「失敗する権利」という言葉を検索すると、もともとはポーランドの医師であるヤヌシュ・コルチャックが「子供には失敗する権利がある」と提唱したことが発祥のようです。これは子供が失敗から学び、成長していくことを大人が認めなくてはいけない、というものです。

これは本質的には子供だけではなく、大人であっても新しい挑戦をし、その過程で失敗しても良い、その考え方を組織として持っていいものだと私は考えます。人が永遠に学習し成長するためには、失敗は重要な成長の要素でありつづけるべきです。

適切な環境の重要性

ビジネスの世界では、特にマネージャーはチームの若手に「失敗する権利」を与えることが求められます。しかし、これは単に自由に何でも試せという意味ではありません。重要なのは、失敗が許容され、かつ学習につながる環境を作ることです。

「失敗する権利」は、適切な環境の中でのみ有効に機能します。失敗を許容する場合、その失敗はサービスや事業に致命的な影響を与えない範囲でなければなりません。安全な環境での失敗をすることで、リスクをコントロールしながら学習と成長の機会を創出します。これはマネージャーでしかできないことです。

マイクロマネジメントは失敗を許さない

チームが失敗できる環境を整えているのであれば、マネージャーは「失敗する権利」を剥奪してはなりません。特にマイクロマネジメントを避けるべきです。マイクロマネジメントのような細かすぎる指示は、メンバーから「失敗する権利」を奪い、自主的な思考や成長の機会を制限し、非常に狭い条件での再現性しか担保できない状態を作り出してしまいます

振り返りと成長の義務

また、「失敗する権利」は「振り返りをする義務」と「成長する義務」とセットで考えるべきです。単に失敗するだけでなく、その経験から学び、改善する努力が求められます。
(これは私のオリジナルの考えでしたが、本田宗一郎も全く同じ言葉を残しています)

人間は失敗する権利をもっている
しかし失敗には反省という義務がついてくる

本田宗一郎

まとめ

チームメンバーをチャレンジさせ、時には失敗させることは価値がありますが、そのためには様々な条件が必要です。適切なサポート、リスクの管理、そして失敗からの学習の機会が不可欠です。これらを通じて、個人もチームも成長し、最終的にはより強力な組織になるのです。

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