そこにリンゴは落ちているか？

おはようございます。
美術館行ったとき絵を見る時間よりも横の解説文を読んでる時間が長いくせに、そこに作者の生い立ちとか書いてると、それは作品の解説とは違うんじゃないの？とうるさい大塚健吾です。

改めまして、ボードゲームデザイナーとして『理想の納豆』 『行けたら行くよ！』 『ギリギリカレー』『ブックメイカーズ』そして、『シノミリア』を作りました。

いや～、タイトル超絶カッコイイですね。
元々のタイトルはこんな感じの予定でした。

ニュートンに学ぶヒットの法則

……コレはコレでカッコイイですけど、“ニュートン”っていうとあれじゃないっすか。

中二男子としてはこっちを連想しかねないので。
普通にアイザックさんの方です。

さて、ニュートンさんと言えばあれですよ。

万有引力の法則

今回のメインテーマはコレです。
万有引力。

さぁ、ご存知でしたか？万有引力。
いや、まぁ、正しく説明できることを知っていると言うのなら、ぶっちゃけ僕は全く知らないんですけどね。
物理学？の何やら難しそうな概念を僕が知っているわけがありません。

それでも確実に一つ知っていることがあります。

コレ。

はい。
今回語りたい事はもうほぼ語り終えました。

ニュートンさん。
めっちゃすげぇっすよ！！！！

万有引力の法則というメインを理解していないアホが、それが生まれたきっかけを知っていますからね。

この『万有引力』という作品がヒットしてる理由はもう完全に
「庭にあるリンゴの木からリンゴが落ちるのを見て万有引力を思いついた」
っていうエピソードが面白いから。
です。

日常にありふれた光景から高度な理論を思いつくその発想力！！
超カッコイイ！！

っていうノリで僕らはこの“万有引力”を“知って”います。

わりとみんなややこしい物理の法則を覚える気はないけど、面白エピソードには興味があります。

ここから学ぶべきは何かって。

ややこしい作品は
わかりやすい面白制作エピソードと一緒に届けろ！！

っていう話ですね。

ちなみに僕で言うとですね。
『シノミリア』

シノミリア

コレ作ったきっかけで、中学校でボードゲームデザイナーとして講義してるんですよ。

がんばった！めっちゃがんばった！
“ろくろを回すポーズ”もちゃんとできた！！
『シノミリア』３箱開封したけど悔いなし！
この中からボードゲームデザイナーのライバルが誕生してくれたらうれしい。 pic.twitter.com/9iQwtD4eP2

— 大塚健吾ボードゲーム『シノミリア』 (@kengo6312) November 8, 2019

我ながらかなり真面目に授業したと思います。

『シノミリア』の話から始まり、
ほぼすべて生徒がボードゲームデザイナーにはならないわけで、
いろんな創作や仕事に通じる考え方を話そうって考えて。

「君らが今からやっておいた方がいい練習がある。それは自分の好きな物をその魅力が伝わるように友だちに勧めることだ。この能力は将来どんな仕事についても役に立つから！」

うん。本当に真面目に授業しました。

後日、講師へのお礼として、生徒達による“大塚の授業のまとめ”という劇？発表会に呼んでいただきました。

……でだ！
彼らの記憶に残っていたのは
ほぼ『シノミリア制作秘話』だけだったからね！！！

ちなみにこちらです。

奇しくもというか、
「庭にあるリンゴの木からリンゴが落ちるのを見て万有引力を思いついた」
ならぬ
「バイト中みかん食ってるときに思いついた」
ってあたりは偶然のニュートンさんリスペクトですか。

あれですよ。
説教臭い“大人から若者へのメッセージ”なんかよりも
何かを実際に生み出す“物語”の方が面白いわ！！
って話なんでしょうね。

なかなかに反省したのを覚えています。

こういう物語の重要性を示す例はもっとごろごろありそうです。
っていうか、“誕生秘話”とか“制作秘話”とか検索すると、面白いのがめっちゃ出てきます。
何が素敵かって“秘話”って言いながら全然秘してないってことですよね。
基本、その方が伝わるから。

BUMP OF CHICKENの『メロディーフラッグ』は「記憶喪失になった友達の為に作った」みたいなエピソード未だに覚えてるもんなぁ。
あと、そう、個人的に初期のRADWIMPSを支えたと思っているのが「基本、野田さんがリアル彼女の為に作詞してる」っていう物語だったように思います。(だから別れたってときに当時のファンはすげぇ冷めた)

何か新しい物を作るとき、
その作品における、自分にとってのニュートンのリンゴは何かってのを常に意識していきたいと思っています。

最後に。

今回のメインテーマである
「庭にあるリンゴの木からリンゴが落ちるのを見て万有引力を思いついた」
っていうエピソード。

どうやらホントかどうかわからないらしいです。

なんかね、ニュートンさんの友達だっていう作家さんが「アイツがこんなん言ってるの俺聞いたもん」ってエッセイで紹介したのが初出らしく。
さらに、ニュートンさんの姪が言ってたのを聞いたんだっていう作家(いよいよそれはもう完全に他人じゃん)が紹介して広まったらしいです。

なので、本当にニュートンさんが万有引力の法則を「庭にあるリンゴの木からリンゴが落ちるのを見て万有引力を思いついた」かどうかは真偽不明で。

あれだね。
２つ思うね。

「嘘でもいいから面白制作エピソード作っちゃえば？」
ってのと、
「バレた時にすげぇ冷めるから絶対にやめた方がいい」