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時代を読むフランス語メモ【3】

今回ご紹介する表現自体は特に新しくはありません。ただ、多くのメディアで見出しを飾っているという点で世相を表した表現かなと思います。

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au chevet de 

chevetというのは「枕元」という意味です。この表現は「〜の枕元で」という意味となります。

au chevet de の後の目的語には人を表す言葉が来ます。主語にあたる誰かが、目的語である(しばしば病床に伏している)人の枕元にいる状態を表しています。

以下、2つの例文です。

Macron au chevet de l'automobile (Le Figaro)

Emmanuel Macron au chevet de la culture (Le Figaro, France 24)

二つの例文では、主語はフランスのマクロン大統領、目的語にはそれぞれ「自動車産業」と「文化」が続いています。

ここでは、au chevet deという表現を使って、マクロン大統領が「病床についている二つの産業の枕元にいる様子」を描写しています。

もちろんこれは比喩で、コロナ禍により大きな損失を被って死に体となっている両業種を救うために、大統領自らが陣頭指揮を取っているということです。実際に、フランス政府が緊急支援策を打ち出しています。

自動車産業については、特に財政難にあえいでいたルノーの一挙一動に注目が集まっています。政府の援助と引き換えに、国内への生産の移転、他社に遅れを取っていたエコカーへの大幅な方針転換などが求められています。

後者の「文化」ついては、演劇や音楽などの芸術分野から文化遺産関連まで多岐に渡ります。こちらに関しては中長期的なダメージが予想されることから、現在も今後の支援策について協議されています。


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