

今年進学した大学院で私はコミュニケーションデザイン研究科に所属しています。自身の研究テーマは「社会関係資本が、人的資本の蓄積と人的資本からの価値創造活動に果たす役割の考察」としています。
※研究テーマはまだ仮です。先行研究を学ぶたびに軸はまだまだブレ続けています (^^;
人的資本の蓄積、そこからの価値創造に作用する社会関係資本が形成される条件は何だろうかと考えるとき、上述したような、認識を確認し合うことができる「対話の場」の存在が求められるのではないかと思うのです。
これは1 on 1 の対話とは異なるもので、『n対n の関係で持つ対話の場』であって、さらに何かの正解を出すような議論とも異なるもの。というよりも、敢えて言えば、結論を出さずに思考し続け、認識を形成していく活動と言ってもいいかもしれません。

機能的で効率的な組織活動は、生産的に物事(特に仕事)を進めるために欠かせません。一方、進化やイノベーティブな取組みを開始するには、一つの正解を出すのとは異なる、「まず、こっちの方向に行ってみるか?」的なアプローチで試行錯誤しながら認識を固めて(=階段を自ら作りつつ)、その階段を上り続けていくようなスタンスが求められる。そのようなスタンスを持った人々を繋ぐ関係性の場が用意されると、そこでは n対n の多様な対話が交錯して続けられていくことが可能になる。

発展していく組織は、機能的で効率的に物事を進める組織機能を有する一方で、このような「関係性の場」を内包しているのではないかと考え始めています。
そして、それは意図してできるものなのか、
それとも自然発生的に生まれてくるものなのか。
自然発生的に生まれてくるとしたら、それはなぜなのか。
そうならない組織とこうなる組織の違いは何だろうか。

そんなことを考えています。



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