レビュー「エレファントカシマシアルバムレビュー」 第十ニ回 ライフ
「ライフ」
所謂、男シリーズ、夜シリーズがありますが、個人的には自部屋シリーズと呼んでいる曲があります。一例を挙げると、ファーストアルバムの「BLUE DAYS」、セカンドアルバムの「自宅にて」、サードアルバムの「「序曲」夢のちまた」等で、どの曲も場所が自部屋です。それらはアルバムのイメージや性格を象徴しているし、宮本本人の生活状況や精神状態を示しているように思います。「生活」の「遁生」はその極め付けで、自部屋シリーズの代表作です。本作の「部屋」もまさに自部屋シリーズです。よく考えてみたら、「悲しみの果て」も自部屋シリーズでしたが、もっと、早く気付くべきでした。「部屋」はまさに宮本の精神状態や生活状況を示しています。安定、ゆとり、そんな言葉が浮かんできますが、聴く側であるわたしはというと、当てはまっていないような気がします。「部屋」もそうですが、「ライフ」というアルバムは音楽的には小洒落たムードが漂っています。わたしの暮らしはというと、お洒落とは言えないし、特別、それを望んでいる訳ではありません。
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