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AIで希望通りのイラストを生成する

AIで「希望するスタイルのイラスト」を生成します。

Adobe Firefly上にてテキストから画像生成する場合(1)と、Illustrator上の新機能にてテキストからベクターデータを生成する場合(2)で、比較検証してみます。(※実務活用を想定した検証です)

1:Adobe Firefly Image 2 Model
2:Adobe Firefly Vector Model




生成するイラストの共通設定

<プロンプト>
男性と女性のデザイナーが会社の机で一緒に仕事をしている様子を生成してください。ジーンズなどのカジュアルな服装。近くに男性の上司が立っていて2人に話かけている。

イラストスタイルは以下の2点を活用し参照画像として読み込ませます。イラストは以前私が制作したものです。


1. Adobe Firefly Image 2 Model

テキストから画像生成

まず、Adobe Firefly上でプロンプトをテキスト入力することで「画像イラスト」を生成します。生成されたイラストがこちら。

こちらを選びました
その他バリエーション
もう一方のイラストを読み込ませたもの

目の辺りが歪んでいたり、男女比率が指示と異なっていますが、全体的な仕上がりは悪くないと感じます。

最も気になるのは「イラストスタイルの反映」度合いです。私が希望していたスタイルと差があります。

そしてこちらはベクターデータではなく「1枚画像」であるため、生成後に加工・微調整を施すことが困難です。


他のバリエーションも試してみました。

夜のイメージです
用意されたギャラリーから選択したスタイル
こちらも既存スタイル(すごい…)


2. Adobe Firefly Vector Model

テキストからベクター生成

次に、Illustrator上でプロンプトをテキスト入力することで「ベクターイラスト」を生成します。生成されたイラストがこちら。

プロンプトの再現度が低い
その他バリエーション
ベクターである点は素晴らしい

1と比べると、希望するスタイルとの差分がさらに大きくなりました。

これらのベクターイラストは「Adobeが所有しているベクターデータのみを基にして生成されている」と推測します。つまり2の場合、参照元のデータ量が狭まっている事が起因して差分を生んでいるのではないでしょうか。

1は画像として書き出せば良いため、Adobe Stockの写真データの構図を参照しながらイラストスタイルを適合することが可能なのではないかと考えます(あくまで個人的な推測です)

しかしながら、ベクターである利点は大きいです。詳細の加工や、色の部分的微調整が後工程にて可能です。


3. Vector Model - プロンプトの簡素化

2についてもう少し探索してみます。これまで「シーンイラスト」としてベクター生成を試みていましたが「単体イラスト」だとどうでしょうか。

<プロンプト>
座ってコーヒーを飲んでいるカジュアルな服装の女性

イラストスタイルは同様のものを活用し参照画像として読み込ませます。男性の横に、女性のイラストを生成してみます。

右側にイラストを生成する
単体のイラストとしては素敵です
かわいいですね

イラスト単体としての精度は上がったように思います。しかし「イラストスタイルの反映」は、ほぼ無視されている印象を受けます。

私が希望するスタイル(左の男性)と、同様のスタイルで女性を生成することは難しいようです。


4. 探索による気付き

AIで「希望するスタイルのイラスト」を生成する方法を探索しました。プロンプト通りにイラストが生成されるだけで素晴らしい事です。しかし、実務として活用するためには「スタイルの反映」が必須です。

デザイナーの場合「こういうスタイルにしたい」という明確且つ詳細な意思とゴール設定があります。生成AIの入口に立つ際には、既に最終アウトプットが見えている状態です。

今後、機能はアップデートされていくと思います。いずれ、デザイナーが制作した独自イラストのスタイルを完璧に継承し、高品質なバリエーションを量産してくれる。それは、大幅な工数削減も可能にするでしょう。


まとめ

今回の記事を書くにあたって多くの生成AI関連記事を読ませていただきました。非常に興味深いものばかりでした。

私も「AIを使いこなす側」になるべきだと感じると同時に、クリエイターとして「オリジナリティへの誇りと敬意」を大切にしようと胸に刻みました。

今後もプロフェッショナルとして、オリジナリティというゴールをAIに提示していきながら、技術革新と伴走していきたいと思います。


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