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資本主義マーケター vs デフレマインドミニマリスト

デフレ不況が長年続いていた日本。

その間に多くの日本人のマインドに刻まれたものがある。

節約をしろ。

1円でも安いものを選べ。

必要ないもの、無駄なお金を使うな。

もしかしたらその前からこのことは強く刻まれていたものかもしれない。

その結果、不況でモノがただでさえ売れない中、ますます物の売れなさに拍車がかかった。

その結果モノの値段はどこまでも下がり、待っていれば品物はほとんどお金をかけずに手に入れることが出来た。

現金が最強であり、投資をしてもどうしようもない。

その心がずっと続くのかと思っていた。




2024年現在、世の中はインフレ方向にシフトしつつある。

コストプッシュインフレという構造であるとはいえ、モノの値段は上がっている。

その結果、いつものように品物を買うと、普段以上にお金がかかってしまう。

現状を見ることで心を切り替えて、インフレが当たり前という心で生活をする人もいる。

ただその一方で、その中でデフレマインドを持ったままでも何とか対策に乗り出そうとする。

その方向というものは、「さらにケチる」という方向。

モノを持つものを最小限にする、本当に必要な物のみを買う、デフレで培った心を今こそ発揮するときとして、ますますこの考え方が流行っているように感じる。

贅沢は敵だ。

欲しがりません勝つまでは。

給与が増えてもわずかだから、トコトン耐えるしかない。

本当に欲しいものだけを買うように制限する。

耐え方になれてしまったことによって、どこまでもサバイバル出来る人が多いような気もする。

さらにのしかかる税金負担たち。

追加でやってくる社会保障や子育て税などの、ステレス増税の数々。

これらの襲撃に対して、ますますお金を使わない方向にシフトする。

これこそが生き残り方の一つの方法ではあるものの、ある意味もはや究極のサバイバルゲームをしているかのように感じてしまう。

資本主義のマーケターからすると、デフレで鍛えられたマインドに対峙し、それを購買欲に変化させることはかなり難しいこと。

そうであっても、心理学的な様々なアプローチ含めて、何とか買ってもらえるように誘導する。

それが上手くいかなければ、企業もさらに苦しくなり、社会全体の景気が持たない。




そもそもの考えとして、資本主義は経済成長が絶対となっている。

なので、何かを買ってもらってお金が循環し、その循環速度や量が増えていかなければどこかで破綻する。

だからこそ、人々にデフレマインドをどこまでも鍛えられてしまう事、それは究極の意味では資本主義から反している行動になる。

資本主義ではあの手この手を使ってモノを買ってもらおうとするとともに、お金を擦り続けることでお金の価値も薄くしていく。

その結果、お金を使わなければ損という方向で、仕方なくマインドチェンジをして人々が何かを買いだすことを期待するはずである。

ところが現金のみを持っていることはリスクであるはずなのに、お金を使っている気配がないデフレマインドミニマリスト。

企業が耐えられなくなってモノの値段が下がれば、資本主義の敗北。

サバイバルに耐えられなくなったら、デフレマインドミニマリストの敗北。

究極の戦いかもしれないが、現実的にこのような事象は多く発生しているような気がする。

そして、どちらかと言えば無駄なものを買わない、必要最小限で生きるというミニマリストが思っている以上に増えている気がする。

それらの背景は、様々な本やyoutubeなどの影響もあるかもしれない。

この傾向が続く限りは、インフレは一時的になる可能性が高い。

果たして今後はインフレが継続するか、それともどこかでデフレに戻るか。

資本主義マーケターの勝利か、それともデフレマインドミニマリストの勝利か。




ありがとうございました。

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