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スーパーマーケット事情に寄せて

此処、イトーヨーカドーの撤退が相次いでいることを期に書いている。東京中心に、及び身近で分かる範囲で書いていることを先にお断りしておく。

まずは2022年度の全国のスーパーマーケット売上ベスト20を見て頂こう。
出展: キャリアハイ転職「スーパーマーケット売上ランキング!スーパー
業界の動向や大手の年収を解説【2024年】」
有価証券報告書に基づき作成されいるようだが、数字が正しいか保証の限りではない。しかし、ベスト10の顔ぶれは他のサイトで相違ないことを確認。尚、以下の数字はスーパーマーケット事業でありグループではない(例えばセブン&アイHDにセブンイレブンの売り上げは入っていない)

2022全国スーパーマーケット売上高ランキング

筆者も含め東京の人に馴染みがないものがあると思う。ベスト10で知らなかったものを補足する。4位のバローHDは中部地方(愛知・岐阜)を主な営業エリアする会社。フジは中国・四国地方が主営業エリア。アークスは北海道東北が主な営業エリア。ユナイテッド・スーパーマーケット・HDはマルエツなどを含むイオングループに属する会社。
注意点として非上場の「OKストア(OKグループ)」は載っていない。筆者が調べた範囲では9位ではないかと思う(ヤオコーの次)。

筆者の子供時代(福岡市に隣接する現春日市)では、近所にスーパーと言っていい生協(当然衣料品は無し)があったのと、スーパーと異なるが魚屋、野菜屋などが集まった商業施設があり、福岡市中心にはダイエーなど幾つかのスーパーがあったと思う。

ご存じのようにダイエーは日本一の流通企業であったが(薄利多売ともいわれた)、経営不振になり色々な経緯を経て今はイオングループ傘下である。ダイエーに変わりトップに立ったのが、薄利多売の食品ではなく衣料品で稼いでいたと言われるイトーヨーカ堂で、その後、関西から発展したイオンの前身ジャスコ(JUSCO)・・三重の岡田屋など3社が合併・・の台頭によりイトーヨーカ堂とイオンの2強時代と言われた。

しかし乍ら、今やイトーヨーカドー堂と元は子会社だったセブンイレブンとは主客が完全逆転し、スーパーマーケット事業は閉店が続き存続さえ危ぶむ向きもある。一方、イオンはイオン・タウンなど大規模ショッピングモールを多く展開しトップに君臨する(但し利益率はよくない)。

これら以外にも、鉄道系、デパート系、独立系(ライフなど)の従来勢力があるものの、以下に述べる3極化のため苦しい営業を強いられているのではないかと思う。3極化とは以下のようなものである(東京で身近に認識している範囲)。

1.巨大スーパー・・イオン位?
2.特色ある食品ディスカウントスーパー
・業務スーパー(神戸物産
・ロピア(ニュースでよく出るスーパーアキダイもアフリエイト
・ヤオコー
・OKストア
・オオゼキ
など
3.安くなくてもエッジの聞いた食品店
・成城石井など

今や東京で総合スーパーはイオン一強と言え、また、衣料品を扱うスーパーは減少傾向にあると思う(米国資本のコストコは特殊なので除外)。

ここで急に話題を変える。それは物価についてである。一般的に東京は物価が高く、地方は低いと言われるのは何故か、本当かということである。東京から九州に帰省した際、スーパー(※)の食料品は先述した食料専門ディスカウントスーパーの方が安いことを確認。電化製品やIT機器も激戦区の東京や大阪の方が絶対安いはずである。
また、飲食店も地方が特に安いというイメージは筆者にはない。地価や住居価格、賃貸料金は間違いなく地方が安いことは理解しているものの、それで説明がつくか疑問に思った次第。水道料金は以前調べ東京が高くないことをは確認済み。光熱費は東京が高いのだろうという感覚はあった。衣料・家具はユニクロ・ニトリなどあるので東京も地方も変わらないイメージ。
※筆者の熊本の実家付近では9位(実態10位)のイズミが展開する「ゆめマート」が幅を利かせている。

ということで調べたところ、総務省に中々いい資料があったので紹介する。確かに東京が物価は一番高くなっている。物価は非常に広範囲なものを指すことが分かる。経済学部を出た人にはそんなの常識だと笑われるかも知れないが、筆者のようにそうではない人には有用ではないかと思う。都道府県の
平均を100とすると一番高い東京の指数は104.7、一番低い宮崎は96.1で東京は宮崎の1.09倍である。これを非常に大きいとみるか否かは人により異なるだろう(消費税がないのと10%あるのとでは大きな相違になる)。https://www.stat.go.jp/data/kouri/kouzou/pdf/g_2022.pdf

以下は総務省が出している2019年度の都道府県別の平均年収ランキング等
が掲載されているもの。ご参考まで
youyaku0518.pdf (stat.go.jp)

物価以外についていうと、IT先進国北欧、エストニア、或いはシンガポールの如くスーパーのレジ打ちは近い内に消滅するかも知れない(バーコード、ICタグ、AI、センサーなど活用)。日本でもセルフレジ化が遅ればせながら進みつつある。また、地域に根差した小規模な店舗の生き残りは難しくなるだろう。結局のところ、高齢者に優しくない世界が十分に予想される。地方では、高齢者は自動車で買物に行く必要があるところが殆ど。「道の駅」では地元の食材が安く買えることもあろうが、道の駅は全国押しなべて車を使わないと不便なところである。高齢者が自分で運転すると事故の危険性が高まるのは報道のとおりである。

昨今、バス、タクシーなどの人手不足が話題になっている。AIによる自動運転(レベル1~5がある)でどこまでカバーするか(or外国人労働者に頼るのか)に関わらずMaaS(Mobility as a Service)の導入は不可避なのだろう。星新一が未来として書いたことが段々と現実のものになって来ている/ならざるを得ないと感じている。

蛇足:
熊本市にいた際(中三~大学入学で上京する前)、中心地に「ヨーカ堂」という衣料品店があってCMソング「♪アレもよかよか これもよか みんなよかよかヨーカ堂」が店外にも大きな音で流れていたので今でも頭に残っている(但し、一度も入ったことはない)。イトーヨーカドーの名を始めて知った際、先に熊本のヨーカ堂があったのでイトーを付けたのだろうと思い込んでいた。実際は浅草で開業した衣料品店「羊華堂」が「ヨーカ堂」を経てイトーヨーカ堂になっていて関係なさそうだ(熊本のヨーカ堂は既になくなっているor熊本市以外で細々と営業しているか?)。

コンビニエンスストアはスーパーではないけれど売上は非常に大きい。価格は一向に安くないのは周知のとおり。それでも利便性を取っている人が多いのだろう。
約2年前に旅行した「舟屋」で有名な伊根・・日本三景「天橋立」近く・・はコンビニが全くなく景観を保っていることが自慢のようだ。
https://photos.app.goo.gl/MjNLdpjWhnaebbfz5


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