マネジメントにおけるエンパシーの力

はじめに

現代のエンジニアリング組織においては、技術も当然重要ですが、人と人とのつながりも極めて重要です。

メンバーの一人ひとりが抱える課題をマネージャーが深く洞察し、理解、サポートすることは、生産性の向上、イノベーションの促進、そして職場環境の改善に直結します。

これを進めるためにマネージャーが持つべき重要な能力として、「エンパシー」があります。

エンジニアリング組織とエンパシー

組織が抱える課題、メンバーが抱える課題それぞれを理解するには、それぞれの人間性にも目を向ける必要がありますが、エンジニア組織は、それに加えて技術的な焦点を当てることも必要です。チームの課題を理解するために、メンバーの技術的背景やミッション、メンバー自身の実力を把握し、その上でメンバーの背景、価値観、感情を理解し、現状の問題や、本人はそれに対してどう感じているかを理解し共感することが重要です。

この共感を「エンパシー」と呼びます。

エンパシーを活用すると、理解した上で適切なサポートを提供することに繋がります。エンジニアリングマネージャーがこの能力を持つことは、チーム内のコミュニケーションを促進し、個々のメンバーが直面する困難に対して、より敏感になることを可能にします。

エンパシーを育むためのステップ

自己投影と理解

エンパシーを持ってメンバーの課題を把握するには、まず自分を相手の立場に置いて考えることから始めます。それは、彼らの技術力、環境からどのような状況にいるのか、どんなミッションやタスクを抱え、どれだけの能力を持っているかを理解し、その上で彼らがどのように感じているかを想像することです。

コミュニケーションの確認

得られたインサイトを、個別の1on1のミーティングで確認します。これは、自分のエンパシーが正確であるかを検証するため、そしてメンバーが自分自身についてより深く、そしてオープンに語る機会を提供するためです。

適切なサポート

エンパシーに基づいた理解が正しいと判断できたら、マネージャーはメンバーの個人的な事情やストレス要因を理解し、それに応じた適切なサポートを検討します。これは、仕事の負荷を調整することから、技術的なトレーニングやメンタリングの機会を提供することまで、さまざまな形をとることとなります。

これらは、定期的なチェックインを実施することで、メンバーの気持ちやプロジェクトに対する考えを都度確認し、最適なタイミングでサポート出来るようにすべきです。

まとめ

エンジニアリングマネージャーにとってのエンパシーは、技術力や感情の共有以上のものです。それは、チームの課題を明確に理解し、それに対処するための行動を導くための、重要なスキルです。エンパシーを通じてチームメンバーの個々のニーズに応えることで、マネージャーはより包括的で生産的な職場環境を育むことができるでしょう。

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