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積み上げの日本式、イノベーション前提の欧米式
企業が様々な顧客に提案を行うこと。
それによりさまざまな顧客から案件を得ている。
その相手は企業、官公庁や外国政府など様々。
インドやインドネシア、タイやベトナムなどでは、様々なインフラ整備が進みつつある。
そして入札の現場で、様々なことがプレゼンをされる。
その中でも、日本とそれ以外の国では提案する内容が異なると言われている。
日本が現実的に可能であることを提案する一方で、欧米や中国に関しては理想が語られて、まるで大ぶろしきを広げた提案であることが多い。
特に中国と日本企業で案件を取り合う場合に、日本では絶対に出来ないような提案を当たり前のように提案しているのを見かける。
その内容について、結果的にはその予算では足りない状態で、中途半端な状態で工事が行われて、最終的に作ることを求めていた国が困るという状態になるというのはよく聞く話。
現在でもどうなっているかは分からないが、提案の仕方や内容については変わらないのだろう。
これらについて、以前まではなんて無責任な提案を日本以外の国はするのだろうと考えていた。
案件を取りたいがために出来もしない提案をして、結局困らせているだけのではと考えていることもあった。
しかしながらその後改めて色々と考えてみると、実際はこの考えは違うところもあったりするのではないかということに気付かされた。
日本企業で提案されるものは、「積み上げ方式」であることが多い。
110の目標に対して、現在の実力が100の時に、上手く技術を積み上げていくことで110に到達するやり方。
今の現状から見える未来の進化でそのまま進んだ場合、納期や工期についてはこれくらいとなるというもの。
一つ一つが想定が出来るだけ丁寧になされて、地に足が付いた状態で検討がなされる。
その結果、今の実力をしっかりと発揮し、現実的により確実なものを提案することで、着実に成果を残す。
最終的には想定された納期で、良いものが完成することが多い。
一方で、欧米や中国などでは理想を提案し、それを「イノベーション前提」で物事が組み立てられることが多いということ。
110の目標に対して、現在の実力が100の時に、イノベーションが起きることで実力を300,400にも上げた状態で対応する想定。
その結果、通常の積み上げでは通じないやり方を行うことで圧倒的な差をみせる。
だからこそ提案の段階で出来るだけ安く案件を取ったり、より高品質であるものを前提にプレゼンをする。
ただ、これらについてはいざ案件を取った時には、それを達成するための実力が必要。
ただ積み上げて作るのでは絶対に出来ないため、やり方を変える必要がある。
そのために必要なのがイノベーションであり、絶対に起こさないと達成出来ないというものもあるに違いない。
そしてそれを達成するためには、「挑戦」により失敗を繰り返すこと。
挑戦が何度も行われる結果としてイノベーションがより高頻度に起きることで、達成に向けた確率が高くなる。
そして働く人にはイノベーションが求められる考え方が必須となる。
このように、欧米式での提案方法は前提とする考え方が違うことがあるとのこと。
日本の積み上げ方式と、欧米のイノベーション前提方式。
過去から現在までの推移を見て現在の延長を想定するフォアキャストと、望ましい未来から逆算するバックキャストのように、アプローチが全く違うものであると感じる。
この提案の仕方からも、日本ではイノベーションではなくコツコツと積み上げる方がより評価され、欧米ではイノベーションを起こすことが評価されるという違いがあるのも納得できる。
ただいたずらに案件を取りたいがために提案を魅力的に見せているのではなく、そもそも前提としている考え方の違いが存在することがあることを初めて知った。
もちろん、すべての日本企業が積み上げ式とは限らないし、すべての欧米企業がイノベーション前提方式ともかぎらない。
これらのどちらが良い・悪いは無いものの、考え方のベースがことなることは知っておいても良いと感じる。
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ありがとうございました。
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