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あなたは「言葉」を本当に理解して使っていますか?

日本に住む日本人が日本語を話せるのは、特殊な事例を除いたらほぼ当たり前のこと。

様々な日本語言葉を自由に使いこなし、日々の生活を困ることなく過ごしている。

生活に密着した言葉から、専門的な用語まで、自分自身が普段使う言葉については何も意識することなく自然に生まれてくる。

親から聞いた言葉を自然に処理して覚え、学校や社会でさらに学んで言葉を使いこなすようになる。

そしてそれぞれが自分が暮らす環境ごとに整えられた思考・言語セットが形成されている。

そのことに対して、疑問を持つことはほとんどないに違いない。

だが、実はそんなところにこそ誰も気が付かない落とし穴があったりする。

というのも、普段使っている言葉の「厳密な定義」からすると、本当に宿す意味とは程遠い言葉が用いられていることもあるからだ。

普段から当たり前に使っている言葉が、実は適切ではなく間違っている状態で使われ続けていることもある。

つまり本当の言葉の意味を理解できていないということになってしまう。










本当に自分自身はその言葉そのものの意味を理解して使っているのか。

実は簡単に確認する方法がある。

それは、「似たような意味をあらわした言葉の違いを比較する」ということ。


例えば以下の言葉について、違いを自分のことばで明確に説明できるだろうか。

・熱いと暑い

・宿命と運命

・怖いと恐い

・丸いと円い

・文書と文章

・主義と思想

これらをすべて調べることなく明確に説明できる、ニュアンス含めて対応可能であれば、とても素晴らしいこと。

でも、多くの人がそもそもこの違いについて気にせずになんとなく使っていることが多いように感じる。

文章に表すときはもちろん、言葉で話すときにどちらでも問題ないとして使ってしまうことがあるかもしれない。


他にも海外から入ってきた、それっぽい言葉についても同じことが言える。

この言葉や、会社で使うとエリートのように感じが、いざ扱ってみると実はあやふやなものが多いかもしれない。

例えば以下の言葉の違いは何なのか。

・リーダーとリーダーシップ

・レジリエントとフレキシブル

・グループとチーム

・ハピネスとウェルビーイング

・モチベーションとエンゲージメント

・マネジメントとコントロール


これらをすべて自分の言葉で説明出来て、普段からしっかりと使い分けているのだろうか。

そしてもし回答に困ること、ふわふわとなんとなく使っている状態では、的確に言葉を使いこなせているとは言えない。

ある意味、言葉を理解しているふりをして、実は全く理解できていないというものもあったりするのかもしれない。

もちろん意味を明確にするために検索をしたり、AIに説明を求めてしまえばその差は明確になる。

ただ、何も調べずにそれっぽく自分の解釈でそのままにしてしまうと、言葉の使いこなしという面では未熟な状態でとどまってしまう。

そもそもここまで細かく厳密性を求められる場面は、物書きや厳密な文章発信者など、よほどでない限りとても少ないはずだから、人によってはあまり気にしなくてもいいかもしれない。

ただ、分かっている・分かっていないの差はとても大きいのは間違いない。









言葉の意味を本当に理解すること、それは違いを人に説明できるほど理解すること。

いつでもどこでも、場面にふさわしい言葉を適切に使いこなすことが出来る人は、あまり多くないかもしれない。

もちろん厳密に使い分けることが出来ないからといって、いきなり問題が起きたり大変なことになることは少ない。

ただ、使えないことによって、本来なら見ることが出来る違いそのものを感じないことになるかもしれない。

というのも、言葉そのものがその人の世界を形成しているのだから。

その人にとっての言葉を通して、世界を切り取って理解している。

違う意味で用いられるはずのことばでも同じものとみなしている場合は、その2つを分離できていない世界にいるという事。

同じものを見ていても、ある人には見えて、ある人には見えない。

そういうことがあることを考えると、言葉をしっかりと理解して使えるようになることは、人生の幅を広げることにつながる。

そして見えないものが見えるようになるのは、とても面白いこと。

より深く厳密に言葉を理解すること、言葉の違いが分かること、いつも以上に意識してやってみてもいいかもしれない。

日本語話者として、言葉をより自由に使いこなすために。











ありがとうございました。

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