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人材採用は科学

  Business Journal の新刊JPから。『HRプロファイリング 本当の適性を見極める「人事の科学」』(須古勝志・田路和也著、日本経済新聞出版)の紹介です。

  「せっかくいい“人財”を採用できたのに現場のマネジメントに潰されてしまった」
「プレイヤーとして優秀だった人にマネジメントを任せたらそのチームの成績が落ちてしまった」

  このようなよくある失敗の根本原因は、人材採用を経験と勘頼りで行ない、科学を用いる姿勢がないことにあると筆者は説いています。

    採用に限らず、人事課題を解決する上で、人の判断、つまり定性・主観的な判断だけでは不充分で、定量・客観的な科学的分析データによって人的判断を補うべきだというのが筆者の主張です。
 例えば採用においては「人の内面の測定」と「求める人財要件の明確化」が両輪であるといいます。

  「人の内面の測定」について同書ではヒューマン・コアという考え方を提示しています。ヒューマン・コアとは「性格特性・動機」 のことで、外向性、知的好奇心、変革創造性など人の行動や意思決定の根源的な土台になるものだそうです。

 ヒューマン・コアは意識や心構えといったいわゆるマインドとは別もので、一生を通して容易には変わりにくい本性のようなものだといいます。すなわち、相手の人となりをより正確に把握するために注目すべきはヒューマン・コアの方なのだといいます。

  一方、同書ではヒューマン・コアを把握するだけでは人事はうまく行かないとしています。なぜなら、受け入れる企業側に「こんな人財がフィットする」「こんな人財が活躍する」という自社の基準がないからです。

  ヒューマン・コアは、企業側が自社ならではの「将来活躍する人財像」を把握してはじめて意味を持つもの。ある企業で成功した人が必ずしも次の会社でもうまくいくというわけではない原因は、こういうところにもあるのではないでしょうか。

  そもそも、どんな人材がフィットし、活躍し得るか、というモノサシがないということは、恐らくはミッションも明確に言語化されていないのであり、そうすれば厳密には成功すら測れないのですが、、、


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