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サンフランシスコでの研究開発活動で得た気づき (2020年8月)

こんにちは。サンフランシスコでの研究開発活動で得た気づきを定期発信しています。未来創造・新顧客価値創造のヒントとなれば幸いです。写真は UC Berkeley付近で活躍中のフードデリバリーロボットKiwiくんです。

Digital Identity

オンラインでのI D認証技術の需要が特にUSで増えています。

Fintech StartupのドキュメントID認証サービスOnfidoによると、パンデミック 後の四半期売り上げがグルーバルで40%増なのに対しUSでは264%と今後U Sマーケットに注力していくとのことです。


今やビジネス側・サービス提供側としては提出された写真のIDドキュメントが本人が合法的に所有しているものであり本当に本人から提出されたかどうかをオンラインだけで判断せざるを得ない状況です。

私のPJでは公共教育機関向けにDisconnected Youthを対象とした支援プログラム配信プラットフォームとYouthからのドキュメント共有サービスを開発していますが、共有されたドキュメントを認証する技術は現在入っていないため、このような外部のサービスと連携することを検討しています。

今後の時代に必須の技術の1つだと言えるDigital Identity技術、物理的なIDを持ち歩かなくても本人認証できる時代がくるのも近いように思います。


Digital Health Ecosystem

2020年はヘルスケアの在り方が大きく変わる年と言え、デジタルツール上で診断するVirtual Careが主流になりつつあります。

TelemedicineにおいてはHIPPA(USのヘルスケアに関する法律)に変更が入り、Telemedicine利用制限が緩和されています。これまでは遠方に居住しているなど病院へのアクセスに制限があった患者などが利用対象者とされていましたが、今や病院に行くリスクから遠方でなくても利用できるようになり、プロバイダーによっては利用者数9,000% Upと需要が急増しています。

US大手保険AetnaでもTeladocと呼ばれるTelemedicineサービスを利用することができますが、Teladocは今月Virtual Care専門のInTouth Healthを買収しました。薬局スタートアップのRoはTelemedicineに注力領域を変更し、$200 million調達したとのこと。

今後、クリニックよりも自宅で診断を受ける機会の方が多くなってくるでしょう。

ペットクリニックにおいても同様の動きでペット遠隔診療スタートアップの
airvetはseries aで$14 million調達しました。ペットを飼っている身として1次診断はスマホが便利で安いので需要があるのがよく分かります。

新しくヘルスケアプレーヤーになろうとするテック企業の事例も出てきています。Uberは医療施設従業員や患者に特化したライドサービスUber Health を始めました。特定の感染者のコンタクトトレーシングのために乗車データを政府や保険当局に提供していることからデータ・マネタイゼーションの狙いもあると思います。

ヘルスケア産業においても2020年は大チャンスの年として、大企業・スタートアップ共にそれぞれの強みを活かした新しいビジネス創出が活発になっています。


USのコロナ鍋で活躍するロボット達

・病院内自動搬送 Moxi
予め定義された病院内のワークフローを元に治療用消耗品などを保管場所からピックアップして指定場所に届けるロボット。まだ実証実験の段階だが、3月にSeries Aで$10M調達し、看護師と協調するロボットの実現に向けて開発が加速されていきます。

・病院・病室内除菌 LightStrike
キセノンランプによる紫外線照射でウイルスを除去。新型コロナも2分で破壊できるとのこと。スタンフォード、USCなど多くの病院で既に配置されているようです。

・小売在庫管理 Tally
小売店の商品棚をカメラとRFIDリーダーにより1時間あたり最大3万製品を
チェックでき、配置が変わったことも検出できる。在庫不足や在庫過剰による損失は年間収益の11.7%にあたるとのこと。店員が在庫管理のために店内を歩き回らずに済むために、感染防止のリスク軽減が期待されます。
Tallyはサンフランシスコベースのスタートアップですが、US内では小売店で活躍するロボットがいくつか存在しています。

・店舗内清掃 Brain Corp 
自動運転による店内の床を掃除して感染防止に貢献。自動運転ソフトウェアBrainOSは10,000のモバイル自動ロボットに搭載されているとのこと。4月に追加で$36M調達し、合計$160M超の資金調達に成功。

・フード自動配達
需要が急増しているようです。UC Berkeley付近で活躍中のフードデリバリーKIWIが配達している様子を見る機会も増えました。先月にはサンノゼ市もフードデリバリーロボットの路上走行を許可しました。

サンフランシスコ、シリコンバレーで活躍する自動配達ロボット達:

 STARSHIP
 KIWI
 nuro
 BEAR Robotics


以上、最近特に気になった動きについて簡単ですがまとめました。またサンフランシスコから気付きを定期的に発信していきます。

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