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夏のぬけがら (名盤044)

「夏のぬけがら」

「夏のぬけがら」はブルーハーツのギタリスト、真島真利(マーシー)が1989年に発表したアルバムです。ブルーハーツの活動期間中に発表された本作、意外にもブルーハーツと異なりフォーク・テイストのアコースティック・サウンドが魅力的であります。やはり、アルバム・タイトルが示すように夏の終わりにアコースティック・サウンドは必要不可欠な事柄なのかもしれませんし、収録曲に「花小金井ブレイクタウン」や歌詞に国立や多摩ニュータウンが登場するのでその界隈に縁のあるRCサクセションの「楽しい夕に」を連想させられます。とは言え、高音圧の「楽しい夕に」と違って柔らかい音色、ノスタルジックな雰囲気を押し出す本作でもありますが、その相性も抜群でありました。友部正人の「地球の一番はげた場所」、NHKのみんなの歌に採用された「子犬のプルー」等、カバー曲や提供された曲もありますが、マーシーの歌詞は繊細、中でも「さよならビリー・ザ・キッド」は切なくさせられます。その他、夏の終わりの示し方は人格があるような表現や描写で一層、寂しくてさせられました。因みに「カローラに乗って」に登場する1400の4ドアのカローラ、1989年のカローラにはそのような型はないらしいです。

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