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扁平上皮癌の猫。飼い主が決めた方針が正解!自然な形で逝かせたい!にイラッ!

今回は久々に扁平上皮癌にかかった愛猫の看取りについてです。愛猫YouTubeがラストに近付いてくると、何か、こう…ウズウズしてきまして。まだ言い足りない、語り足りない感じが…

さて、私は以前にも愛猫の看取り関連の記事をいくつか書いたことがあります。

愛猫の死から9ヶ月くらいの時が経ち、私の心境にも微妙な変化が現れておりますので、過去記事の内容と辻褄が合わない箇所があるかも知れませんがご容赦頂けたら幸いです。

今回は看取りは看取りでも、タイトルにあるように

「自然な形で逝かせたい」って何でしょうね?
「飼い主の決めた方針が正解」それってホントに正解ですか?

ってお話です。

くどいですが、あくまでも扁平上皮癌にかかった愛猫を前提としたお話になります。

病気の種類によってはそれらのセリフがいきなりドンピシャの大正解である可能性も大いにありそうですからね。念のため。

「自然な形で逝かせたい」みたいなセリフ、ホントよく聞きます。早い話が延命はしたくないという意味なのでしょう。

人間の延命なら脳死状態で人工呼吸器を装着して云々かんぬんと、その延命の是非が議論になるのは理解出来ます。

勉強不足なのでよく存じませんが、上記の様な人間の延命相当の行為を猫にも出来るのでしょうか?

大金持ちの飼い主さんとかならやっているかもですが一般的には行われていないものと理解しています。

だとすると愛猫の延命って何なんでしょうね?って話です。

丸まってウーウー唸っているのにお薬や何かで死ぬに死ねない状態の生き地獄に晒すのは良くないですね。これは悪い延命そのものです。

これを避けたいというのは理解出来ます。

ただSNSを始めとするネット上には

「自然な形で逝かせたい、だから延命はしたくない」というもっともらしい言葉を発してはいるものの、それってホントですかぁー??と言いたくなるような飼い主さんを度々お見掛けします。

延命はしたくない!とか言ってますけど扁平上皮癌の場合、それは不治の病みたいなものなので、私的には看取り開始の時点で全ての行為が延命みたいなもんだったリしましたけどね。

でもまあ、俗に言う「延命」行為はある意味可哀想だというのはそうだとして、ほんじゃ聞きますけど「自然な形」って何なのよ?ってヘソ曲がりな私は言いたくなってしまうのです。

SNS等々で数々の現在の愛猫の状況を記した文章を読むと、カウントダウン段階に入っていることは理解出来るものの、今にも死んでしまいそうな状況には思えなかったりする場合が多々あります。

私が考える「自然な形」とは、
・万策尽きた
・もはや手も足も出せない
・息を引き取るのをただただ見守るだけ

具体的に言えば、へたに強制給餌や投薬をしたらむしろすぐに死んでしまうのではないか?という不安です。

それらを飲み込むために全ての体力を使い果たしてしまうのではないか?ということです。

こういった状況になった時が自然な形で逝くタイミングなのだろうと私は思っています。これは人間の場合と何ら変わらないと思いますね。

私の愛猫ゲンも最後の1日はそんな感じでした。食事も摂れずトイレにも行けず、もがき苦しむパワーすら残っていない寝たきりの昏睡の果てに逝きました。

そうです。ゲンは私が考える自然な形で逝ったのです。

何を言いたいのかと言うと、人間だろうが動物だろうが特別な延命措置でもしない限り、最終的には自然に逝くんですよってことです。

そんなことは飼い主だったら大体分かるはずです。あー明日かな?今日かな?明日かな?と自然な形で逝きそうな気配が。まあその日数なんてほんの数日でしょうね。

誰が見ても今にも死にそうな状態で週・月レベルでの生存はかなりレアだと思いますね。完全グッタリの飲み食い出来ない状態で…

点滴やそれこそ胃ろうチューブでもどうなんでしょう? どれだけ栄養やお薬を直接胃に入れたところで脳や臓器が機能を停止してしまったら終いです。

話がそれましたが、要は「自然な形で逝かせたい」なんてものは私から言わせればそんなもん看取りの方針とは言えないってことです。

だって最終的には、逝かせるも何も自然な形で逝くんだからさ。逝くことになるんだから、逝ってしまうんだから、って話です。

それをまだグッタリな状態でもないのに「自然な形で逝かせたい」だのへちまだのって…そういうのってひとつ間違えると飼育放棄ならぬ看護放棄に成りかねませんよ?

あん?「自然な形で逝かせたい」だと?なんでその段階でそういう発想をするの? あんたさぁ、やれることやってねーだろ? 早えーんだよ! とね。

「自然な形で逝かせたい!それもまた飼い主の決めた方針なので正解!」

これ私的に必ずしも正解ではありません。単なるご都合主義の逃げ口上の可能性があります。

諸々の状況や状態・環境は千差万別だからといって、飼い主の決めた方針は何でもかんでもぜーんぶ正解だなんてありえません。

この子・その子の飼い主が決めた方針が全て正解なのだとすると、それって言い方を変えれば、何でもアリじゃん!って話です。

飼い主が決めた方針が正解だというのは「正解だった」と思うしかないよねってことです。そう、それは愛猫の死後に思えば良いことなのです。

そういった経験者の方々の「飼い主さんが決めた方針が正解ですよぉー」などという優しいお言葉には安易には乗っからない方が良いと思いますね。

経験者は「自分は正解だったのだ」と自分にそう言い聞かせているだけに過ぎないのですから。

無論、経験者の方々に悪気など一切ありません。むしろ現状キツイ思いをされている飼い主の方々への暖かい思いやり、エールであることは十分に理解しております。

では不治の病に冒された愛猫の看取り方針の正解とは何だ?って話ですが、まずは「安楽死させるか否か」の二択が出発点であると私は考えます。

おそらく大半の飼い主さんは早々に安楽死は選択しないと思われます。

しかし私が知る限り、回復見込みがない場合はいきなり安楽死もアリなのだとか…安楽死の基準としては回復見込みの有無がとても大きいのだそうです。

例えば扁平上皮癌の場合、
・病態は時間と共に悪化していく一方であると容易に推測できる
・回復・根治の見込みは極めて低い

なので愛猫が扁平上皮癌であるならば即安楽死対象になるのだとか…

これを聞かされた飼い主さんの中には、苦しむ前に逝かせてあげたいってことで早々に安楽死を決断するケースもあるそうです。

この決断について私はとやかく言うつもりはありません。あっそ、ってことです。まあ、苦しむ前に…という気持ちは分からくはないですしね。

しかしそういった安楽死の目安があるとはいえ、全ての獣医さんが飼い主さんの安楽死希望を引き受けてくれるとは限りません。

初期時点でまるで先手を打つかのように安楽死させることには賛同できないという獣医さんも多数おられるようです。

以前の記事にも書いたかも?ですが、あえて安楽死の料金をバカ高く設定している動物病院もあるのだとか。

あそこに安楽死を頼むとスゲー金取られるよ的な悪評上等!みたいな。ウチはそう簡単には安楽死は引き受けませんよ!って意味合いでの高料金設定。

安楽死の目安にマッチしていると中々断りづらいのかも知れませんね。 ま、格安で安楽死をホイホイ引き受ける動物病院なんかよりはるかにマシだとは思います。

で、早々の安楽死を選択しないのだとすると基本的には最期のXデーまでが愛猫の闘病看護となり「延命はせずに自然な形で…」となる訳です。

もちろん愛猫の状態次第では、看護中に安楽死を決断せざるを得ない場合もあるであろうことは付け加えておきます。

特に口内を始めとした顔周りの扁平上皮癌の場合、かなり凄惨な状況になることも珍しくありませんからね。

あと「延命はせずに自然な形で…」とは言ってはいないものの、実際の闘病看護は獣医さんに頼りっぱなしみたいな飼い主さん。

しかし獣医さんに頼りきったところで、獣医さんが「すべて私に任せて下さい、すべて私が判断して決断しますので飼い主さん、あなたは黙ってて下さい!」などと言う訳がありません。

獣医さんはあくまでもいくつかの案を提示してくれるだけです。そして、どれを選択するかは「飼い主さん!それはあなたぁ次第です!」となる訳です。

あとは飼い主さんの意向に沿って治療なりなんなりをしてくれるだけです。獣医さんもビジネスですので下手なことを言ってクレームだの訴訟だの真っ平ごめんですからね。

まずは予防線をきっちりと張った上で協力してくれるという。これは人間のお医者さんも同様です。

そこでとても重要になってくるのが飼い主さんの主体性です。

私にとって獣医さんとは、あくまでも自分に出来ないことを担って頂く存在であるという認識です。

もっと突っ込んだ言い方をすれば私は獣医さんのことを都合よく利用していたに過ぎません。

早い話が愛猫の闘病看護のプロジェクトリーダーはこの私。
獣医さんは言ってみりゃ私の助手・ツールの一つに過ぎませんでしたね。

なので私は獣医さんに全幅の信頼を置いていた訳でなく、頼りまくった訳でもなく、懐疑的な視点すら持つようにしていましたね。

まあ、私は自分で出来ることは全て自分でやりたい派ってことですね。

お薬・各種フードやサプリほか様々なツールをゲンの闘病に利用していましたが、獣医さんもその一つとして大いに都合よく利用させて頂きました。

あくまでもゲンの闘病看護のリーダーは飼い主である私であるべき!という考えを誰かに譲る気など、はなっから1mmもありませんでしたね。

とはいえ獣医さんとの関係はずっと良好でしたよ。

ほんとよくやって下さいましたし、良いアドバイスもたくさん頂けたのであの獣医さん(副院長先生)には大変感謝しております。

さて、飼い主さんと獣医さんとの関係性についてですがSNS等々で度々見掛ける発言があります。

「愛猫がいつものフードを食べてくれない! 獣医さんに相談したらこれを与えてみたら?と言われ、それを与えたら食べてくれた!さすが獣医さん!」などとね。

あのさぁそれ知らなかったの? そんくらい知っとけ! だいたいそんなもんフツーにネットで買えんだろーが!とイラッと来てしまいます。

ネットとは縁もゆかりもない人ならいざ知らず、SNSだのなんだので発信しているくらいなので、いわゆる情報弱者の人とは思えないだけに不思議です。

愛猫がフードを食べてくれない問題にしたって試せることはいくつもあるんですよ。そんなもんそれこそネットで検索すればいくらでも出てきます。

そりゃー一発で望みの情報が出てくるとは限りません。

そういった場合は検索キーワードを変えるなり、3語・4語キーワードで再検索すれば大抵の情報にはありつけます。

もちろん愛猫の状態に合うか合わぬかの情報の取捨選択等のリテラシーは必要ではありますが…

例えば愛猫がフード食べくれない問題の対処法をいくつか紹介すると、

・フードを変更する
・他のフードを混ぜる
・飽きさせないようにローテーションを考える
・ウェットフードを細かくすり潰す
・ドライフードを砕いてぬるま湯でふやかす
・指につけて差し出す
・スプーンで差し出す(木製が安全)
・鼻の頭に付ける
・容器や高さ・角度の見直し
・シリンジ給餌を試してみる

こんなことはネットで検索をかければいくらでも出てきます。

容器の角度はなかなか難関ですが、私は100均の紙ねんどで微調整していましたね。紙ねんどなんて有害に決まっていますので開封せずに袋に入った状態のままでギュッギュッと調整していました。

こんな風に簡単に試せることは色々とあるのです。

まあ、お金は相応に掛かりますがどっちみち獣医さんのところに行けばお札はジャンジャン出ていくことになるのでこんなの大した出費じゃありません。

看取り段階の闘病猫はいかにして痩せさせないかが基本。
むしろ太らせるくらいじゃないとね。

最期は結局食べられなくなるのですからあの手この手で食べてもらえるように飼い主さんは工夫すべきだと思います。

そういった事をろくにせずに何が「自然な形で逝かせてあげたい!」だってーの。

立派なことを言う前にやること・やれることをちゃんとやってねーだろって話ですよぉ、今回の話ワー! あっすみません。熱くなってしまいました。

えーと、そろそろ今回の話をまとめますと、

飼い主の決めた方針が正解!自然な形で逝かせたい!という考えは、よーく自問自答する必要があるってことですね。

【飼い主の決めた方針が正解!】

これはそう思いたい・そう思うしかないという自分への慰め・諦めの境地の可能性が大いにあり。

自分が決めた方針を常に疑って欲しいですね。
本当にこの方針・このやり方で良いのかと。

早い話がそれは誰の為の方針か?って話です。
あくまでも100%愛猫の為の方針であることを願います。

余名いくばくもない愛猫なのですから、自分の寿命など多少縮まったっていいじゃないですかぁそんなもん!

看護苦から解放されたいという気持ちは分かりますが、何とか乗り越えてもらいたいものです。

【延命はしたくない!】

扁平上皮癌の場合、それが分かった時点でもはや延命に入るのだと飼い主さんは認識すべきですね。

ほぼほぼ絶望的で基本お先真っ暗な病気ですので、獣医さん的にはなかなか言及しづらいでしょう。

なので食事・投薬ほか全ての作業が闘病看護ではなく、延命行為と言って良いと思います。

どうか、その子らしさ・愛猫らしさ(QOL)を保ちながら天国へと緩やかに導いてあげて頂きたいですね。

【自然な形で逝かせたい!】

べつにこんなことは意識する必要などありません。
最終的にはそうならざるを得ないのですから。

要は、いつ自然な形で逝くことになるのか?ってことです。
食事の件で書いたように命の基本は食事です。

ここを獣医さん任せにしているようでは早々に自然な形で逝ってしまうことになるでしょう。

さっさと逝ってもらいたい訳じゃないですよねぇ?

それなら飼い主さんにはググりまくるなりなんなりをしてもらって、あの手この手を「試して」もらいたいですね。

そうじゃないと可愛い愛猫の寿命が更に縮まっちゃいますよってことです。早めの自然な形での逝去みたいな。

あくまでも「試す」ってことであって無理強いはNGであることは言うまでもありません。ストレス掛かりまくりじゃそれこそ寿命が縮まってしまいます。

まずは試してみる。嫌がったら即撤退。別の方法で試してみる。また嫌がったら即撤退…これを繰り返す。

とにかくいかにして栄養を摂らせるか?これを諦めるのは最後の最後です。

それは冒頭に書いたように逝く気配を感じた時で良いでしょう。
その気配を感じるまでは決して諦めないで頂きたいですね。

諦める前に試せることがきっと何かあるはずです。それは獣医さん頼りではなく自分でも調べましょう。

獣医さんだってあらゆることをもれなくアドバイスしてくれるとは限りません。うっかり教えそこねることだってあるでしょうからね。

今回はこんなところですかねぇ…皆さんの家族である愛猫。
少しでも長くその子と飼い主さんとの時が続くことを陰ながら祈っております。

以上、扁平上皮癌の猫。飼い主が決めた方針が正解!自然な形で逝かせたい!にイラッ! でしたありがとうございました。