マネージャーの所作:新任マネージャーの成功ガイド
以前「入社3ヶ月の焦り」というタイトルで、新卒・中途に限らず陥りがちな状況とその対応も含めて紹介しました。
この内容は、マネージャー職に就任したタイミングでも起きると考えられます。周囲から信頼を勝ち得られるか、チームの運用が適切にできるか、そして自分のチームをどのようにしたいのかをチームに語ることが出来るか。マネージャーになってから活躍できるかは、実は最初の3ヶ月でほぼ決まってしまいます。
マネージャーの能力の発揮順位
マネージャーになって最初の1ヶ月に行わなければいけないことは、リーダーシップの発揮でも、マネジメント能力の発露でもなく、チームの信頼を勝ち得ることに他なりません。チームのメンバーがあなたをリーダーと認めるか、信頼関係を構築することが出来るかが、最初の1ヶ月のかかっています。
これは所謂「フォロワーシップの獲得」と言い換えることもできるでしょう。チームのメンバーは一方通行のマネジメントやリーダーシップに従って成果を上げるのではなく、自らリーダーのサポートをすることで、チームが大きな成果を獲得することを期待します。そのためにはメンバーの自発的な行動を促すような状況を作り出す必要があり、このため、マネージャは最初の1ヶ月はフォロワーシップの獲得に費やすべきです。
マネージャーとしての振る舞い
今日の記事のタイトルを「マネージャーの所作」としたのは、最初の1ヶ月は成果やプロセスよりも、振る舞いを期にしたほうが良い、ということを説明することをこの記事の目的としているためです。では、具体的にマネージャーの所作として身につけるべきものにはどのようなものがあるでしょうか?
1. メンバーに真摯に向き合う
マネージャー1ヶ月目はやることが多く、そのような中でメンバーと向き合う時間を疎かにしてしまうかもしれません。しかし、最初だからこそメンバーと向き合う時間を大切にし、どのような軽い相談事でも真摯に向き合うようにしましょう。「マネージャーは話を聞いてくれる人」という理解を得られない限り、今後のマネジメントは大変厳しいものになります。
2. どんな小さな約束でも守る
本当に当たり前のことですが、メンバーと交わした約束はどれほど小さいものでも、期限までに達成しなければなりません。これは本来、マネージャーであり続ける限り守らなければいけませんが、最初の1ヶ月ですら約束が守られない状況があると、その後の信頼獲得はかなり難しいものとなります。
3. とにかく感謝をあらわす
これも本当に当たり前で、メンバーが達成した仕事には多少大げさでも感謝の気持ちを伝えるするようにしましょう。多くの場合、着任直後のマネージャーにメンバーがサポートすべきタスクは、メンバー自身のタスクではありません。感謝が当たり前になればなるほど、チームメンバーはマネージャーを助けるのが常、と思うようになり、フォロワーシップは高まるでしょう。
4. 褒めるときはオープンに、悪いフィードバックはクローズドに
人間は感情の生き物であり、そして感情は伝搬する、ということを良く心に留めましょう。良い感情も悪い感情もチームに「共有する」ことでその効果は拡大します。チームの雰囲気を絶えずコントロールし、もしフィードバックするのであれば「当人の行動を変化させる」ことにのみフォーカスを当てましょう。
まとめ:リーダーシップの発露は一番最後
マネージャー職に就任した直後は、大きな責任を感じて「いまのチームの課題をまとめよう」「チームをしっかり引っ張ろう」「チームで成果を挙げよう」と考えてしまいがちですが、着任そうそう気張ってしまうと、メンバーの感情がついてこられず、多くの場合失敗してしまいます。最初の1ヶ月はとにかく信頼を得る振る舞いを徹底することが、長くマネジメントを続けていく上での最初の一歩ではないでしょうか。
信頼については別の記事も参照ください。