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人事評価のサンプルと事例をご紹介!基礎から運用までまずはこれを見よう

働き方の多様化によって、今までの人事評価項目では適切な評価をすることができないと感じていませんか。
結論から言えば、テレワークなど新しい働き方を導入した時点で、これまでの評価項目では上手く評価できなくて当然です。

そんな中で本記事では、多様化する働き方に対応する人事評価項目の作り方をご紹介します。
人事評価項目の作成について悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください!

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高まる人事評価の重要性

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人事評価は昔からありますが、なぜ改めて注目されるようになったのでしょうか。
そこには、評価対象と働き方の多様化が関係しています。

終身雇用が一般的であった時代には、主に「勤続年数や年功序列」というわかりやすい基準でキャリアアップや給与アップを決められました。
ですが、現代は成果主義が主流になりつつあります。
「成果」という振り幅の大きなものさしで評価しなくてはいけなくなり、基準を決めることが難しくなっています。

また成果だけで評価することは、従業員のモチベーションの低下につながるとも言われています。
今は仕事の結果だけでなく、プロセスにも価値を見出していくという多面性が求められています。

そして、働き方改革の柱のひとつである「同一労働。同一賃金制度の適用」も人事評価が注目されるようになった要因でしょう。
同じ業務であれば、正社員もパートも雇用形態に関係なく同じ賃金を支払うというものです。
今まで雇用形態によって査定方法や賃金の基準が違っていた企業は、ここにきて評価制度を改めなくてはいけなくなったのです。
人事評価は時代によって変化するものです。
今は国をあげて多様な働き方を推奨しています。
そのため、人事評価自体も変化する時期がきたのでしょう。

人事評価には2つの種類が存在|絶対評価と相対評価の違いとは?

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人事評価には2つの種類が存在します。絶対評価と相対評価のどちらがいいのか気になりませんか。
当然、それぞれの評価にはメリット・デメリットが存在します。

ここからは、それぞれの特徴について解説していきます。

人事評価制度①|絶対評価の特徴

絶対評価の特徴は、目標をどの程度達成したかによって評価を決めるという特徴があります。
このため、達成できなければ、評価がある程度下がることがあるでしょう。
ただし、あまりにも優しい基準で評価すると、良い評価の社員が多くなり過ぎて評価制度自体が機能しなくなる可能性があります。
人事評価制度②|相対評価の特徴

相対評価の特徴は、社員同士を比較して優劣を決めるという特徴があります。
集団の中で優劣のみで評価する性質上、特定の評価を受けられる人数が決まっていることも特徴です。

例えば上から順に、S評価は5%、A評価は10%、B評価は65%、C評価が15%、D評価は5%という具合になることが多いです。
評価者の考え方でいくとBが一番つけやすく、結果的に偏りがでることになる可能性があります。
これは人事評価を運営する上で、問題と言えるでしょう。
また、結果ありきで評価するため、評価の意味が低下することもあり得ます。

人事評価のサンプルをご紹介!重要な人事評価項目の基準とは?

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重要な人事評価項目の基準には、どのようなものがあるのでしょうか。
具体的な基準は以下になります。

ここからは、それぞれの評価項目の基準について詳しく解説していきます。

人事評価の項目サンプル①|成果による評価

これからの人事評価項目で最重要と考えられるべきなのは、成果による評価です。
成果評価は個人が出した利益や、仕事の速さやクオリティなどの観点で評価します。

この方法がある意味、一番平等であるといえるでしょう。
注意すべき点は、純粋に仕事の頑張りによる結果を評価をするため、景気や災害の影響を受けずに評価する必要があります。
人事評価の項目サンプル②|能力による評価

能力による評価は、社員それぞれの能力で評価する方法です。
厚生労働省では職業能力評価基準について、一定の評価の基準が発表されています。

能力による評価は、成果につながる個人の能力を基に評価をします。
例えば、事務系の仕事であれば、計算や情報処理の早さが評価対象です。
管理部門など売り上げや直接利益と関係のない部門では、能力評価を選ぶべきでしょう。
人事評価の項目サンプル③|勤務態度による評価(情意評価)

勤務態度による評価では、周囲と協力して仕事ができるかや、自ら進んで行動できるか、勤務時や普段の態度などが評価対象となります。
勤務態度が評価項目となるので、仕事で出した結果ではなく仕事に対する意欲を評価しなくてはいけません。
つまり、いくら業績が良くても、仕事へ向かう姿勢などが悪く欠勤が多いといった場合は、評価が下がることがあるのです。

人事評価項目のサンプル事例をご紹介!製造業と事務職の違いとは?

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人事評価項目のサンプル事例を見る機会は、なかなか無いでしょう。
そこでここからは、製造業と事務職の人事評価項目の事例を比較してご紹介していきます。

人事評価のサンプル①|製造業における人事評価項目

製造業で必要な人事評価項目は、以下の内容を盛り込むことをおすすめします。
・個人または係単位の生産量
・製品を作るのにかかった時間
・どれだけ改善する行動をして、成果を出したか
・どれだけ品質を上げたか、どれだけデメリットを減らせたか

製造業では、特にチームワークを大切にする傾向にあります。
ですから個人よりも、チーム単位で評価する方が結果的に生産性や品質の向上につながることがあります。
チームの成果を個人に還元して、評価を底上げする方法も有効な手段です。
人事評価のサンプル②|事務職における人事評価項目

事務職は営業職や製造職と比べると、売り上げや生産量に合わせた成果評価をすることができません。
そこで個人の能力で判断できる評価項目を入れる必要があります。


例えば経理職であれば、以下のような内容を評価項目として盛り込むことをおすすめします。
・毎日の業務について作業効率アップなどの業務改善を行ったか
・入力ミスはなかったか
・年間スケジュールなどは滞りなくこなせたか

このようにミスの少なさや、業務改善をしていたかなど、情意評価することで事務職の特性にあった評価ができるでしょう。

今話題の人事評価サンプル|行動特性評価(コンピテンシー評価)とは?

行動特性評価(コンピテンシー評価)は、優れた能力を持った人がどのような行動をとっているかを分析して、その行動を基準にした評価制度のことです。
この業務上良い結果を上げている人の行動の特徴を、コンピテンシーと言います。

会社の中にモデルになるような好成績の社員がいる場合は、評価基準を作ることが比較的簡単です。
ですが、適切な人材がいない場合は、制度化に苦労するかもしれません。

最良な人事評価の運用に向けて|評価面談を行うコツと評価コメントの正確な書き方とは?

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人事評価を行う上で、面談や評価コメントは不可欠なものです。
この2つの良し悪しによって、人事評価が成功するかどうかが決まります。

ここからは、この面談と評価コメントのそれぞれ3つのコツについて解説していきます。

【面談】のコツ①|傾聴の姿勢で臨む

面談をする上で、傾聴の姿勢で臨むことはとても重要なコツと言えます。
なぜなら、話を聞いてくれないと感じると、部下が評価に対して疑問を持つようになるからです。


評価のための面談では部下は自分が行ってきた仕事の成果や、意欲的に取り組んでいる仕事などをアピールしてくれます。
可能な限り部下の話を遮ることなく話を聞いて、部下ごとに最良なフィードバックをするよう心がけましょう。
【面談】のコツ③|面談前に部下に関する資料を頭に入れる

面談を行う前に、必ず部下に関する資料を読み込んで頭に入れておきましょう。
部下の情報が少ないと本当に適正な評価をしてもらえるのかと不安に感じてしまうからです。


特に最近成果を上げたことや、本人が力を入れて取り組んでいる仕事などは覚えておき話題に取り上げましょう。
部下はしっかりと評価してもらえると感じ、評価に納得してくれます。
話題にあげる情報は具体的なほど、部下の評価への納得度が高まるでしょう。
面談の場を利用して、部下と積極的にコミュニケーションを取れるようになると最良です。
【面談】のコツ③|威圧せずリラックスできるよう配慮する

面談をする際は、お互いにリラックスした状態で話ができるようにしましょう。
威圧感や緊張している雰囲気を感じ取ると、部下は自分から進んでアピールすることができなくなります。


いきなり仕事の話を始めるのではなく、世間話など軽いコニュニケーションから始めるといいでしょう。
また、部下の最新の仕事での成果を褒めて場を取り持つことも有効な手段です。
いかに部下が話しやすい雰囲気を作り出すかが面談成功の鍵になります。
【評価コメント】のコツ①|結論から書く

評価コメントを書く時は、結論から書くよう徹底しましょう。
まず結論から書き始めると、どのように評価したいのかがわかりやすくなります。
初めにどのような評価をすることに決めたのか明記することがポイントです。
【評価コメント】のコツ②|短い文章で書く

評価コメントを書く時には、必ず短い文章にまとめて書きましょう。
長すぎる文章は理解するのに時間がかかります。
コメントは簡単で短く書くことがポイントです。
【評価コメント】のコツ③|次につながるコメントを書く

評価コメントを書く時は、改善しなければいけないポイントがわかるように評価を書きましょう。
改善ポイントがわからないと、部下に直すよう指導できないからです。
必ず次にどうすればいいのかにつながる評価を書くことがポイントです。

最良な人事評価の運用に向けて|気をつけるべき評価エラーとバイアス

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人事評価をする上で最も注意すべき点は、評価エラーとバイアスです。
部下に対して評価者が偏見を持った目で評価をすると高確率で評価が歪みます。
この評価の歪みを評価エラーと呼んでいます。
正しい評価をするには、偏ったものの見方を捨てて評価をする必要があるのです。

評価の中で特に注意が必要なのはハロー効果です。
ハロー効果では特定の属性の社員にだけ高い評価が偏ります。
この偏りをバイアスと言います。

社員の学歴などに囚われず、真正直に能力を見極めて評価するようにしましょう。

最後に|これからの人事評価制度のあるべき姿は、成果と能力による評価

近年のコロナウイルス拡大による在宅勤務やテレワーク、そして国が定めた同一労働同一賃金の法適用によって、働き方は多様化し評価制度も今までのように勤続年数や年功序列といったものでは対応できなくなっています。

これからの人事評価制度は成果と能力による評価が重要となっていく可能性が高いでしょう。
成果で給与や賞与、キャリアを決めていかなければ、法律違反や訴訟に発展する可能性も出てきます。

その対策のためにも、適切な人事評価項目を設定し、最良な人事評価の運用を目指していきましょう。

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