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上海ロックダウン中に出会った犬の話

上海でマンション閉鎖で
隔離生活中に起きた出来事

僕の住むマンションはコロナにより封鎖
2度封鎖され1度目が解除された時
一匹の子犬がやって来た

僕は1度隔離後 会社に行けず
家でリモート仕事に切り替わる
そんな中

僕には全く内緒で
娘と妻の劉さんが犬を買ったらしく
当日、僕に驚かそうとして内緒にしていた

朝起きたら、今日犬がやって来る!
いきなり宣言される
はいはい!朝から冗談言わないでって
真剣に話聞いてなかった僕

そして夜

劉さんと娘は今か今かと待ってる
まだ言ってるの?と 信じなの?っていうので
普通 相談してから飼うもんでしょ?
早く嘘って言え!おまえら!(笑)
って会話してる時に
ピンポーンってなり玄関を開けると
配達で犬のエサとか柵やら届いた

マジで犬買ったの?って
ここで本気になった僕
冗談じゃなかったの?
早く組み立てて!と言われ
柵を作りながら本当に犬来るの?と
しつこく何度も聞く僕は
まだ信じれない・・・

柵まで買って嘘つくと思う!と言われ
君たちなら しそうだから・・・(笑)
早く言え!
今なら怒らないから(笑)ホラホラ・・・

そんな時に電話がなり犬がやって来た!

僕は本当に驚く
マジなの!(笑)

で家に来た子犬はビーグル犬で
めちゃくちゃ可愛いオスの子犬

でも家に来てから元気がなく
ご飯を食べたけど直ぐに吐いて様子が変
長旅で疲れ緊張してるかなと思ったし
さほど気にしてなかった

翌日、劉さんは出張で南京へ行った
僕と娘で犬の世話

名前はもう決めてるらしく
ルドルフ という名前だと娘は言う
呼びにくくない??っていいながら
ルドルフって言うので
僕もルドルフって
下を噛みながら呼ぶことになる

そんな可愛いルドルフだけど
今朝もまた吐いたりして調子が悪い
何か元気ないね~
昼間も何度か吐いた

どうも気になる
どうしていいか分からない

翌日
さらに悪くなる印象
劉さんが戻るのは明日だから
昼間に近所のペットショップにいき
診てもらったら余命が短いと宣告された
子犬特有の伝染病にかかってるらしい

娘はママに電話で伝える
とりあえず様子を見ようとなった
僕は知識がなかったので
短命と聞いて1年、2年の事を
言ってるのかと思っていた

劉さんは
買ったペットショップに連絡し
病気を持った犬を送ってきてると
言い合いになったらしく結果
間違えた可能性あるので今から
直ぐに送り直しますと!
で間違えた犬は返却しなくていいですと
話になったらしい

僕は間違えた??どういう事??
どうするの?? この病気のルドルフは・・・
色々謎だけど詳しく解らないので
明日、劉さんが戻ってから詳しく聞くか!
となる

ご飯少し食べたけど吐いた
胃液も吐く そしてグッタリしてる

僕は仕事が忙しく昼間は寝てるルドルフを
遠目で見ながら過ごす

夕方に娘が様子を見にルドルフを
撫でていた

少ししたら娘が
「パパ ルドルフ 私の手の上で死んだ」
って言った

えっ!ウソでしょ!と聞き返す

今 最後の息したよ・・・
僕は駆け寄り
寝てるんでしょ!と言ったけど
触っても動かない
そんな直ぐに死ぬ?って僕も驚く

ルドルフは今、娘の手の中で息を引き取った


直ぐにママに電話して事情を伝えた

僕と娘も動揺してるけど どこか冷静だった

とえりあえず小さな箱を探し
ルドルフを入れようと考え
柵の中にある汚物を掃除したり
汚れた部屋を整理していた

ルドルフの為に買った布団で
巻いてあげ小さな箱に寝かし
オモチャも入れて蓋を閉じた

娘がママに電話し相談

ママなんて?って聞くと
二人でマンションの庭に埋めてー!と

僕は えっ――!本気?
ペット葬儀屋とか呼ぶんじゃないの?

直ぐに劉さんに電話!
今、南京で会食中でしょ!
後にしてよ!って・・・
それは分かるけど こっちも急ぎだし!
でどういう事?って聞くと

1度コロナで封鎖された危険なエリアには
葬儀屋来れないから
自分たちで何とかして!って

だから呼べない! 
早く二人で埋めてきて!
そしてお墓つくってあげてよ!

電話がガチャッ!て切れる
ツーツーツー

マジか!

で娘にどうする?
でもどうやって穴掘るの?スコップとかないよ

しかも見つかれば不法投棄で問題でしょ
などなど頭をよぎる・・・

でもこのまま家に
置いておくわけにも・・・・

娘がママにまた電話してる
電話が終わり

とりあえず1時間後に来るから待ってて!
と娘に言われ僕は
あっそう何とかペット葬儀屋に交渉して 
じゃ1時間後に引き取りに来てくれるのね?
と安心し お金いくらかなと考え待っていた

夜の7時
ちょうど1時間後にピンポーン!
最後のお別れだね
という気持ちで玄関を開けると
宅配お兄さんが荷物を渡してきた

あれ?何か注文した?
って聞いたけど娘も さあ~
で荷物をみたら

折り畳みの小さな スコップ!

マジか!あいつ!南京から何注文してんだよ(笑)

僕は直ぐに劉さんに電話して
おい!スコップ届いたよ!って言うと

早く埋めてお墓つくってあげて!
後は考えて! ガチャツ!
ツーツーツーって電話切れる
(昔の電話じゃないけど)

小さなスコップを持ち娘にどうする?
って一応聞きつつ
とりあえず穴掘りにいくか!となった

もう捕まっても知らないよ!

そしてルドルフの入った箱を持ち
マンションの下に行き引っ越してから
今まで1度も行った事のない裏の木が生い茂る
林みたいな中をウロウロしにいく

そして、敷地に こんな庭あったの?
と初めて知り誰も近寄らないような場所
野良猫や野良犬が住んでそうな
雑草と木が生い茂り手入れしてない庭
ちょうどいい場所かなと
その一角で30分以上穴を掘り
箱を埋めて土をかぶせ石を乗せて
墓を作って不法投棄・・・いや丁寧に埋葬した

最後、僕らの家で2日しか遊べなかったけど
家に来てくれてありがとう!
さよならルドルフと手を合わせた

そして翌日、劉さんが戻り3人で
部屋中を消毒し、子犬の為に買った
小物は全て処分し菌を残さないようにした
コロナより気を使うわ


そして劉さんに墓を見せようと
場所を案内しに行くと
オジサンが墓の横で太極拳してた(笑)
オジサン 踏むなよ!って思いながら
遠目で手を合わす

僕は、劉さんに ぼやく!
スコップが届いた時は倒れそうになったわ(笑)
しかも注文後1時間で荷物届くって 
どんだけ早いの?

中国の物流なめないで!とドヤ顔する劉さん(笑)

でもルドルフは最後
娘が来るのを待って死んだんだね
とルドルフの優しさを感じた
今思い出しても
可愛かったんだよなルドルフの歩く姿が
まさか2日でこんな事になるとはね・・・

時刻は夜の11時
電話がなり僕らは下に行く
本来届くはずの犬がやって来た

そしてルドルフと見た目も 
そっくりで瓜二つの可愛い子犬が
また やってきた

デジャブ―なんだけど(笑)
最近デジャブ―よく見る~

新しい子犬は元気で吠える
四川しせんから車で2日かけ上海まできた
大移動してるの漢民族だけじゃなかった(笑)

四川しせん?そんな遠くから来たの
で名前はどうする?

劉さんは迷ってる
娘はオリーブにすると叫ぶ

四川しせんと言えば陳麻婆豆腐ちんまーぼーどうふ
(陳さんが発明した料理)
陳君でいいんじゃないオスだし?と僕
なんなら陳健一でもいいけどとボケたけど
(僕のけんいち と中華の鉄人もかけた)
でもこの名前 中国人に通じなかった(笑)
本場では無名だった説(笑)


僕は陳君と呼んで
娘はオリーブと呼んで
劉さんはルドルフって間違えて呼ぶ

いやいや・・・
僕が犬なら ややこしいから(笑)
名前は一つにしないと!
という事で名前は
陳オリーブ・ルドルフを提案したけど却下

オリーブ!となる
僕もついつい ルドルフと呼んだり
陳君とよんだり オリーブと読んだり
もうグチャグチャだ(笑)

でようやくオリーブ!が定着してきたけど
劉さんの両親とTV電話してたら
画面の向こうから大きな声で両親は 
ビビビビ!って呼んでた(昔買ってた犬の名)

いやいやもう名前だけでも この国はカオス

そして翌日
2回目のマンション閉鎖が確定
オリーブはギリギリ隔離前に
やって来た事になり1日来るのが遅れたら
上海に入れず出会えていない

これはルドルフがつなげてくれた縁
そしてルドルフの生まれ変わりに
僕は思えてならない
じゃ名前ダライラマにするか(笑)

なんか不思議な縁を感じた
2匹のルドルフとの
出会いと別れと出会いだった

陳オリーブ・ルドルフになりかけたオリーブ

隔離生活だから犬と遊ぶ時間がふえてる
ロックダウンして一番得してるのは
オリーブだな(笑)

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