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公共料金の無償化に向けて①

今回から、コロナウイルスの影響で話題になっている「公共料金の無償化」について、シリーズで解説をしていきたいと思います。

今日はその第1弾として公共事業がどのように価格と生産量を決定するのかについて考えてみましょう!

ちなみに公共料金は、「電気」「水道」「ガス」など私たちの生活に大切なライフラインの公共事業に対して払う料金のこととします。

1 公共事業の独占

今日の経済は資本主義がベースとなり、企業の「完全競争」が促されています。完全競争とは、簡単に言うと「利益が最大化するように価格を自由に設定する企業間の競争」のことです。このため、企業は常に価格設定について戦略を立てたり、他社との差別化を図ろうとしています。

一方、公共事業はどうでしょう?もちろん料金プランなどで他社との差別化を図ろうとしますが、一般企業に比べると価格競争をする対象がかなり少ないです。なぜ少ないかといえば、発電所や浄水所などの施設が限定的だからです。また、ライフラインは全員が必要とするものですから、需要が途切れることはありませんよね?よって、公共事業は独占状態にあると言えます。というか、そうするしかないというのが現状ですね。

2 公共事業の収入と費用

ここからは、少しだけ数式やグラフを使って説明していきますよ!!苦手な方にもわかりやすいように、まずは数式の変数についての説明からです!実際に紙に書いてみるとより理解が深まりますよ。

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そして次に、用語の説明もしていきます。

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さらに、これまでの内容をグラフとしてわかりやすく見てみます。そして、グラフの4つの交点をそれぞれA~D点とします。

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2-1 収入編

ここからは、グラフをどう解釈していくかを説明します。

まず押さえて欲しいのは、経済の大原則「需要と供給」です。どの財も需要と供給が一致する水準で価格や生産量を決めます。そうでないと売れ残ったり、欲しがる人が殺到してしまいますよね?

グラフの限界収入曲線は「需要曲線」、2本の費用曲線は「供給曲線」と捉えてください。そうすると、公共事業側が設定しうる価格と生産量の組み合わせは、A~D点の4つになることがわかります。

次に、縦軸と横軸の単位に注目します。縦軸は「価格」、横軸は「生産量」ですね。つまりこの2つを掛け合わせると、公共事業の「収入」が表れます。「タテ×ヨコ」ですから、グラフでいえば長方形の面積のことですね!ちなみに、A点での生産量だと図の長方形のところが収入になりますね。

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A~Dの各点の生産量での収入は以下のようになります。

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B点については注意が必要です。収入を見る際には、価格と生産量が変数となっている「市場需要曲線」を見ないといけませんから、交点だけを見て「収入=8×2=16」としてはいけません。

2-2 費用編

収入ときたら次は費用です。今度は「平均費用曲線」に注目します。

「平均費用=全体の費用÷生産量」でしたね。ということは、全体の費用を求めるには「平均費用×生産量」すればいいので、これも「タテ×ヨコ」の面積で表せることになります。それではA~D各点の生産量について費用を求めてみましょう!!ここでもB点やD点については注意です。注目するのは「平均費用曲線」ですよ!

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3 公共事業の利潤

今日の最後は「利潤」についてです。利潤は「収入ー費用」で表されます。純粋な売り上げと思ってください。

それでは、A~Dの各点での生産量での利潤はどうなるでしょう?自分で計算してみて確認してみてください!

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4 今日の宿題

ここまで公共事業の収入と費用、そして利潤について数式やグラフで学んできました。ここで、皆さんに1つ問題を出したいと思います。

それは、「A~D点のうち公共事業側はどれを選ぶのか?」ということです。

明日のコラムで解説をするので、ぜひ予想をしてみてください!利潤の面だけではなく公共事業の性質にも注目して考えるといいかもしれません。


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