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「コーチ」と「プロコーチ」の違いを語ることができないあなたが、プロコーチになれるのか?

「コーチ」と「プロコーチ」の違いは何か

私は教え子に、「コーチ」と「プロコーチ」の違いは何か?と問うことがあります。

この問いに対する回答はさまざまで、私はこの回答に「正解」や「不正解」を求めているわけではありません。私の考えを「正解」として伝えるつもりもありません。

ただひとつ、この会話の中で、私がいつも伝えているのは、「コーチ」と「プロコーチ」の違いとして、あなたが認識している『その違い』において、あなたがプロコーチとして成り立てていないのであれば、その「違い」はもしかしたら他にあるのかもしれませんね。ということです。

わかりにくいと思いますので、わかりやすい実例を紹介したいと思います。

教え子のひとりに、有償クライアントが取れずに悩み続けているAさんがいました。私はAさんに問いかけました。

私:「コーチ」と「プロコーチ」の違いは何だと思う?
教え子:う~ん…お金をいただいているか、いただいていないか、じゃないでしょうか。
私:なるほど。他には何かある?
教え子:他…、う~ん…。
私:じゃあ、「プロコーチ=お金をいただいている」とすれば、お金をいただけていないAさんは、プロコーチじゃないのかな?
教え子:う~ん…。
私:お金をいただくことができれば、「プロコーチ」なのかな?
教え子:う~ん…。

「お金をいただいている・いただいていない」を違いに挙げる方は少なくないです。もちろん、それは正解でも不正解でもありません。

しかし揺るぎない事実として、Aさんにとって今、「プロコーチになる」ということは、「お金をいただくこと」なわけです。その「違い」=「プロになるために乗り越えるべきものとして設定したハードル」を乗り越えるべく彼は活動を継続し、いまだ有償クライアントが取れていない状態だったわけです。

私:ということは、Aさんは今、「プロコーチになる(お金をいただく)」ためにしているんだよね。今現在結果が出ていないことを考えると、もしかしたら「コーチ」と「プロコーチ」の違いが、他にあるのかもしれないと、考えてみるのもいいかもしれないね。

この問いかけは、コーチ業界に限らず、単に「アマチュア」と「プロフェッショナル」の違いを問うものなのかもしれません。


誰のためのコーチングなのか

コーチのみなさんは、「他人に喜んでもらうこと」を「自分の歓び」とされている人がほとんどだと思います。これはコーチに限らず、多くの人たちがこのように考えているのではないかと思います。

この場合、「他人の喜び」と「自分の歓び」の両方が存在することに気づけます。では、「コーチ」と「プロコーチ」の違いを考えるとき、または「アマチュア」と「プロフェッショナル」の違いについて考えるとき、この点についてはどのように考えればよいでしょうか。

「アマチュア」と「プロフェッショナル」を調べたところ、大まかにまとめると下記のような意味があります。

【アマチュア】
英語の「アマチュア(amateur)」は、フランス語の「愛好家(amateur)」からきており、生活の糧にするのではなく、「その事が好きで純粋に楽しむ」人のことを指す。

【プロフェッショナル】
ある学問分野や事柄などを専門に研究・担当し、それに精通している人。それが本職の(その職で生計を立てる)人のことを指す。

アマチュアは、その成果や結果の価値を自分が歓び、そしてそれをさらに得たいと思い、我が喜びのために没頭しているのかもしれません。

一方プロフェッショナルは、その成果や結果の価値を他人に感じていただき、喜んでいただく。そしてその感じてもらう価値をさらに高めるべく、他人のために研鑽し続けることをいうのかもしれません。

だとすれば、「アマチュア」と「プロフェッショナル」の違いは、そのベクトルの所在、もしくは動機となるベクトルの所在なのかもしれません。


プロコーチにとっての「歓び」

私の場合、自分がプロフェッショナルで在るなかで、常に携えている言葉は「自責」です。これは私の「コーチ」と「プロコーチ」の違いを語るときに、常に核となるワードです。あらゆる事象、出来事に対して、癖のように自責を探します。

今でこそ「自分に何ができたか?」の思考を直ちに巡らせますが、プロコーチになりたての頃は、まずは自分のなかのあらゆる他責を探しだし、それを自責に置き換える作業をしていました。そして、その自責を元に、さらに自分が成長するための修正点、改善点を見つけだします。

ここでの私の成長の目的は、今後クライアントへのさらなる貢献のためだけです。

クライアントは、そのクライアントのために、自分の担当コーチがさらに成長することを望んでいます。これはクライアントの不変の強いニーズです。これに応え続けること、クライアントの感じる価値を高め続けることこそが、プロコーチの「歓び」だと私は考えています。


本日のnoteでは、「かもしれません」という表現を多く使いました。正解も不正解もありません。その答えはひとつかもしれませんし、複数かもしれません。

では、あらためて問いかけます。

「コーチとプロコーチの違いは何ですか?」

あなたが、あなたのクライアントからこう尋ねられたら、何と答えますか?

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