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「成長」と「学び」の関係式!!

 今回は「学びと成長を明確に」というテーマでお話させていただきます。サッカーをしている人達であれば、誰もが「上手くなりたい」「活躍したい」「試合で勝ちたい」と思っているのではないでしょうか。人は、成長するためには学ばなくてはなりません。ですが、多くの人が「成長」と「学び」の解像度が低いままトレーニングに励んでいます。
 今回のお話を読んで「ああなるほど、学ぶってこういうことか」「成長にはこれが必要なんだ」と解像度を高めて、これからのサッカー人生に活かしていただければと思います。

 「成長」と「学び」について考えるときに、多くの人が忘れがちなこと、それは「自分がどの方向に向かって成長していきたいか」です。これは、ゴールの設定ができていない状態で、「よーいどん!」で走り始めたようなものです。これだと、どちらの方向に進めば良いかも、何をすれば良いかもわかりません。まずは「自分がどんな選手になりたいのか」「どんなチームに加入して、どんな役割を担う選手になりたいのか」を決めることが大切です。バルセロナでプレーするのと、リヴァプールでプレーするのとでは、求められるプレーや動きが全く違います。ポジションもそうで、ウイングとセンターバックでは、必要な能力が全く違います。ですがふたを開けてみると、みんななんとなくチームを選んで、同じトレーニングをしてしまうのです。「なんとなく有名なチームの中から、強豪チームに行けたらいいね」みたいな感じで自分の所属するチームを選んでしまいます。(補足ですが、地域選抜なども、結構リスクが高いです。どのようなサッカーの指導を受けられるのかで、今後のプレースタイルが強制される可能性もあります。そもそも、教えている指導者のレベルも不確かです。どのレベルでサッカーをしてきて、どのレベルの教育力があって、どのような実績があるのか、見極めてから指導者を決めるべきなのです。)

 ここまでのお話をまとめると、「自分がどんな選手になりたいのか」「どんなチームに加入してどんな役割を担う選手になりたいのか」を決めて、そこから「学び」がスタートするということです。
 そもそも、「学び」とはいったい何でしょう。「学び」というのは教育界で「目的を達成するための資質や能力を向上させること」とされています。簡単に言うと、自分の目的となる「こうなりたい」「こんなことをしたい」というゴールに向かうために「必要な力」を伸ばすことが学びと言われてるのです。つまり、目的がなければ学びとは言えません。「こうなりたい」「こんなことをしたい」というゴールが明確じゃなければ、学びは成立しないのです。
 「ボール扱いが上手くなった」=「サッカーが上手くなった」と勘違いしている人を多く見かけます。もちろん、目的によっては「ボール扱いが上手くなる」ことが必要な場合があります。ですが、これがサッカーをしている人全員に当てはまる訳ではありません。ボール扱いが上手くなるだけで「サッカーが上手くなる」という思考が成立するのであれば、「ちょっと背が伸びた」「ちょっと痩せた」も「サッカーが上手くなった」に入ってもいいことになりませんか。この思考って、サッカーと関係がある資質や能力が向上すれば「サッカーが上手くなる」という思考と同じです。身長が伸びただけでは、サッカーというスポーツが上手くなったとは言えません。同じように、ボール扱いが上手くなったとしても、その能力をサッカーの試合に活かせないのであれば(自分のチームに還元できないのであれば)サッカーが上手くなったとは言えないのです。
 学びは「目的を達成するための資質や能力を向上させること」だとするのであれば、「成長」しているかどうかは、自分の目的にどれだけ近づいたかということです。目的を達成するための資質や能力が伸びれば、成長と言えるのです。

 まとめると、「自分がどんな選手になりたいのか」「どんなチームに加入してどんな役割を担う選手になりたいのか」がゴールです。そのゴールに向かうために、どのチームでトレーニングをするべきか、どんな指導者に教えてもらうべきか、そういったことを決めていく必要があります。この設定がとても大切です。
 「やる気さえあれば成長する」と言う人もいますが、それは間違っています。どのようなトレーニングでも、取り組み方で成長度は変わりますが、トレーニングの内容によってどの方向に成長するのかが大きく変わるので、ここを見落としてはいけません。

 目的達成のために必要な「力」を伸ばすことが学びで、どれだけ目的達成に近づいているかで、自分の成長度を計っていきます。伸びていないとわかったら、トレーニングを変えていくことが大切です。
 教育業界では「コンピテンシー・ベース」で学習を設定していくことが大切と言われています。「コンピテンシー・ベース」の学習とは、簡単に言うと「生きた資質能力が身に付くような学習」ということです。つまり「実生活や実践で活かせる資質や能力を伸ばそう、それが学習だよね!」という話です。何でも伸ばせばいいということではないと、教育業界でも言われているのです。数年前から、教育業界で「パフォーマンス課題」「個別最適な学び」という言葉を聞くようになりました。サッカー業界では「エコロジカル・アプローチ」や「構造化トレーニング」と言われています。これらが何を意味しているのかというと、結局は「ゴールの設定から必要な力を伸ばす」「そのために学びを細分化するけど断片化しないように調整することが大切」という話をしているのです。僕らが大事にしないといけないのは、指導者も選手も「学びや成長を明確に、よりシンプルにしてゴール(目的)にたどり着きましょうよ」という考えです。
 今回は「学びと成長を明確に」というテーマでお話させていただきました。
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※「いつでも」「どこでも」聞ける『音声配信』を始めました。
「サッカーが上手くなりたい人」におすすめの情報を発信しています。スペインバルセロナにあるアカデミーやアルゼンチンのクラブでプレーして学んだことを、海外サッカー経験者から直接お届け致します。
音声配信:『VORAZ FUTBOL CLUB』 Anchor/Spotify
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VORAZ FUTBOL CLUB(ボラスフットボールクラブ)は、スペイン産ポゼッションフットボールを体現する、滋賀県大津市のサッカークラブです。現在は、日本サッカー協会にチーム登録し、滋賀県・社会人サッカー連盟に加盟しています。活動の場は、主に日本サッカー協会主催の関西社会人サッカー・滋賀県社会人サッカーリーグ戦です。
※ボラスフットボールクラブは、共に戦いたいという情熱をもった選手を募集しています。サッカーが下手でも構いません。謙虚で礼儀正しく、コミュニケーションを積極的に取れる選手を募集しています。チームへの加入を希望される方は、「LaBOLAサイトのメッセージ」もしくは「Instagram」から参加申請を記入の上、ご連絡ください。

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