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エントロピーという「乱雑さの指標」を応用して考えると

エントロピーという言葉、聞いたことや使った事はあるだろうか。

人によっては物理の熱力学を習った時に、少し触れる言葉かもしれない。

ただ、言葉そのものが意味するところを簡単にいってしまうと、「乱雑さ」の指標として機能していることが多い。

秩序の中にあるものをエントロピーが低く、ごちゃごちゃなものはエントロピーが高いというもの。

イメージとしては、整理された部屋はエントロピーが低く、子供が散らかした部屋はエントロピーが高い。

そして、自然現象として、系の中全体としてはすべてのものはエントロピーが高くなる方向に自動で動いていく。

綺麗な部屋でも、時間の経過とともに秩序が乱れてくる。

ふとした時に風が吹いて物が倒れたり、地震で少し揺れて倒れたり、時間とともに木が腐って崩れたり。

そして部屋は誰も触れなければ勝手に片付く事はないし、ごちゃごちゃな部屋はそのまんま。

エンロトピーを低くする状態、つまり秩序だった状態にするには、他の何かがエントロピーが高くなることが必要。

子供が散らかした部屋が片付くのは、親がものを戻すということにエネルギーを使っていることであり、そのエネルギーの源は食事などで消化によって系全体としてはエントロピーを高くする活動になる。

このように、すべてのものは全体で見るとエントロピーが徐々に高くなっていく活動に他ならない。




エントロピーの考え方は、マクロからミクロまで世の中のあちこちで見られる。

赤色と青色の絵の具について、一度混ぜて紫色にしてしまうと、簡単には分離前の元の状態には戻らない。

パズルやプラモデルを作るのは時間がかかるが、バラバラにしたり猫が落として壊してしまうのは一瞬であり、放置すれば元に戻るわけではない。

リサイクルにおいて、少しでも混ぜ物が含まれてしまうエントロピーが高い状態だと、全く同じ性能を持つエントロピーの低い純物質より性能が落ちる。

街が何年もかけて秩序を持って作り上げられていくのに、戦争によって壊されるのは一瞬であり、放置しても自然に元に戻る事はない。

林業の方々が活動しなければ、山は様々な木々が秩序なく乱立してジャングル状態になる。

食事において、食事前の秩序だった食べ物が排出される時にはこなごなになっていて、それを簡単に元の姿に戻す事は出来ない。

秩序だった庭園も、毎日のメンテナンスがなければ、いずれ崩れていってしまう。

このように色々と観察してみると、様々な場面で乱雑さ、エントロピーの考え方が世の中に現れている。





現在の世の中はエントロピーが高い状態を低くするために、様々な物事が動いている。

主には乱雑で無秩序なグローバルというエントロピーが高い状態を、低める方向にするために物事が動いていく。

そしてエントロピーを下げるためには、エネルギーが必要。

そのエネルギーが昨今起きている諸々の出来事と仕組みの数々。

物事を秩序だった形に戻すために、様々な人が努力している。

その一連の流れで、時には消えていく人もいるのだろう。

とはいえ、それ以上に秩序を放置して、エントロピーを高くしてしまうわけにはいかない。

そうしなければ、今まで以上の問題や混乱が起きて、取り返しのつかなくなってしまうのが目に見えている。

そうならないために物理法則に従ったまでのことをしているにすぎないのかもしれない。

あくまでも、人間の活動全体として、ごちゃごちゃになってしまった秩序をしっかりと元に戻すこと。

エントロピーを下げる方向に意図的に持っていこうとしなければならないと考えている人が数多く活動をしている。

その流れに逆らわないように、自然であることを目指すこと。

より秩序のある状態にするために、何が世の中でなされているのか。

エントロピーという考え方で世の中の事象を見てみると、これはこれで面白いかもしれない。




ありがとうございました。

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