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あなたの子供のスパークはなんですか?

インサイドアウト

2015年にディズニーがインサイド・ヘッドという映画を制作しました。この映画では11歳の少女がアメリカのミネソタからサンフランシスコに両親と共に引っ越しをし、彼女の擬人化した楽しみ・嫌気・悲しみ・恐れ・怒りの感情達と彼女自身が、新しい生活に慣れようと苦労をする物語です。こちらの映画ですが、英語のタイトルは「インサイド・アウト」となっています。インサイド・アウトは内側から外側という意味になりますが、これがまさに教育の鍵であると、発達科学者&心理学者であるピーター・ベンソン氏は言っています。(https://www.youtube.com/watch?v=TqzUHcW58Us&t=781s)

"...what we know in human development is that the best of the development is the inside-out, not the outside in". -Peter Benson 
  
「...人間の発達において、一番最適な発達は外側から内側ではなく、内側から外側からなるものである。」 ピーター・ベンソン

現代の学校教育ではほとんどの授業でアウトサイド (外部から) イン (内部へ)が形式となっています。例えば、歴史の授業では先生が用意した外部的な情報を、どれほど効率的に生徒の頭の中に叩き込むことができるかが大きなポイントになっています。つまり、ここでいうアウトサイドとは子供達自身の内部から湧き上がる興味や関心ではなく、大人が子供達の内部的なニーズを無視し、餌付けをする外部的な情報のことを指します。それでは、インサイド (内部から) アウト (外部へ) な教育とはどういったことを言うのでしょうか?

愛知県出身のスズキノブユキさんには3歳の息子がいました。彼は父親として、3歳の息子におもちゃのバットを買え与えました。特に大した意図を持って買った訳でもないおもちゃのバットを、3歳の息子は夜寝る時も手放しませんでした。スズキノブユキさんはその3歳の息子が、いずれイチローと呼ばれる全世界で有名なプロ野球選手になるとは思ってもいなかったことでしょう。さて、スズキノブユキさんはイチロー選手が野球選手になることを知っていて野球のバットを買え与えたのでしょうか?イチロー選手は自身の父親に野球選手になることを約束させられたのでしょうか?一番大事な問いは、イチロー選手の幼い頃からの野球に対する興味と情熱は、第三者が彼に植え付けた人工的な物でしょうか?

ベンソン氏はこういった子供達の能力、才能、情熱を「スパーク」と呼んでいます。これは先生や家族が見つけるものではなく、子供達が自主的に見つけるものです。スパークは我々に生きる目的や方向性を導き出してくれる尊いものです。もし仮にイチロー選手の両親が、彼のためを思って野球の練習する時間を大幅に制限をし、勉強をに励むことを第一優先としていたら、世界のイチローは生まれていたでしょうか?読者のあなたはスパークはありますか?あったとしたらどんなスパークですか?そして、どんなスパークを幼少期にもっていましたか?これがベンソン氏の指す「インサイド・アウト」の教育の例です。

青少年は敵じゃない

我々は青少年を恐れています。「今頃の若者は何を考えているかわからない」「コミュニケーション能力がない」「話しかけても反応が薄い」こういった考え方は青少年と大人の間に亀裂を作ります。青少年が悪事を犯せば、彼らの欠陥的な部分が数ヶ月もの間、取り上げられ、話題になります。しかし、我々は彼らが持つスパークに関心を持とうとも思いません。エイリアンのように彼らと接するのではなく、彼らの瞳を見つめて、優しい笑顔で彼らに聴くことが大事だと私は信じています。「あなたのスパークはなに?」

"...we move toward the young, rather than away from them". - Peter Benson

「若者と距離を置くのではなく、我々は彼らとの距離を詰めていく。」 ピーター・ベンソン


私のスパーク

私の現在のスパークは青少年育成です。私は来年度に行われる、韮崎市の中学生に対する職場体験プログラムを前任者から引き継ぎ、企画&実施を担当しています。もちろんこれはキャリア教育に触れますが、私が一番大切な思いとして持っているのは、プログラム参加者達が彼ら自身のスパークの探究に踏み出すことです。スパークを持っている、持っていないことが正解なのではなくて、彼らが自己探求の機会が提供されることに重きをおいています。

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