見出し画像

「全部おススメです!」 「 ・・・ 😔」

   PRESIDENT ONLINEの最新記事から『お客にオススメを聞かれて「全部オススメです」と答える店員が店を潰す 〜セールストーク3要素をおさえよう』。

  問われているのは、店員個人が『自分の好きなもの』を『自分の言葉』で説明できるかどうか、だという記事です。

  飲食店向けコンサルティングを行なう筆者によると、おすすめ商品をおすすめすることに苦手意識を持っている従業員が多いといいます。

  理由は、「おすすめして、もし断られたら……」という恐怖心と、おすすめすることに対する嫌悪感(自分が別のお店に行ったときに押し売りのようにおすすめをされてイヤだったとか、お客さまに押しつけているみたいでイヤだという気持ち)だといいます。

  しかし筆者によると、「おススメは?」と尋ねる客の心理は、次のことに対して確証が欲しいのです。

          損したくない
          だまされたくない
          後悔したくない

  よって、おススメを訊かれたら、「決して損をさせません」「だましません」「絶対に後悔させません」とアピールして、お客さまを安心させればいい、というのが筆者のいう「おススメ」の本質です。すなわち、

      「今日はこんないい魚が入りましたよ」
      「皆さん、この肉料理を召し上がってますよ」
      「こちらのセットは大変お得ですよ」

  などと言うことで、お客さまが素敵な体験ができる、幸せになることを保証するというのです。

  さらに筆者は、「実は、お客さまはお店が思っている以上に、「もう一杯飲みたいな」「もっと食べたいな」と思っているのです。その気持ちにお応えするのが、おすすめなのです。」としています。店舗ではたらく方々に何とも勇気が湧く“金言”なのではないでしょうか。

  筆者が説く「おススメを成功させるためのシンプルな方法」とは、マニュアルや台本ではなく、『個々のスタッフが自分でセールストークを作り出す』というものです。お店が決めた「おすすめ商品」ではなく、各人が心から紹介したいと思ったもののセールストークを作ってもらうというのです。

  試食をして、自分が気に入った商品、お客さまにおすすめしたい商品を決め、次に、「なぜその商品をおすすめしたいのか」の理由を説明する。そのときに出る素直な感想、つまり一消費者としての感想が、そのままその人のセールストークになるというのです。

  筆者のいう『セールストークの3要素』とは、「ポーション」「味の方向性」「シズル感」です。詳しくは記事をご覧いただくとして、大事なことは個々のスタッフが「おススメ」をお勧めできるようになるまでのプロセスにあるのではないでしょうか。

  店(上司)から言われたものを、マニュアル通りの言葉で機械的に説明するのに比べて、自分の体験(試食)をもとに自分で選んだ料理を、自分が考えた言葉で客に勧め、注文をもらう(成果)、という一連のプロセスで発揮される自主性や創造性、独自性は、仕事のやり甲斐を大いに高めるはずです。

  手っ取り早く売上を上げるために、安易に『仕事の単純化』を行いがちですが、それが従業員の主体性や能力を封じ込め、結果的に生産性を落としている、ということはないか、振り返ってみる必要があります。

   

  

  

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?