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【物語】 林檎の王様と真っ赤な国 (7)

(前回)

* * * * *


林檎の王様 眉ひそめ

懇願 てのひら 合わせて胸へ

紙の魔女は 困り眉

困惑 てのひら 握って腰へ


「ですが、餅が待っていますし」

「まさか帰ると言いたいか」

「いいえ、滅相もございません。では、一色といわず、複数色を描きましょう。これで最後です、赤の王」

「かまわぬ、どれどれ、やってみよ」


王様の言葉に渋々承諾 

紙の魔女は高らかに

音色を奏でて歌ったさ


””赤は情熱 青は冷静 

 黄色は大地 好奇心

 トンタラカ トンタラカ トターラカ

 緑は温和 それ豊か

 ひとつ 母なる 草葉の色

 紫は気品 それ矜持

 ひとつ 母なる 花の色

 灰は過去色 それ成長

 ひとつ 母なる 雲の色

 橙 自由 それ親密

 ひとつ 母なる 光の色
 
 トンタラカ トンタラカ トレーブカ

 他色 多色 色彩 咲かせ

 皆皆 ひとつ 我 ひとつ

 ひとつ 母なる 虹の色

 トンタラカ トンタラカ トレーブカ””


すると どうだ 変わる城

そこらの三色 混ざりながら

極彩色に 包まれていく

真っ赤な国も 原色の国も

既に不釣り合いな極彩色


原色の国に色がきた

やってきたのは 無数の色


きらめく いろめく 城内に

従者達は大喜び

燥ぎ 踊り 歌い出す


林檎の王様 にっこにこ

見知らぬ色にときめき隠せず

林檎の王様 頷いて

確信めいてこう言った


「色はなんて美しい」


普段の倍ある魔法の言葉に

息切れ ぜえぜえ 紙の魔女


「お気に召しましたか」


ひらひら答えて 顔あげたならば

びっくり仰天 紙の魔女 どうした

ぎんぎら瞳の輝いた 林檎の王様 そこにいた


「もちろん、これは、大きくルールを変えねば。きょうび赤しか好かなかったとは勿体ない。赤だけ拘っていた己を恥じる。色はなんて美しい、色はなんと美しい」

「そこまで言って頂けて、私としても心嬉しく思います」

「何をいう、紙の魔女のおかげなのだ、素晴らしい色をもたらした。約束どおり、うんと褒美を与えよう」


言うと 王様 大臣 指示出し 紙の魔女へと差し出した

真っ赤に燃える宝石と 何にでも使える真っ赤な通貨

紙の魔女 驚き隠せず

想像 超過 焦り 汗たらり


「これを全て私にですか?」

「もちろん、そうだ、これだけでは足りぬくらい。是非とも、大いに使ってくれ」


想像 超過 焦り 汗たらり

こんなに褒美があるなんて

餅から何も聞いていない

「林檎の王様と真っ赤な国 (8)」につづく)



ー!ATTENTION!ー
・2019年に小説投稿サイトの「お題:赤」のコンテスト用に書き下ろした作品です。(再編したものを掲載しています)
・この作品はフィクションです。現実における全ての事と一切の関係はございません。

《ここまで読んで下さりありがとうございました!》
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哲学の自己世界。違うものたちが共生できたらいいなと思う今日この頃。宮澤賢治と珈琲をこよなく愛しています。20代。学生。プログラミング勉強中。クリエーションもしています、物書きや絵描きなど。 自分のサイト / https://yoichianna.com/

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