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Googleも採用する「OKR」は人事評価とは違う?OKRにおける3つの評価パターンを解説!

近年、Googleなどの大企業も導入していることから、企業の間で注目が集まる「OKR」。
しかし実際に導入の検討を進めると難しいのが、評価制度との関係性になります。
本記事では、OKRの基本的な知識から評価制度との関係性、また想定される評価制度との関係性などを分かりやすく解説していきます。

OKRの導入を検討している担当者の方や、評価制度とあわせて迷っている方などは、ぜひご覧ください。

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そもそもOKRとは?人事評価との関係は?

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OKRとは「Objectives and Key Results」の略で、目標指標や目標管理のためのフレームワークになります。
O:Objectives(定性的な目標)に対して、KR(Oを達成するための定量的な目標)を設定するものと考えるとわかりやすいでしょう。

O:Objectives(定性的な目標)は、4半期ごとに設定され、あえて定量的な指標は入れないものとされています。
また目標の方向性としては、チャレンジングかつ簡単で覚えやすいものを設定することが良いです。

一方でKR(Oを達成するための定量的な目標)については、上記のO:Objectives(定性的な目標)に紐づける形で、定量的に図れるゴールを設定します。
数値としては、目標達成率が60%〜70%程度となるようなチャレンジングな数値を、3つ程度設定するのが良いでしょう。

このOKRは、会社単位でのもの、チーム単位でのもの、個人単位でのものなど階層単位で設定し、それぞれがしっかりとリンクしていることも重要になります。
このOKRと評価制度との関係性については後述していきますが、目標管理のためのOKRと評価制度をうまく共存・並走させることが、組織の最適化に大きく寄与することとなります。

OKR導入の目的やメリットとは?

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OKR導入の目的は、大きな意味合いで言うと、「組織としての生産性向上やコミュニケーションの促進及びこれによる従業員と組織の成長」と言えます。
そんな中で、OKRの目的やメリットを3つにブレイクダウンすると、①アライメントの実現 ②リアルタイムなマネジメントの実現 ③ミッションドリブンな目標設定の実現、の3つと言えます。

OKRを導入することで、企業としての目標にも紐づく形で個人の目標を策定することができ、またその中でリアルタイムマネジメントや各従業員やチーム間での目標のすり合わせと比較ができるのです。

OKRに関するさらに詳しい解説については、下記のOKRパーフェクトガイドでしているので、こちらをご覧ください!

混同されやすいKPI・MBOとの違いとは?

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OKRについて考える際に、よく混同されるのがMBOやKPIとの違いになります。
ここからは、OKRそれぞれの違いについてを簡単にご説明していきます。

まずMBOは「Management By Objectives」の略になり、OKRとの最も大きな違いは「導入目的が報酬の決定であること」になります
前述した通り、OKRの主な目的は「生産性の向上やコミュニケーション促進」になるため、この点が大きく異なります。
また、OKRでは目標や進捗状況は全社員に共有される一方で、MBOでは目標や進捗状況が本人と上長のみに共有されるケースが多く、この点も異なります。
他にも、MBOでは目標達成率を100%を目指せるように設定する点やレビューの頻度が1年に1度の点などもOKRとの違いになります。

一方KPIは、「Key Performance Indicator」の略になり、意味合いや目的としては「最終目標(KGI)達成のためのプロセスの管理や確認」をするためのものになります
最終目標(KGI)達成のための指標のため、現実的な数値を置く必要があり、チャレンジングな数値を設定するOKRとは大きく異なります。
また、KPIについては、達成することで最終目標(KGI)に近づ苦ことから、達成に意味を持つ指標のため、これを評価制度に組み込むケースも多いです。

OKRと人事評価・報酬との適切な関係は?

OKRと人事評価・報酬の適切な関係については、一概にこれが正解というものはなく、企業設定の目的や企業の状況によって異なります。
OKRの目的はあくまで「生産性の向上やコミュニケーション促進」のため、目的を人事評価や報酬決定のために策定することは推奨されませんが、一方でOKRを評価に一切反映させることがいけないわけではありません。

後述するように、例えばメルカリなどではOKRとMBOを併用して評価をしており、OKRを人事評価とうまく紐づけることで、企業や個人の成長を望めるケースもあります。
ここからは、実際に想定されるOKR導入企業での評価制度のパターンや導入企業の事例を見ていきます。

OKRにおける評価制度パターン①|OKRと評価を切り離す

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1つ目のOKRにおける評価制度は、OKRと評価を全く別の指標と切り離すパターンです。
このパターンの場合、OKRは評価や報酬へは全く反映せず、目標管理や動機づけのためのものとして活用します。
その中で、評価や報酬についてはMBOなどの別の任意の指標をもとに決定します。
注意点としては、評価や報酬のための制度が別軸で走り、その上でOKRの管理も行う必要があるため、運用コストが他のパターンと比較して高くなってしまいます。
また、MBOと併存する場合には、OKRの位置付けがわかりにくくなってしまう点も注意するべき点と言えるでしょう。

OKRにおける評価制度パターン②|OKRの達成度で評価を決定

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2つ目のOKRにおける評価制度は、OKRの達成度に応じて評価を決定するパターンです。
位置付けとしては、評価制度としての意味合いが高いMBO式の評価が実施されることになります。
例として上記画像の場合は、OKRの達成度愛が60%〜70%の場合はレーティングをBと定めているため、評価としてBがなされるということになります。
本パターンの注意点としては、OKRのばらつき等により、人によっての評価に不公平感が生じる可能性がある点になります。
また、組織文化の成熟度によっては、ムーンショットな目標が根付きにくい点も注意点として挙げられます。
これは例えば、評価に直接反映されることがわかると、達成可能な目標を立てるといったインセンティブが働いてしまうといったケースが想定されます。

OKRにおける評価制度パターン③|OKRの達成度を参考値として評価を決定

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最後3つ目のOKRにおける評価制度は、OKRの達成度を参考値として、マネージャーが評価を決定するパターンになります。
こちらの方法では、OKRの達成率は1つの指標として見つつ、成果などの別指標も評価の軸としていれ、これらを総合的なものとして見た上での評価や報酬を決める形になります。
メルカリなども導入しているパターンの制度ではありますが、一方でマネージャーの力量やコミットが重要となり、運用難易度が高くなっているパターンとも言えます。

ここからは最後に、実際にOKRを導入しながら評価制度を適切に行っている企業をご紹介いたします。

OKRの評価事例を分かりやすく解説①|ハイマネージャー

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まずは、弊社であるハイマネージャーになります。
弊社では、OKRの基本であるO:Objectives(定性的な目標)に対して、KR(Oを達成するための定量的な目標)を設定する形を、会社単位・チーム単位・個人単位で分かりやすく設定しております。
例えば個人単位で見ると、定性的な目標を「顧客が喜ぶ機能を提案する」とした上で、その定量目標として「機能ドラフトを30個を立案」というものをおいている形です。

その上で、弊社ではこの定性目標及び定量目標の達成度合いを一部評価に組み込むことで、OKRと評価制度を両立させております。
両立のために使って居るツールは、弊社の開発している「Himanager」になります。
気になる方は、まずは資料からご確認ください。

OKRに使えるHiManagerのツール概要資料はこちら⇩

OKRの評価事例を分かりやすく解説②|メルカリ

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次に、言わずと知れた有名企業であるメルカリは、OKRとバリュー評価を併用する形での人事評価を行なっています。
OKRでは、OKR策定・振り返りのタイミングとなる四半期ごとに目標の達成度合いの評価を行い、それと共にマネージャーのリアルタイムの評価(FB)の蓄積を合わせ、その両面から見た形での評価を行なっています。
メルカリはOKRの策定に力を入れており、全社的なOMRの策定にも経営層だけでなく社員も議論できる形で行い、OKRを社内のコミュニケーション活性化やモチベーション向上のためにも活用しています。

メルカリの詳しいOKRの活用方法や事例が知りたい方は、こちらの記事も是非ご覧下さい。

OKRの評価事例を分かりやすく解説③|ココナラ

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最後に株式会社ココナラでのOKRの評価事例です。
ここならでは、評価に役割評価と成果評価の2軸を併用しており、この成果評価の部分でOKRを活用しています。
役割評価では、裁量や業務レベルなどのグレードを決める為の要素別に役割の評価を行い、それに加えてOKRで設定した目標の達成度合いにより点数を決め、これをもとに評価を行います。
仕組みとしては、メルカリに似ている形ともいえます。

最後に、適切なOKRの導入で評価制度も最適に!

いかがだったでしょうか。
本記事では、OKRに関する基礎知識と共に、OKRと評価制度の共存パターンや事例についてをご説明してきました。
OKRは適切に導入することで、「組織としての生産性向上やコミュニケーションの促進及びこれによる従業員と組織の成長」に繋がり、また評価制度へも活かすことが可能です。
是非OKRを導入し、より良い組織としての第一歩を目指していただければと思います。

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