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Googleの目標管理術「OKR」とは?導入事例や基礎知識、運用する方法を解説

GoogleやFacebookが目標管理手法として使用しているOKRが注目を集め、様々な企業が取り入れて始めています。

今回の記事では、「OKRについてよく知らない」「OKRの導入を考えている」といった方々に向けて、OKR導入の効果や運用方法・導入事例について解説します。

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【導入事例】Googleが使用しているOKR手法

グローバル企業はOKRをどのように導入をしているのでしょうか。
Googleの事例を参考にしてみましょう。

Googleの目標管理スパンは3か月に1回です。
定期的にミーティングを開き、OKRの評価を公開しているため、透明性があります。

公開によって仕事に対しての意識を向上しています。

また、上司は社員1人1人とコミュニケーションを取り、OKRの決定・把握をし、戦略を考えています。

Googleの目標管理術「OKR」とは?評価の要素・仕組みについて

OKRとは、「仕事の目標を高く設定し、達成に向けて目標を管理する方法」です。

正式名称は「Objectives Key Results」になります。Objectivesは「目標」、Key Resultsは「主な成果」という意味を持ち、大手グローバル企業が導入中です。

1つのObjectives(目標)達成に向けて Key Results(主な成果)をいくつか設定し、改善しながら達成まで業務を行うのですが、100 %の達成は求められておらず、理想の達成率は約7割程度とされています。

他にも様々な特徴がありますが、以下で詳しく説明します。

OKRを導入するメリット・効果は?

先程、OKRがどんな目標管理手法かお伝えしましたが、導入するメリットはあるのでしょうか。

OKRは実は、時間の節約やエンゲージメントの向上といった効果をもたらします。
ここではOKRがもたらすメリットについて、その6つを詳しく解説いたします。

OKRのメリット・効果①|展開が早い
目標達成までの期間が1~3か月ほどであるため、展開が早いというメリットがあります。リスクや無駄を省くことが可能です。
OKRのメリット・効果②|目標設定が楽、時間の短縮ができる
OKRで設計する目標は単純かつ明確です。設定までに時間がかからないため、時間を短縮できます。
OKRのメリット・効果③|相互的に機能、連携できる
会社全体の方向性が理解できることもメリットの1つです。企業内のフォーマットで目標が共有されているため、組織内の状況が理解でき、コミュニケーションが円滑に。スムーズに仕事ができます。
OKRのメリット・効果④|エンゲージメントの向上
目標の共有によって社員が企業の仕事にやりがいを感じ、モチベーションが向上することで、企業により一層貢献したくなる意欲を与えます。目標設定は、エンゲージメント向上につながるような内容がベストです。
OKRのメリット・効果⑤|大胆で挑戦的な目標設定
給与とは関係無しに、目標を設定します。高い目標に向かって打ち込むため、失敗を恐れずに業務を行うことが求められます。目標達成率が給与に関わってくると、十分な力を発揮できない可能性があるためです。
OKRのメリット・効果⑥|やるべき事が明確になる
目標が明確に設定されているため、どんな行動をすれば達成できるか考えることが可能です。仕事の優先順位を考え、重要なことから取り組むことができます。

OKRの種類|ムーンショットとルーフショット

OKRには種類が2つ存在するため、以下で詳しく説明します。

OKRの種類①|ムーンショット
ムーンは月を表しており、「月にショットを届ける」意味が込められています。
挑戦的な目標であるため、7割程度達成すれば良いとされていますが、完璧を目指す必要は無いと勘違いし、モチベーションやパフォーマンスの低下につながるかもしれないので注意が必要です。
OKRの種類②|ルーフショット
ルーフは屋根を表しており、「屋根にショットを届ける」という意味です。達成は十分可能であるが、完璧に仕上がっている状態以外失敗と見なされるため、目標達成に全力を注ぐ必要があります。

OKRや目標設定をはじめて導入する企業は、いきなりムーンショットを設定するのではなく、ルーフショットからの設定がおすすめです。

GoogleがOKRを導入した背景と歴史は?

Google・Facebookなどのグローバル企業をはじめ、日本の大手企業もOKRの導入を始めています。
それでは、どうして導入が進んでいるのでしょうか?その背景を解説します。

導入背景として、今まで行ってきた人事評価の改善が求められています。
客観的な評価が大事ですが、担当者による主観的な評価をする企業が多い傾向にありました。
OKRは第3者目線での評価を可能にします。

Googleは早めの段階でOKRの導入を始め、試行錯誤によって企業に良い影響を与えています。

日本で浸透してない理由とは?

グローバル企業で導入が進み、良い影響を与えているのにもかかわらず、日本でOKR導入が浸透していないのはなぜでしょうか。ここではOKRが日本に浸透していない理由を解説します。

原因は以下の2つです。

OKRが日本で浸透しない理由①|OKRの認知度が低い
浸透していない原因は、OKRついての情報量が少ないことにあります。日本ではOKRの情報があまり出回っておらず、調査しても分からないまま。結局断念してしまうことが多いです。メルカリはOKR導入の際、英語の文献でスタートしました。
OKRが日本で浸透しない理由②|日本の評価に問題がある
評価と目標がつながっていることに原因があります。達成できないと評価が下がるため、社員は達成に向けて必死になります。こういった評価が浸透してしまっているため、評価と目標を別で考えるOKRが受け入れづらい傾向にあります。

目標管理手法「MBO」「KPI」とOKRの違いは?

目標管理手法はOKRだけではなく、他にMBO、KPIなどが挙げられます。ここでは、どのような点がOKRと異なるのか解説します。

「MBO」と「OKR」の違い
MBOは業績の評価に使用されるツールです。
目標の達成度によって給与が決まるため、全力で打ち込む必要があります。
評価の公開範囲は一部のみで、会社全体に表示することはありません。
対してOKRは、給与決定のためではなく、企業の目標を達成するために使用するツールです。
目標は高く設定されているので、7割程度の達成率で十分。評価の共有範囲は企業全体になります。
「KPI」と「OKR」の違い
KPIは、最終的な目標を達成するための中間的な指標になります。
具体的に数字を示すことが多く、 達成するべき指標であるため、評価も加わります。
一方、OKRは企業全体の目標を達成するために使用されるます。
挑戦的な目標であり、評価とは関係ありません。

10ステップで完了!OKRを導入・運用する方法

これまでOKRについての特徴やメリットをお伝えしましたが、OKRを導入するまでにどんなステップがあるのでしょうか。
ここでは、導入・運用する方法を10ステップで解説します。

■OKR導入ステップ
①企業のOKRを設定
②企業の各部門からフィードバックをもらう
③部門ごとにOKR設定
④異なる部門同士のOKRを共有
⑤個人のOKR設定
⑥個人間でのOKR共有
⑦短期間での状況確認
⑧中間レビュー
⑨最終確認
⑩次の期間のOKR設定

OKR導入のステップ①|企業のOKRを設定

企業のOKRを決定します。
目標の数は企業ごとに異なり、複数ある場合もありますが、基本的には1つが良いとされています。
全体の目標に向けて社員のOKRを決定するため、従業員の状況や声を取り入れつつ、目標を設定すると良いでしょう。

OKR導入のステップ②|企業の各部門からフィードバックをもらう

企業が決めたOKRを各部門に伝え、フィードバックをもらいます。
各部門の意見からOKRの修正を行います。

OKR導入のステップ③|部門ごとにOKR設定

企業全体の目標に向けて、各部門のOKRを設定します。
部門に所属する社員からの意見を取り入れるべきです。

OKR導入のステップ④|異なる部門同士のOKRを共有

1つの部門内だけでなく、他部門ともOKRを共有しましょう。
OKRを照らし合わせ、企業に適しているか確認。必要な場合は修正をするべきです。

OKR導入のステップ⑤|個人のOKR設定

所属する部門に適したOKRを、個人で設定する過程です。
部門内での話し合いがカギになります。

OKR導入のステップ⑥|個人間でのOKR共有

部門内で個人のOKRを共有します。修正が必要な場合もあります。

OKR導入のステップ⑦|短期間での状況確認

週に一度、達成度の確認を行います。部門内における進行状況の確認です。

OKR導入のステップ⑧|中間レビュー

期間終了まで半分を切るあたりで、全体的に中間レビューを行います。
問題なければそのまま進行し、問題がある場合は、状況に応じて目標を改善・変更します。

OKR導入のステップ⑨|最終確認

OKRの結果を公開します。
達成度がどれくらいか確認し、達成度が低い場合は原因を分析。
今後に向けて策を練ります。評価は客観的なものであるため、上司の主観が入ることはありません。

OKR導入のステップ⑩|次の期間のOKR設定

最終確認の後、次の期間のOKR設定を行います。

上記のステップがOKRの導入方法です。企業との相性もあるので、自社に適した目標管理ツールを使用しましょう。

Googleから学ぶOKRのポイント・効果を出すには?

OKRを導入して終わりではなく、継続して運用しなくては意味がありません。
OKR導入の効果を出すためには5つのポイントがあります。

■OKRの導入のポイント
①短期間での確認が必要
②OKRの進歩状況を確認
③自信度を確認する
④課題を見つける

OKRの導入のポイント①|短期間での確認が必要

短いスパンにおける進歩の確認は大事です。どうすれば結果がでるか話し合うため、週に1度、進行状況を確認します。

OKRの導入のポイント②|OKRの進歩状況を確認

OKRがどれくらい進んでいるかの確認です。進行状況と目標達成までの距離間を明確にしましょう。

OKRの導入のポイント③|自信度を確認する

目標達成に自信があるかのチェックになります。作業の中で、上手くいった点と上手くいかなかった点が分かるはずです。目標を達成できるか確認をし、上手くいかなかった点の修正・改善を行います。

OKRの導入のポイント④|課題を見つける

目標を達成するうえでぶつかる壁や課題を見つけ、解決に向け分析します。作業の進みが遅い場合に効果的です。

まとめ

今回の記事では、OKR導入の効果や運用方法、導入事例について解説しました。
OKRについての知識が身に付き、導入のイメージができるようになったのではないでしょうか。

従来の目標管理手法と異なる点が多いOKRは、最前線を進むグローバル企業のGoogleに良い影響を与えています。
日本ではまだ浸透していないですが、今後多くの企業で導入が進むかもしれません。

ぜひOKRの導入を考えてみてはいかがでしょうか。

OKRのに関するさらに詳しい解説については、下記の1on1パーフェクトガイドでしているので、詳しく知りたい方はこちらをご覧ください!⇩

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