デザイン制作のSLAでタスクをマネジメントする
SLAの考え方をデザインタスクマネジメントに活用していく話を書き留めたいと思います。
1. デザイン組織の課題
弊社では「design依頼」というチャンネルを設けており、他部署からの制作依頼を受けます。社内外のあらゆるアウトプットの品質管理を継続的に行い、デザインにおけるブランドイメージ向上と担保を遂行しています。
また、リードタイムを基本「5営業日」と定めています。これはデザイナーの意向によるものが強く「できるだけ早く対応し渡してあげたい」「早く対応することによって次回も依頼してきてほしい」というような想いが込められています。
2. 期待値を調整する
しかしながら従業員数が800名を超えてきた現在では、依頼数が60件/月以上になることもあり、上記リードタイムでの運用は次第に厳しさを増し、一人ひとりのタスク状況把握・管理・棚卸しが必要になってきました。
そこで、デザイナーと依頼者間における「デザイン制作における期待値」を調整するSLAを明確に整理し共有すべきだと考えました。
小規模案件については「7営業日以内で対応する」という保証に変更予定です。勿論、急ぎで対応しなければならない案件もありますので、その場合相談を受けながら優先度を上げて対応することとします。(優先度ごとの対応日数は敢えて設けていません)
3. SLA共有のメリット
担当範囲が明確になる
制作内容と範囲を共有することによって、デザイナーと依頼者の「期待値の擦り合わせ」を事前に行うことが可能になります。
保証納期からの逆算依頼
設定された納期から逆算し依頼をすることになるため、SLAを事前に共有しておくことで依頼者へ早めの行動を促すことが可能になります。
デザイナーができることの認知
依頼者はデザイナーのことを当然知らないため、デザイナーが何を得意とし、何を依頼されると困るのかを共有することが大切です。
4. 時間よりタイミングが大切
このテーマに関連して大切にしたいのが「時間とタイミング」の話です。北野唯我さんのある著書で見つけた内容を参考にします。
A:「制作に5日かかります」と伝え「5日目で納品する」
B:「制作に7日かかります」と伝え「5日目で納品する」
書籍とは少し考えが異なりますが、当然Bのほうが早く対応してもらえたという印象を与えます。つまり、依頼者からすれば「制作時間」は見えておらず、「提出タイミング」のみが見えている、という点を意識します。
5. プロジェクトリードの重要性
中規模、大規模案件については特にデザイナーの「プロジェクトリード」が必要になってくると思います。
デザインの提供価値をSLAで共有することは最低限満たしている必要がありつつも、不確実性が高く随時情報が変わっていくプロジェクトにおいては「変化をリードする」ことがデザイナーの動きを滑らかにします。
まとめ
SLAは常にアップデートしていくものだと思いますので、運用してみるなかで課題を見つけ随時改善していきたいです。
組織のなかで働くこととはどのようなことでしょうか。業務に限らずまずは「お互いを知ること」「期待値を擦り合わせること」を大切にしながら、プロジェクトを遂行していきたいと思います。
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