無名の人々_04_ネコ耳のおばちゃん
写真家の鬼海弘雄さんが亡くなった。ご冥福をお祈りいたします。
生前2回ほどお会いしたことがある。ハンチングとベストが様になっているお洒落なおじさんだった。
「ダイアン・アーバスは全然写真撮ってないもん。」と言っていたのが印象に残っている。(彼女は全然撮らずに自殺してしまった。そして俺の方が撮っている、という意味が含まれている。)
鬼海さんの写真集を始めて見たときだろうか、浅草で鬼海さんが撮影した人と同じ人を自分も撮っていることに気がついた。
いつも浅草ブロードウェイに一日中立っている、ネコ耳(ウサ耳)のおばちゃんだった。
そのおばちゃんも、だいぶ前にいつの間にかいなくなってしまった。
写真は時代を超えていつまでも残る。
東京都台東区 2010
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?