2020年 個人的に面白かった映画ランキングTOP10
10位『WAVES ウェイブス』
31の楽曲をもとに制作されたプレイリストムービーであり、フランク・オーシャン、カニエ・ウエスト、トレント・レズナーなどの音楽と映像美がエモーショナルなストーリーを盛り上げます。
前半は兄の視点、後半はその妹の視点に切り替わり、テイストの異なる二部構成になっています。
9位『37セカンズ』
生後37秒無呼吸だったために障がいを抱えた女性漫画家ユマが主人公です。
過保護な母や、才能を搾取してくる友人にとらわれていた主人公が悪戦苦闘しながら人生経験を重ね、望む未来へと進んでいく姿に惹きつけられました。
8位『燃ゆる女の肖像』
18世紀フランス。望まない結婚を控えた貴族の娘と、彼女の肖像を描く女性画家の繊細で情熱的な交流を描いた映画です。
どの場面も構図、色彩、陰影などが絵画のように美しく、時代に翻弄されながらも力強く生きる女性達が印象的です。
7位『銃2020』
私が最も好きな日本の小説家である中村文則のデビュー作『銃』の映画化であり、2018年に公開された村上虹郎の主演作に続き、新たな視点で描かれた作品です。
原作者自身が脚本を担当している点も注目していました。
銃を拾い、徐々に狂気がほとばしっていく女性主人公を演じる日南響子の魅力が、陰鬱なストーリーの中で光っています。
6位『1917 命をかけた伝令』
第一次世界大戦に投入された二人のイギリス兵の任務をワンカット(に見える映像)で描いた映画であり、臨場感が凄まじくその映像体験に圧倒されます。
終盤、主人公が伝令を持って命がけで戦場を横切るように走り抜けるシーンがあるのですが、敵陣に向かう味方の兵士にぶつかりながら進む主人公の姿はどこかコミカルにも見えて不意に笑ってしまい、隣の観客に「何笑ってんだコイツ」みたいな顔をされたことを覚えています。
5位『透明人間』
光学研究者に歪んだ愛をぶつけられた女性が主人公であり、透明人間の存在がハッキリと明らかにならないままジワジワと日常が侵されていく描写は見ものです。
反撃に転じる後半やラストの展開にも驚かされました。
透明人間の映画といえば2000年に公開された『インビジブル』の印象が強かったのですが、今作でまたひとつの歴史が更新されたような感覚がありました。
4位『ミッドサマー』
主人公たちは、白夜で日が照り続けるスウェーデンの人里離れた村の風習に巻き込まれ、予想もつかぬ恐ろしい事態へと発展していきます。
アリ・アスター監督による前作『ヘレディタリー/継承』に度肝を抜かれ、今作も期待していましたが一風変わったホラー作品で大変楽しめました。
3位『ある画家の数奇な運命』
ドイツの画家ゲルハルト・リヒターの半生をモデルにした映画であり、リヒターやアートに対する知識や興味があればさらに感動が増します。
ナチス政権やドイツの東西分裂など当時の時代背景を踏まえて、主人公が画家としての確信を得るまでの過程がドラマチックに描かれています。
2位『TENET』
『ダークナイト』『インセプション』『インターステラー』など傑作を何本も生み出してきたクリストファー・ノーラン監督の最新作であり、時間の逆行をテーマにしたSF作品です。
初見ではストーリーを完全に理解することは困難を極め、考察記事や動画なども盛り上がりました。
私自身二度鑑賞し、ストーリーを深く理解できた二度目の方が明らかに楽しめました。
1位『パラサイト 半地下の家族』
あえて内容には触れませんが、その圧倒的な面白さで鑑賞後は放心状態のまま帰宅したことを覚えています。
去年の時点で大きな話題となっていた作品であり、この映画がきっかけでポン・ジュノ監督作品をはじめ意識的に韓国映画を観るようになりました。
終わりに
2020年は激動の時世でしたが、その中でも沢山の素晴らしい映画作品が上映されました。
映画産業に携わる方々に感謝しつつ、来年もまだ見ぬ映画に期待して今年を締めくくりたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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