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家で里山を再現するのが里庭3「利用の多様性→管理の多様性→環境の多様性→生物の多様性」が里山のカラクリ

里山の生物多様性を守ってきたのは実は私たちでした。

みなさんが知ってる生き物たちが出てきます。

日本の自然って地域や場所によって大きな違いがあると思いますが、ご批判を承知の上で極端な言い方で国内の森や林などの環境を大きく分けると「奥山の自然」と「里山の自然」かも知れません。細かく分類すれさらに深く紹介できるのですが・・・。

奥山と里山の代表的な環境の一つとして尾瀬や箱根などがあると思います。尾瀬の代表するようなミズバショウ群落地や湿原環境。大変デリケートな環境です。踏み込んでしまえば踏圧のダメージは計り知れません。回復するには大変な時間が必要となります。このような自然を私たちの体に例えれば「目」のようなところかも知れません。

では、里山の自然はどうでしょうか。畑や田んぼ。雑木林や竹林、ため池や小川などの環境の集まった環境です。毎年、地域などの皆さんや農家の皆さんが定期的に草刈りなどの作業で環境の保全をすることで守られています。田んぼの畦を歩いても尾瀬の湿地のようなダメージはほとんどありません。それどころか畦植物の多くが踏まれることによって生育場所を広げる生態をもっているものは少なくありません。

一つの例として草野球などをするグランドなどの芝地を見てください。最初は芝がきれいに張られた広場だったのが、次第に芝は消えて気づけばオオバコやシロツメグサだらけになっている。そんな風景を見たことありませんか?彼らは子供達などに踏まれることによって自身の生息地を拡大している植物です。仮に踏まずに放置しておけば彼らは姿を消します。ただし次第に背丈が高いギシギシやスイバ、イタドリなどが幅をきかせるかも知れませんが。

里山の自然を再び私たちの体に例えるとすれば「ほっぺた」のようでしょうか。適度に刺激することで張りが出て良い感じ。ただしタタキ過ぎは禁物ですが。
身近な生き物といえば昆虫ではクワガタ、カブトムシ、ホタル。


ノコギリクワガタ、カナブンゲンジボタル

昔話にも登場するノウサギやタヌキ



神奈川県に暮らすノウサギは「キュウシュウノウサギ」です。
犬の仲間で木登り上手はタヌキだけです。


カエルもメダカも


トウキョウダルマガエルとメダカです。

ここで紹介した動物達の多くが暮らしているのは実は「里山」の自然環境です。奥山に暮らすカモシカやシカは個体数を増やす傾向にありますが、かつて私たちの身近な環境に普通に暮らしていた昔話や童謡に登場するノウサギやキジ、メダカやドジョウなど。里山を生活の場所としていた生き物たちの姿が見られなくなってきています。

水槽のなかで飼育されているメダカやドジョウは見かけます。蛍もどこかのホテルのお庭で見られますが、野外で様々な関わりを持つ動植物の生態系の中で生存している状態はごくごく限られた場所になってしまっています。

里山に暮らすそれぞれの動植物の種を守るためには生息環境を保全して欲しいものです。見守るだけでは里山の環境は維持できません。雑木林の保全は定期的な若返り図る作業によって維持されていることは紹介したとおりです。田んぼも畑も竹林も植林地も同様です。

「生物多様性」よく聞きく言葉です。
里山の生物多様性は最初のサブタイトルでもご紹介したとうり私たちが守ってきました。?そうなの〜?ハイ。
これまで紹介して来たように里山には雑木林、畑、田んぼ、小川や草地があります。雑木林は燃料や腐葉土、シイタケ作りなどに利用。田んぼはお米。小川はため池のお水を田んぼに流すための水路など・・・
つまり、利用するための環境です。利用するためには→それなりの管理をします。
林は林の管理。竹林は竹林の管理。水辺は水辺の管理です。このようにすることで様々な環境が保全されて→環境の多様性が生まれます。トンボの暮らす環境とカブトムシの住む場所は違います。ウサギが暮らす環境とドジョウやてんとう虫が暮らす環境も違います。様々な環境の多様性が里山の生物多様性を支えて来たわけです。
    

利用の多様性→管理の多様性→環境の多様性→生物の多様性


つづく







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