ルックアップすることの解像度を上げる!!
今日は「ルックアップする(顔をあげて周りを見る)ことの解像度を上げる」というテーマでお話させていただきます。
サッカーをしていると、「顔をあげよう!」「周りを見よう!」という言葉を聞きます。選手からすると「顔をあげることの大切さくらいは、もう理解している」と思っていることでしょう。サッカーを始めたばかりでこのポッドキャストを聞いてくれてる人もいます。「顔をあげる」「周りを見る」ことがどうして必要なのか確認しておきます。
周りの状況を確認すれば、次のプレーがしやすくなります。ボールを持った時にボールだけ見ていると「誰にパスを出せばいいのか」「どこに味方の選手がいるのか」がわかりません。相手が「どの方向からボールを奪いに来ているのか」もわからないです。
サッカーは、できるだけたくさんの情報を集めておいて、そこから「次にどんなプレーをするべきなのか」を考えると、より正解に近づきます。フィールドの中の情報をたくさん集めておいた方が良いのです。
例えば、どこに味方がいて、どんな動きをしているのか。相手はどこにいて、今はどこにスペースが生まれているのか。このような情報をたくさん集めておいた方が、次のプレーの選択を間違うことが少なくなります。
今回は、サッカーをしてるとよく聞く「顔をあげよう!」「周りを見よう!」について、解像度を高めていきたいと思います。
先程もお話しましたが、フィールド内のたくさんの情報を集めた方が良いです。ですが、当然フィールド内のボールや味方選手、相手選手は、常に不規則に動き回っています。一度周りを見て情報を集めたら「もうあとは覚えておくだけ」みたいなことにはなりません。むしろ、一度見た景色が、次に見たときには全く違った景色になっていることの方が多いです。
となってくると、ここで大切なのは「その時に必要な情報だけを集める」ことです。
例えば、足元にボールを置いて目の前にいるディフェンダーを突破しようとしているとき、「後ろで味方のゴールキーパーが何をしているか」という情報は必要でしょうか。この情報は必要ないことがわかります。「今目の前にいる相手ディフェンダーを抜く」状況のときに、「味方のゴールキーパーがどうしているか」は、見る必要がありません。
ここで必要な情報は、「相手ディフェンダーの身体の向きがどうなってるか」や「そのディフェンダーの背後に、どれくらいの大きさのスペースがあるか」「カバーリングに来ている相手選手がどこにいるか」「近くに味方選手がいるか」「いるとたらどんな動きをしているか」みたいなものです。
そう考えると、ここで「顔をあげる」「周りを見る」ことをしたときに、逆サイドまで見る必要はありません。味方のゴールキーパーがどのような動きをしているかを見る必要はありません。ここでは、相手ディフェンダーを見て、その背後を見て、近くの味方選手の位置を見ておくことが大切なのです。
つまり、「顔をあげる」「周りを見る」というのは、サッカーにおいて大切ですが、不必要な情報と必要な情報を見極めなければならないということです。
サッカー選手を評価するとき、「認知」「思考」「実行」に分けて評価します。「プレーが成功しているかどうか」「できたかできていないか」だけで判断してはいけません。この3つの中の「認知」が「顔をあげる」「周りを見る」ということです。この「認知の技術」を高めていかなければ、サッカー選手として一流のレベルとは言えません。
ボールを持っていない時は、できるだけコートの中全体でどのようなことが起きているのか、たくさんの情報を集めます。どのようなプレーをするべきなのか、常に考えておかなければいけません。
次のプレーが決まって、自分がボールを持った時には「何を見るべきなのか」「どこまで見る必要があるのか」を考えます。最小限の「認知」で「必要な情報だけを集める」ことが大切です。
できるだけ短い時間で、できるだけ速くプレーしないといけないのがサッカーというスポーツです。プレーを速めるためにも必要な情報だけを的確に集めることを意識してください。
今日は「ルックアップすることの解像度を上げる」というテーマでお話させていただきました。
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