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レビュー「エレファントカシマシアルバムレビュー」 第八回 ココロに花を

「ココロに花を」

ロックなBJCやTMGE、JーPOPなミスチルやスピッツ、両極端ではありますが、それぞれのジャンルの中ではエレカシとほぼ同世代のバンドの中では最高のツートップ、そんなふうに思っています。言い方は様々ですが、アバンギャルド、音楽的にはそんな言葉が当てはまるのかもしれません。そんなエレカシに慣れてしまったからなのかもしれませんが、ファーストアルバムみたいなロックなフォルムの「奴隷天国」、それさえも、いくらか、物足りなさを感じました。そして、「東京の空」はアバンギャルドでもなければロックでもない、JーPOPなムードが漂っていましたが、「ココロに花を」は紛れもなくJーPOPでした。アルバムの一曲目、大事な位置に「ドッビッシャー男」、それには救われた気分にさせられましたが、全体的にはマイルドな音加減も馴染めませんでしたし、ラブソングを歌い演奏するエレカシに憎しみと愛、入り混じった目で彼らを罵っていました。とは言え、嫌味ではなくて、JーPOPというジャンルの中では本作は傑作なのでしょう。本作を機会にファンになった方は多いと思っていますが、その大半がミスチルやスピッツが好きな人達だったのではないでしょうか?本当はBJCやTMGEのファンを意識した作品を作って欲しかったですし、もしくは、アバンギャルドな道を突き進んで欲しかったです。

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