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今日は、普段とは異なるアプローチでチームプレイとチームワークについて考えてみたいと思います。

ある有名なネットミーム

我々の間には、チームプレーなどという都合のよい言い訳は存在せん。
あるとすればスタンドプレーから生じる、チームワークだけだ。

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX、第5話「マネキドリは謡う DECOY」より

チームワークのことを論ずるときに、このネットミーム化された言葉が引用されるのよく見るのですが、深く考えずに「ウンウン、うん?」と思うことが多かったので、少し深く考えてみることにしました。

言葉の意味を探る

ここで注目すべき言葉として「チームプレー」「スタンドプレー」「チームワーク」があります。それぞれの言葉の意味を探ってみます。

チームプレー
個人の成績よりも、チームの勝利や仕事の円滑化を優先させた共同プレー。
スタンドプレー
1. スポーツなどで、観衆の拍手喝采(かっさい)をねらってする、はでなプレー。
2. 自分を強く印象づけるための、目立つ行為。
チームワーク
1 チームを組んで行う共同作業、共同動作。団体行動。
2 チームの成員が協力して行動するための、チーム内の団結や連係。また、そのような協力態勢。「—に欠ける」

デジタル大辞泉(小学館)より

スタンドプレーの意味は若干文脈に合わないのですが、チームマネジメント的な文脈に合わせて下記のように整理しました。

チームプレー
チームが向かう目標に対して、個人がそれぞれの役割を遂行する行動。

スタンドプレー
個人が成果を出すために意識的に行う行為。

チームワーク
チームが向かう目標に対し、個人が協力して協力し、行動する状態。

これで少し整理できたように思います。

チームプレーとチームワークの違い

チームプレーの「チームが向かう目標に対して、個人がそれぞれの役割を遂行する行動」は、まずチーム全体が目標に向かって特定の行動を設計し、個人がその役割を適切に演じます。これは、例えば野球の守備ような、ある程度状況に応じた次の行動が決まるものであったり、音楽で言えばオーケストラのようなものに近いのではないかと思います。

一方、チームワークの「チームが向かう目標に対し、個人が協力して協力し、行動する状態」は、まず個人がチーム目標に対して目標達成を目指し、その上で相互に連携すること、と捉えられます。これは、例えば常に状況が変化する中でプレーするサッカーや、ジャズの即興演奏のようなものに近いと考えられます。

チームワークは高い個の力ありき

仕事でのチームワークを考えると、そこには「スタンドプレー=高い個の力」が必要になります。

最初に高い個人のプロフェッショナル性があり、同じ目標に向けてチームの役割を担う上で、いかに己の力をチームメンバーと連携して価値あるものに高められるか、自分の力の発揮を100%から200%にできるか、チームのちからの総和を相乗に変えられるか、がチームワークではないでしょうか。

まとめ:それでもまずはチームプレイ

しかし、ほとんどの組織はそこまで強い個人を集めることはできません。チームの中には熟練者もいればこれから成長していくものもおり、様々なスキルレベルのメンバーが存在します。そのなかで高いチームワークを発揮しろ、というのはいささか難しい注文です。

高いチームワークを期待する前に、まずは一貫したパフォーマンスを出せるチームプレイをメンバーに徹底させることが重要でしょう。

マネージャーが意識すべきは「想定される状況下では常に一定のパフォーマンスが出せるチームプレイをメンバーには徹底」しつつ、個の力を強める育成を行いながら「臨機応変に対応できる、強い組織を作っていく」ことではないでしょうか。

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