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仕事に関する9つの嘘

  「最も影響力のある経営思想家ベスト50」に選ばれたマーカス・バッキンガムらによる最新の著書「NINE LIES ABOUT WORKS」(サンマーク出版)。組織の生産性を高める上でのセオリーと呼ばれている様々な事柄が実は「誤り」や「勘違い」であることが多く、それを「嘘」と表現して一つ一つを明らかにしています。

  第3章(#ウソ3)『最高の企業は「目標」を連鎖させる』では、上位の目標がチーム、個人へと分割され設定される“ノルマ”はえてして個人の仕事の天井(上限)を決めてしまい、より貢献度の高い目標とは、その人が自発的に設定した目標であるとしています。そして、企業がメンバーに落とし込まなければならないのは「目標」ではなく「目的」であり「意味」である、というのが本章における筆者の主張です。

  筆者によると、リーダーの仕事は、毎年1回の目標設定によって強制的に意思統一を図ることではなく、絶えず「意味」と「物語」を語り続けることによってメンバーが主体的にそれを具現化するための目標を設定する状態、すなわち、意味を共有することによって意思統一がなされた状態を作ることであるといいます。

  そして換言すれば、「目標」を落とし込むことは組織をコントロールするための手法であり、「意味」を落とし込むのは組織の力を解き放つための手法である、というのです。

  「目標はシンプルな方がよい」とはよく言われることですが、それが“管理する側の理屈”であることが改めてよく解ります。シンプルな目標とその進捗を可視化するためのKPIに偏ったコミュニケーションは、時に単純化され過ぎて「意味」を忘れさせてしまいます。よって上位者は意識して「意味」をナラティブに語り続けなければならないと言えます。


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