見出し画像

認知科学コーチングとは?(理論解説)

先回の記事ではコーチングを学び始めたきっかけを書きました。

今回は具体的なコーチングの理論について整理してみようと思います。



■認知科学コーチングとは?


日本認知科学会の定義では、「情報処理という観点から、生体(特に人)の知の働きや性質を理解する学問」とあります。ちょっと難しいですねw

私たち人間は日々「情報入力(外部刺激)」→「情報処理(内部モデル)」→「情報出力(行動)」を日々繰り返しています。友人から話を聞いて会話をしたり、本を読んで映像をイメージしたり・・・・してますよね?

その「情報処理(内部モデル)」をする際に、過去の経験や好き嫌い等により、無意識にインプットした情報を評価して取捨選択しているんです。簡単な例だと、コーヒーか紅茶どっちが好きですか?と聞かれたら(インプット)好きな方の映像を思い浮かべ、答え(アウトプット)ますよね。
その評価関数のことを「ビリーフシステム(自我)」と呼びます。ビリーフシステムは、育った環境や経験、家族や所属するコミュニティーの常識等、様々なものから形作られており、一人として同じビリーフシステムを持っている方はいません。

みなさんもこんな経験ありませんか?
・同じ会議に出ていたのに、人によって全く受け止め方が違う
・同じ本や映画を見たのに友人と真逆の受け止めをしている

そこ気にする!?と、
自分の感覚がおかしいのか?と思うことさえありますが、これは人によってビリーフシステムが違うので、当たり前に起こることなんです。
(だから企業では、言葉の定義を合わせたり、共通の価値観を持てるようにビジョンやミッションの共有や研修を通じて、ズレを補正しているとも言えます)そう思えるとちょっと気が楽になりませんか?脳のカラクリからすると、人とズレがあるのが当たり前なんです。

そしてこの『ビリーフシステムが変わることで、「アウトプット」やその結果である「未来」が変わる』と言う脳の仕組みを利用し、クライアントを想像していなかった未来へお連れするのが「認知科学コーチング」です。

■ビリーフシステムを変えるにはどうするか?

では、ビリーフシステムを変えるにはどうするか?
ビリーフシステムは上述の通り、生活の中で無意識に働いています。
無意識で考えていることを簡単に変えられるのか?と言われると、
答えは「No」です
だからこそ、マインドのカラクリを理解したコーチがサポートするのですが、もう少しその理由を言葉の解説とともに説明したいと思います。


■脳の不思議「スコトーマ」と「RAS」について

みなさんも何かに集中している時に、周りの音が聞こえなくなったり、情報が見えなくなった経験はありませんか?
私は携帯で気になる記事を読んでいる時に妻の声が聞こえなくなって、よく怒られます(下図ご参照)こんな目線で見られてると思うとゾッとしますw

この現象も脳のカラクリが関係しています。だから脳のせいなんです(妻には決して言えませんが・・・)。

これは、脳にRAS(Reticular Activating System=網様体賦活系)と言う機能があり「必要な情報だけを人間の意識に上げるフィルター」の役目をしています。「脳のエネルギーは原子力発電所1基分」とも言われていて、そのエネルギーを食べ物で補えるはずもなく、その人にとって重要な情報しか意識に上がらないようにセーブしています。そのRASによって意識に上がらず見えない部分のことを「スコトーマ(盲点)」と言います。上の写真で言うと、相手の声がスコトーマになっています。この距離で相手の声が聞こえないことは絶対ないですよね!?声は聞こえているはずなのに、気づかない。不思議ですよね。

そして、少し世界を広げて考えてみると・・・
毎日見ている光景、聞いている情報の中にも気づいていないことがたくさんあると思いませんか?


そうです、人間は無意識のうちに自分自身のビリーフで重要な情報だけを集めた世界に閉じこもってしまっています。この世界を「コンフォートゾーン」と言います。人間の体温がどんな環境でも一定であるように、人間はコンフォートゾーンに留まろうと脳が無意識にコントロールしています。この無意識により、今と違う生活をした際にすぐに元の生活に戻ってしまう「3日坊主」「ダイエット後のリバウンド」が起こるわけです。

「未来の可能性はスコトーマの中にしかない」

コーチは、『クライアントのビリーフシステムを変えることで、スコトーマに隠れた可能性を引き出すお手伝い』をさせていただきます。


■スコトーマを外す唯一の方法

それが「ゴール設定」です。
「ゴール」は一般的な「目標」とは違い「3つの条件」を満たす必要があります。

①現状の外側であること
②want toであること
③オールライフに設定すること

①現状の外側であること
これが最も重要な概念で、かつ共感傾聴をするコーチングと最も違うポイントになります。

現状とは、今のビリーフシステム、今の社会構造・環境が続いた未来も含みます。例えば、新入社員の時に「この会社の社長になります」と言うのも現状です。「売り上げを昨年比20%アップします」も現状です。「こういうやり方でやればいけそうだな」とか「このルートが可能性が高そうだな」と見えてしまう時点で、「今のビリーフシステムで見ている未来」=「現状」です。現状の外のゴールは「スコトーマの中にある」ため見えません。だからこそコーチとの対話を通じて、現状の外のゴールを一緒に作ります。(共感・傾聴をすることにより今のビリーフシステムを認め、現状のイメージを強めてしまうため、共感・傾聴はしません)

②want toであること
シンプルに「本音でやりたいこと」かどうかです。「家族や友人や上司から止められても、ついやってしまうこと」です。これは必ず誰にでもあります。「思いつかない」と言う人にはもう一回言います。「誰にでも必ずあります」。子供の頃、こんな経験ありませんか?女の子、めっちゃ悪い顔してますよねw

この対比として、「have to(やらなければならない)」がありますが、いかに毎日をhave toで動いていたか、自分自身驚きました。むしろ「仕事はhave toをするもの」とさえ考えていました。でも、「wantt toに生きてみようときめると意外とできるものだな」というが今の感覚です。want toに生きると言っても、法を犯すとかそういうことではありません。want toに行動した結果、「周りに迷惑をかける」と思い込んでいたことが、実はそれほど迷惑をかけなかったり、迷惑かけるどころかプラスに働くことさえあるという気づきもありました。自分の場合の小さな例だと、忙しそうな人に声をかけてみたら、実は行き詰っていて雑談からいいアイデアが生まれたり、自分用に作っていた雑なメモを適当に共有してみたら喜ばれたりと、思わぬいい効果がありました。「変な思い込みを捨て、やりたいようにやってみたら、思わぬ人の役に立った」という感覚です。誰にでも必ず強烈なwant toがあるので、それをどんどん活かせる世界が実現できると素敵だなと心底思います。

③オールライフであること

人間には、「無意識に快適な状態(コンフォートゾーン)に戻ろうとする」という脳のカラクリがあることは先にお伝えをしました。そのカラクリを上手く使って、「ゴールを設定した未来」に脳が無意識に戻るような仕組みを築くことが重要になります。その際にポイントとなるのが「臨場感」です。
仕事を24時間やっている人はいないですよね?
ご飯を食べる、友人と会う、趣味を楽しむ、寝る・・・
だからこそ、仕事だけでなく、オールライフでゴールを設定していくことで、未来の世界への臨場感が高まり、無意識に脳が未来の世界に向けて情報を取集してくれるようになります。


■認知科学のコーチングまとめ

認知科学のコーチングとは何なのか?
「現状の外のゴール設定により、ビリーフシステム(自我)を変える、行動・アウトプットを変えること」です。

そのためにも、コーチングセッションを通じて、以下の価値を提供したいと考えています。

①現状の外のゴールを一緒に設定します
②スコトーマに隠れている一人ひとりの可能性を最大限引き出します
③結果オールライフで人生を豊かなものにする

ただし、コーチングは魔法ではありません。全てがうまくいく「バラの花園」を教えるものでもありません。
でも、

「日々何かに挑戦し続ける人生」

のサポートはできると思っています。自分の可能性を信じ、挑戦し続けることで世の中に価値を提供し、自分自身がオールライフで豊かな人生を過ごすとともに、より良い社会を作っていける人が一人でも増えることを願いコーチングを提供していきます。

もう一つスクールで学ぶ中で出会った好きな言葉があります。

「大人の青春」を満喫する

口にするのは少し恥ずかしいですが、自分自身がコーチングを受ける中で日々実感しているため、書き記しておきます。松下幸之助さんも以下の言葉を残しておられます。

「青春とは心の若さである。希望と信念にあふれ勇気に満ちて、日々新たな活動を続ける限り、青春は永遠にその人のものである」

挑戦しない人生より挑戦する人生を選びたい、青春は終わったと思うよりこれからも一生涯青春し続ける人選を選びたい。そんな在り方を通じて、世の中に価値提供をし続けたいと思っています。

興味のある方はFacebook/Instagram/X等のDMにてご連絡ください。

【コーチングを受けていただきたい方】
・自分の提供する価値によって、世の中を変えていきたいと思っている方
・今も挑戦しているが更に飛躍したいと思っている
・挑戦し続ける人生を望んでいる
・自分にはもっと可能性があると信じている(でも今はモヤモヤしている)
・今の自分から大きく変化することを望んでいる方


【こんな方はお断りしています】
・現状に満足しており、変わるつもりのない方
・ただただ悩みや不安を聞いてほしい方

【セッションの概要】
・時間:60〜90分
・形式:zoomで実施(面着も可)
・セッション料金(体験価格):5,000円


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?