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愛猫ゲンの扁平上皮癌が今更確定…分子標的薬パラディアに賭ける!

本題に入る前に愛猫ゲンの扁平上皮癌に関する事柄を一旦整理させて下さい。

以前書いた様に愛猫ゲンは扁平上皮癌に侵されており、腎臓も中程度に悪い2021年で13歳になる高齢猫です。

今のところ腎臓についてはテルミサルタンと療法食でやり過ごしている感じです。

扁平上皮癌については、右あご丸ごと切除等の外科的治療は行わず、放射線治療や抗がん剤による治療も行っていません。

理由は一言で言えば予後の悪さです。

右あごを丸ごと切除したとしても根治は期待出来ず、転移・再発の可能性が極めて高い。

放射線治療や抗がん剤の投与も副作用が強い割には、その効果は扁平上皮癌にはあまり期待出来ない。

食欲はレメロンの服薬により一応あります。

あと、高齢である・痛がっている・苦しがっている様子も見受けらないなどの理由からあえて扁平上皮癌に対する積極的なアクションは起こさないことにいたしました。

よって私は、ゲンの残り少ない余命をいかにストレスをかけずにQOLの低下を緩やかにしながら天国へと導いてあげるかという、いわゆる看取りに入ることを決断した訳です。

その一環として「緩和ケアとしての胃ろう」に挑戦したのですが、胃ろうチューブはおろか経鼻チューブすら断念することになりました。

その胃ろうチューブの設置に挑戦した際に、ついでみたいな感じで採取した腫瘍の一部を生検に出し癌の種類だかなんだかを確定だか特定だかをすることになりました。

その生検の分析結果は予想通り扁平上皮癌でした。

これでゲンが扁平上皮癌に侵されていることが完全かつ最終的かつ不可逆的に確定した訳です。

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ま、想定の範囲内でしたのでその結果を知らされても特にこれといった感想はありませんでしたね。

で、動物病院の副院長先生と今後どうするのか?って話になりまして、

・治療的なことは何もせず死というXデーを待つ
・分子標的薬のパラディア錠15mgを試してみる

という選択肢を提示され、検討するまでもなく私はパラディア錠を試すことにいたしました。

私個人の認識にはなりますが、分子標的薬のパラディアとは抗がん剤のようで抗がん剤ではない、抗がん剤ではないようで抗がん剤の一種みたいなお薬です。

従来の抗がん剤は人間のもの同様に悪い細胞も良い細胞も一緒くたに攻撃してしまうためキツイ副作用に見舞われますが、分子標的薬のパラディアは悪い細胞だけを狙い撃ちにするので副作用はかなり少なく済むそうです。

パラディアの代表的な副作用としては、下痢・嘔吐です。

にしても、なんか高そうなお薬だなぁと察したので、それっていくら掛かるのかを訊いてみたところ、価格はざっくり1錠2,000円くらいでそれを1日1錠、中1日を基本とし週3回服用しなければならないとのことでした。

要は、週3錠で6,000円くらい掛かり1ヶ月4週とすると2,4000円くらい掛かるって話です。

月に2,4000円かぁ…その他諸々あって月3万か…うーん、何とかひねり出せる金額だなということで了承しました。

しかし根本的な問題があります。それはゲンの口の開閉問題です。

ゲンの口はあごの関節が腫瘍?で固着しているのでまともに開きません。
あくびも出来ませんし、エサに勢いよくかぶりつくことも出来ません。
エサはペースト等の柔らかいものを常時出ている舌で拾って食べています。

しかもパラディアは放射性物質を含んでいるのか?その取り扱いは慎重でなければなりません

素手でパラディア錠を触るのはNGでゴム手袋・マスク必須です。
排泄物に触れるのもNGなので要注意。

あとパラディアを割ったり粉末に砕くのもNG。
目に見えない粒子が飛び散って人体にどうのこうのという劇薬です。

ですのでゲンへの投与は錠剤のまま、一択です。

参ったな…どうやってゲンの口に錠剤を入れたら良いものか? 無理やり口をこじ開ける訳にはいかないし…エサに錠剤を忍ばせて…即バレだな…

まあいいや、とりあえず1錠…いややっぱり2錠出して下さい! 1錠だとワンチャンに賭けるしかないので。

とりあえず2回チャレンジしてみます! 無理そうでしたら諦めますわ、ってことでパラディアを2錠処方してもらいました。

さぁーて、あとはどうやってパラディアをゲンの口に錠剤のまま入れるかです。また、ゲンにストレスをかけてはいけないのでその作業は超高速でなければなりません。

ですので私はネットで錠剤の飲ませ方をさらっとググって、イメトレ、素振り的なエア投薬をして早速本番に臨みました。

刻一刻と癌は進行しているのでのんびりトレーニングなどしていられません。

副院長先生から言わせればパラディアを使うにはちょっと遅いくらいだから、あまり期待しないようにとのことでした。

もっと早くパラディアのことを教えてくれていたら…

1月中旬のドライ食べず&噛まずの食欲不振の時に腫瘍科認定医の女性獣医さんが気付いてくれていたら…ま、それ以前に私がゲンの顔を入念に触っていれば右あご下の出っ張りに気付いた話ですがね。

その後便秘だの胃ろうに挑戦だの生検結果待ちだので、ドライ食べず&噛まず問題からパラディア投与まで何だかんだで実に2ヶ月くらいを要してしまいました。

扁平上皮癌は発症だか確定診断だか知りませんが、余命3ヶ月程度らしいですので初動でのつまづきが悔やまれます。まあ仕方ないですけどね。

ちなみに右あごの外側から始まった腫瘍は皮膚を突き破って外に出てきて最終的には四谷怪談のお岩さんみたいな顔になるのかな?と思いきや腫瘍は柔らかい?口内へと進み、現在は眉間あたりまで来ています。

どうやら腫瘍は内部で上へ上へと向かっている様です。

そんな訳で常時ではありませんが、ゲンの右目の半分位は赤い肉で隠れてしまっています。初めてその光景を目の当たりにした時はグロい感じがしてかなりビックリしました。

私はてっきりその見えている赤い肉は腫瘍かと思って、その映像を撮り、副院長先生に見せたところ「この見えている赤いものは腫瘍ではありません。内側の肉です。腫瘍に押し出されたんですね」とのことでした。

つまり腫瘍はそこまで来ているということです。

話をパラディアをどうやってゲンに飲ませるか? に戻しますが、いざやってみるとそれほど困難ではありませんでした。

舌が常時出ているということは口はわずかに常時開いている、つまり口を完全に閉じることは出来ないということです。

この開いている口のスキマからパラディアを投入しています。

ゲンをスコ座り状態で抱っこをして、まずは指に付けたちゅーるを舐めさせます。そしてあごをクイっと上向きにしてパラディアを投入。

そして続けて再びちゅーるを舐めさせ、もう一度あごをクイっと上向きにして完了。続けてエサもあげることでパラディアの件はなかったことにする、すぐさま忘れてもらうという戦術です。

このやり方はゲンの口の開閉の状況という特殊な条件下でのやり方なので、全く参考にならないとは思いますが、まあ、こんな風にしてパラディアを飲ませている訳です。

しかし最近はゲンも薄々感ずいていてかなり警戒気味です。コイツちゅーるを舐めさせて油断させて、その隙にどさくさに紛れて錠剤を入れやがると。

まあ、とにかく愛猫に口からお薬を強制的に飲ませる場合は、その子にふさわしい作戦を練って素振り的なエア投薬でもして、とにかく高速で飲ませる、もたもたしないでソッコーで作業を終わらせることが大切ですね。

ろくすぽ考えずにただやみくもに口からぶっ込もうとすると中々上手くいかないですし、無駄に愛猫に嫌われてしまいます。

少しでも病状が改善されるのであればぶっちゃけ嫌われたって構わないのですが無駄に嫌われる必要はありませんからね。

で、肝心の分子標的薬パラディアの効果につきましては、もうかれこれ10回以上投薬していますが悪化している印象はないという感じですかね。

ゲンの見た目、様子的に。でも右目の半分くらいは肉で隠れたままなので改善もされていないようですが…

要はパラディア投与により、腫瘍は小さくなっているのか? 大きくなっているのか? 大きさは同じままで成長はしていないのか? 位置や範囲はどうなっているのか?は分かりません。

もう一度ゲンを動物病院へ連れて行き最新のレントゲンを撮りたいところですが、ゲンの通院ストレスを考えますと止めておいた方が良いかなと。

てか、腫瘍が大きくなろう小さくなろうが基本的にゲンはどっちみち死ぬまでパラディアを飲むしか他に手はないので。

無論、下痢やおう吐などの副作用が出たら直ちにパラディアは止めることに決めています。

ちなみにパラディアは日火木の服用ですが月水金はパラディアと同時処方されたレメロンというお薬を飲ませています。

レメロンというお薬は抗うつ薬で悪心等だけでなく、嘔吐や食欲不振にも効果があるそうで、そのおかげか今のところ副作用が出ていないのは幸いです。

食欲に関しても問題はないのですがそれでも体重の維持はとても難しいですね。異変前は6.2kgでしたが異変後は5.0kg。そして現在の体重は現在4.5kgと減少傾向は続いています。

腎臓病食だけでなくa/d缶や猫用キドナやエナジーケアなどの高カロリー食も与えているのですがなかなか…

現在パラディア錠は15mgを飲ませていますが、ざっくり15mgは体重5kg以上が対象で5kg未満は10mgなのだとか。

しかし
「10mgでは効果はあまり期待出来ないので何とか体重5kgをキープして下さい。 現在出しているパラディアを飲みきったらその時に最新の体重を教えて下さい」

「その体重次第では効果があまり期待できないのに10mgを使うのか?  あるいは、もうパラディアは止めてレメロンと腎臓病薬のテルミサルタンのみにするのかの判断が必要になります」とのことでした。

体重5kg未満で15mgを飲ませると副作用が顕著になるのだそうです。

しかし私はゲンの体重は途中から5kgを下まわりましたが、構わず15mgを飲ませていますけどね。

繰り返しですが、パラディアは割ったり砕いたりするのはNGなので15mgを10mgには出来ません。で、おかげ様で今のところ副作用は出ていません。

何故15mgをお構いなしに飲ませているのかというと、
そんなもん副作用が出たら直ちに止めりゃーいいだけの話なんじゃねーの?って気がするからです。

しかし副院長先生は「体重が減っても10mgはアレだから15mgを続けて飲ませて下さい。もし副作用が出たら直ちにストップで!」とは言ってくれません。

ま、副作用が命取りになる可能性だってない訳ではないのでしょうけども…

もしかしたらパラディアは1錠2,000円位する高いお薬なので、15mgの錠数を多めに処方するも、

「えっ嘔吐した? じゃあもう今ある15mgは飲ませないで下さい!」
「そうっすか、ほんじゃ余った15mgは返すから金返して下さい!」

みたいなケースがあるのかも知れませんね。

だからゲンのように体重ジャスト5kgの子には体重5kg未満に落ちてしまうことを想定して15mgを多めには出したくない。出したはいいけど金返して!みたいな面倒くさい事態になるかもという…

まあ、実際パラディアは高いですけどね。

私が副院長先生に聞いた時はパラディアは1錠約2,000円なので1ヶ月で24,000千円位って話でしたけど、実際には1ヶ月4週とすると50,000円掛かりますw

また、パラディアは一度にたくさんは出せないお薬だそうです。理由は定かではありません。劇薬?であることや先ほど書いたようにたくさん余ったから金返せ!対策もあるかも知れません。

一度にたくさんは出せないのは仕方ないにしても、その都度抗がん剤処方料が発生しますし、その他のお薬や獣医師指名料等々もその都度発生します。まあ、それがビジネスってもんかも知れませんが…

ちなみにパラディア15mgは個人輸入という形のネット通販で購入出来ますので、納期は2,3週間掛かりますが1箱20錠入りで20,000円位で購入が可能です。

この20錠を動物病院で入手する場合、1錠1,774円×20錠で35,480円。

1回の処方は基本5錠で20錠の場合、4回出してもらうことになります。
(1回で20錠は出してもらえません)

下記の明細ではパラディアは6錠となっていますが、これは私がゴリ押しして5錠のところを6錠にしてもらった結果です。次回来院する日との兼ね合いでね。

1回あたりの抗がん剤処方料は2,200円なので4回で8,800円。
獣医師指名料は880円なので4回で3,520円。
診察料は1回550円なので4回で2,200円

合計すると、パラディア15mgを20錠:35,480円、抗がん剤処方料:8,800円、獣医師指名料:3,520円、診察料:2,200円で、ジャスト5,0000円です。

パラディア15mg20錠をゲットするのにジャスト50,000円かかるというね。

こりゃもろ狙った価格設定っすねw  いくらなんでもぴったし過ぎですw 
まあビジネスですからね。仕方ありません。

しっかし、単にパラディア15mgのみを20錠入手するだけでも、個人輸入のネット通販では20,000円位、動物病院だと50,000円。これはえらい違いです。

正直、1ヶ月50,000円はキツイですね。これが長期間続くとなると私の財政は破たんしてしまいます。

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ただゲンの場合、不幸なことにパラディアの投入が遅れたことで何とかギリギリのところで癌の進行のスピードを抑えている状況だったりします。

そういった意味ではパラディアを続けたとしてもゲンの命はそう長くは続かないと思われますので、今更わざわざ個人輸入の通販に切り替えるのもどうかなぁと。

うーん…でもとりあえず安っしーから個人輸入の通販で1箱くらい買っておこうかな。

最悪、パラディアが海外から届くもゲンは既に逝っていたなんてこともあり得そうですが…

いずれにしてもゲンの扁平上皮癌は、右あごの切除の検討、緩和ケアとしての胃ろうチューブの設置に挑戦、看取りという名の見殺し危機を経て、分子標的薬パラディアに辿り着きました。

遅きに失した感はすこぶる高いですが、ゲンの飼い主としてやってあげられること、ゲンのことを想い・考え・悩むことは出来たのではないかと思っており今のところ後悔はありません。しかし決して諦めた訳ではありません。

私にはまだ出来ることがただ一つだけ残されています。
それは願い・祈ることです。

ゲンは生きることに絶望を感じていません。
食欲だって無い訳ではありません。

ゲンと私、病気との闘いはまだまだ続きます。続くはずです。続かせます。ゲンが苦しみだすまではね。

以上、愛猫ゲンの扁平上皮癌が今更確定…分子標的薬パラディアに賭ける!でした。最後までお読み頂きありがとうございました。


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